AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Fender/American Original Telecaster
NAMM Show 2018にて発表されたアメリカン・オリジナル・シリーズ。ここでは、アメリカン・オリジナルのテレキャスターに焦点を当て、ストラトキャスターと同様にプロダクト・スペシャリストのスティーヴ・ペッパー氏に、同モデルのポイントを聞いた。
American Originalシリーズには、50s Telecasterと60s Telecasterをラインナップしています。いずれも当時のテレキャスターのメイン・スペックに忠実でありながら、プレイアビリティの面では、よりスイッチングや指板ラジアスを改良しつつ、ビンテージ・トール・フレットなどを採用し、モダン・プレイヤー向けにアップデートされています。
──フレットの高さは、弾きやすさに直結していると思います。ジャンボ・フレットを採用しなかった理由、ビンテージ・タイプのフレットがもたらす音への影響はどのようなものがありますか?
ビンテージ・スタイル・フレットは、ビンテージ・スタイリングを大事にしつつ、モダンな指板ラジアスに最適なプレイアビリティが提供できる高さと太さのフレットです。サウンドへの影響に関しては、私たちは、太さよりも素材の方が大きいと思います。ビンテージ・スタイル・フレットはフェンダーの伝統的なニッケル・シルバー複合材ですので、サウンド・キャラクターもジャンボ・フレットとさほど違いません。
──'50s Telecasterのピックアップはアルニコ3を使ったPure Vintage ’52シングルコイルを採用していますが、どのようなサウンドの特性を持っていますか?
'52 Telecasterピックアップは、過去30年にわたりフェンダーで最も人気のあるピックアップです。リア・ピックアップはガッツのあるサウンドで、カントリーからメタルまで幅広い音楽ジャンルに対応し、ネック・ピックアップは甘くクリーミーなトーンが特徴です。ミドル・ポジションでは1952年から世界中で愛されてきているテレキャスター・サウンドを奏でます。そういう意味で、変える必要のないスペックは、そのまま残しています。
──'60s Telecasterはボディにバインディングが施されていて、さらにカラーもレイクプラシッド・ブルーやフィエスタ・レッドもラインナップしていて、59年以降のテレキャスター・カスタムをベースにしていると言えそうです。そのカスタムに焦点を絞った理由を教えてください。
私が特に強調したいのは、American Originalシリーズは、特定の年のモデルをベースにしているわけではないということです。“年”ではなく“年代”を象徴する仕様をリスペクトし、良いとこどりをして完成されているのです。サウンド面でも、良く聴くと、決してどの年のモデルをベースにしたかはわからないと思います。