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- 2024/11/16
Marshall / CODE100H
2016年に登場し、大きな話題を呼んだマーシャルのモデリング・アンプ・シリーズCODE。歴代のマーシャル・アンプ・サウンドを手軽に楽むことができ、なおかつ価格も抑えられた夢のようなアンプだが、2017年11月、ついにこのラインナップに100W出力のアンプ・ヘッドとコンボ・アンプ、そして専用キャビネットが追加された。今回はアンプ・ヘッドのCODE100Hの実力に迫るため、普段からマーシャル・アンプをこよなく愛する9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎に試奏してもらった。
2016年に発売され、大きな話題となっていたマーシャルのデジタル・モデリング・アンプ"CODE"のラインナップに、ステージやスタジオでも余裕を持って使用できる100W出力のモデル、CODE100Hが新たに加わった。そのほかのラインナップと同様に14種類のプリアンプ、4種類のパワー・アンプ、8種類のスピーカー・キャビネットのモデリングを内蔵し、iOS、Androidに対応した無料の専用アプリ“Marshall Gateway”を使って、スマートフォンやタブレット端末でセッティングのコントロール、音色のプリセットが可能となっている。
内蔵するプリアンプ部分のモデリングは、JTM45や1959などの往年の名機から、JCM800、Silver Jubileeなどのハードロック黄金期を支えた王道のロック・マーシャル、そしてJCM2000、JVM410などの近代のマーシャルまでを網羅した、熱心なマーシャル・ファンも納得のラインナップである。さらにEL34、EL84、5881、6L6という4種類の真空管の異なるパワー・アンプ部、そして定番の1960から小型ビンテージ系までさまざまなスタイルが選択できる8種類のキャビネット・モデリングの組み合わせで、自身が思う最高のマーシャル・サウンドを構築することが可能だ。USB端子も装備し、PCとデジタル接続することも可能で、DAWソフト上でCODEのプリセットを使って録音できることも宅録派には大きなメリットになるだろう。
12インチのカスタム・スピーカーを搭載したCODE100H専用キャビネット、CODE412も同時リリースされた。
自分のマーシャル・アンプとギャップがなかったんですよ
まず、今日弾かせてもらったモデリングすべてにそれぞれキャラクターがちゃんとあって、実機のニュアンスも感じられましたね。マーシャルのアンプはどれも低音弦を弾いた時に独特な唸り方や鳴り方があるのですが、それがどのモデリングでも再現されていました。特に好きだなと感じたのは1959のモデリング(PLEXI)で、マーシャルの暴れる感じと、その逆の繊細な部分のバランスをものすごく扱いやすく実現できていると思います。
あと、普段から使っている自分のマーシャル・アンプとギャップがなかったんですよ。アンプ本体が100Wだからか、音量の差もあまりないように感じました。デジタル・アンプではあるのですが、アナログ・アンプと同じようにツマミがあって、操作感はいわゆる普通のアンプと全然変わらないですし、タブレットのアプリで本当に緻密に操作できるので、ふたつを併用するとよりおもしろかったですね。
アプリの音色が保存できる機能はすごく便利で、例えば宅録している時に「あの曲と同じ音をもう一度使いたい」という時とか、ライブハウスでセッティングする時にも時間の短縮になりますよね。アンプだけでなく、キャビネットまで含めて、いろんなマーシャルの音を自分の環境で扱えるというのは本当に大きなアドバンテージですよ。今回、キャビネットも実機の1960 Aとモデリングを比べさせてもらいましたが、キャビのモデリングにもまったく違和感がなかったです。
価格:オープン
価格:オープン
菅原卓郎(すがわら・たくろう)
1983年7月19日生まれ。山形県出身。メタルやハードコアに歌謡曲のエッセンスを混ぜた独自の音楽を鳴らすロック・バンド、9mm Parabellum Bulletのボーカル&ギター。観る者を圧倒する強烈なライブ・パフォーマンスが魅力。バンドの活動以外にソロでの弾き語りライブも行なっている。普段からMarshall製VintageModern 2466を使用するなど、かなりのマーシャル・アンプ好きだ。