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- 2024/11/16
nana
2018年現在、スマホひとつで全国のミュージシャンとつながれるツールがあることをご存知だろうか? “音楽”に特化したSNS=nanaは、スマホで録音した自分の音源を手軽にアップできるのに加え、オンライン上の他ユーザーの音源にオーバーダビングしてひとつの楽曲を作り上げていく、画期的なアプリだ。今回、そんなミュージシャンならば絶対楽しめるアプリに、デジマート地下実験室でお馴染みの井戸沼室長が出張チャレンジ! nanaの基本的な使い方から応用編、さらには現在アプリ上で実施されている、村石雅行氏による特別企画音源との“コラボ”も含め、お伝えしていこう。
音楽SNSアプリ“nana”で実施されている、一流ドラマーとコラボができる夢の企画“あの村石雅行さんとセッションしよう!”と、ギター・マガジンがコラボして開催したコンテスト“勝手にギター・コンテスト”。同企画に、ついに栄えあるグランプリほか各賞が決定! 受賞者からのコメント、審査員たちの寸評とともに、それぞれの音源をチェックしてみてほしい。
まだあまり実感はありませんが、グランプリを獲るつもりで参加したので満足です! この曲は、原曲を聴いて頭の中に4〜5本のギター・アンサンブルがパッと浮かんで、それを1本ずつ録音していきました。歌のポップさは残しつつ、ロックに寄せて自分らしさを出したかったんですよね。サビのアルペジオで少しLUNA SEA感というか、浮遊感を出して。ソロもメロディを踏襲しつつ、自然に泣けるような感じで弾きました。使用した機材はストラトとLINE 6のAMPLIFi TTをTASCAMのiXZ(オーディオI/O)にとおして、アコギはiPhoneです。今はまだ歌い手さんが多いnanaですが、これからもっとギターが目立つような楽曲も、みんなで増やしていきたいですね。(キリキリマイケル)
◎Comment from ギター・マガジン編集部
グランプリ含む3部門受賞という圧巻の強さを見せたキリキリマイケルだが、ギターの先生ということで納得のクオリティ。本楽曲は歌モノだが、ボーカルを邪魔することなくアンサンブルを積み上げているアレンジの妙には脱帽だ。サビ前に倍音豊かなアルペジオを提示し、そのままバッキングにつながる流れも非常に計算されているし、ギター・ソロもコンパクトに収め、90秒の中で余韻まで楽しませるというのは少し嫉妬してしまうほどのセンスである。(ギター・マガジン編集部)
◎Comment from ギター・マガジン編集部
takeoffはファンキーな「GO AROUND」に対してゴリゴリのロックでチャレンジしてくれた。Bメロふた回し目に聴ける手グセ感満載の超絶速弾きも潔いし、男らしくてカッコいい。だが、一番注目して聴いてほしいのはテーマへのユニゾンでロック感を出す絶妙なルーズさだろう。ぜひみなさんご一聴を。(ギター・マガジン編集部)
◎Comment from ギター・マガジン編集部
複数曲応募してくれたkyoは「TELL ME」のアレンジがおもしろかった! 歌メロを踏襲したオブリは良フレーズだが、少し弾き過ぎた印象(ギタリストとしてはこれくらいがちょうど良いと言いたいが)。だが、DAITAフレーバー溢れる刻みからのピッキング・ハーモニクスも、流れを汲んだ良メロ・ソロもかなりクール。(ギター・マガジン編集部)
◎Comment from 佐々木秀尚
難しい楽曲によくチャレンジしました! 複雑なコード進行の中でもしっかり自分のカラーを出されていると思います。ぶつからないロングトーン選びなど、センスと耳が良い方だなと思いました。ピアノ・メロディのキメ・セクションをあえて空間系バッキングに回ったことで、楽曲全体に広がりとメリハリが出たと思います。ナイス・アレンジ・アイディアです。リズムもGood!(佐々木秀尚)
◎Comment from 井戸沼室長
参加してくださった皆さま、ありがとうございました! 「GO AROUND」で応募してくれた方の中から、井戸沼室長賞はキリキリマイケルさんに決めさせていただきました! 理由は、聴く人のことをしっかりと意識したプレイが好印象だったからです。ほかにも、素晴らしいテクニックのtakeoffさん、スライドで攻めてきた寝すぎた猫~さん、カッティングがかっこよかったkyoさんなどが印象に残りました。それでは皆さま、引き続きnanaを楽しんじゃってください!(井戸沼室長)
このたびはたくさんのご応募、誠にありがとうございました。賞品の発送は順次行なってまいりますので、受賞者の皆さまにおきましては、もう少々お待ちくださいませ。
なお、惜しくも受賞を逃した方の中でも、アグレッシブな演奏やテクニカルなもの、かなり独創的なものなど、素晴らしいご応募が多くありました。興味が湧いた方は、ぜひnanaをダウンロードして聴いて、自身も演奏して、さらにはコラボしてみてください!(※2018年4月13日追記)
nanaってご存知ですか? 自分の歌や演奏をスマホで録音〜投稿して、いろいろな人とのコミュニケーションを楽しむアプリです。例えば、自分の演奏に誰かが“拍手”してくれたり、コメントをしてくれたり、歌やほかの楽器を重ねてコラボしてくれたりします。もちろん、コメントやコラボは受身だけではなく、自分から仕掛けていくこともできます。そして、nanaの良いところは録音からその後のコミュニケーションまでを“ゆる〜く楽しめるところ”です。
まず、録音〜投稿がものすごく簡単です。詳しくは後述しますが、スマホひとつで簡単にできます。それから、投稿と言っても難しい演奏をアップする必要はありません。むしろ、その逆のほうが楽しめそうです。例えば、あなたが暇に任せて適当な有名曲のコードをジャラジャラ弾いて、投稿したとします。その手の演奏を大手動画サイトなどに投稿すると、視聴者からけっこう手厳しくやり込められますよね。ところが、nana では自分のゆるーい演奏に合わせて誰かが歌ってくれたりするんですよ! しかもnanaユーザーは世界に500万人もいますので、自分の周りにはいないタイプの人とつながるなんてことが普通にあります。
最近はバンドをやるのも大変だということで、気軽なセッションが流行っていますよね? でも、それでも出かけて行って、順番を待って、人前で弾くのはハードルが高いという人も少なくないはず。nanaは、もっともっと気軽に、自由にセッション(コラボ)ができて、SNS的なコミュニケーションも楽しめるツールだと思ってもらえば間違いないでしょう!
nanaの使い方を説明します。実は使い方というほどのこともなくて、“nanaをダウンロードして、触ればわかる。以上”という感じなのですが、一応もう少し丁寧に説明します。まずは、スマホにnanaアプリをダウンロード&インストールし、アカウント登録をします。
nanaを起動すると、ホームやマイページといったアイコンの中に、ひときわ大きなマイク型の“録音”というアイコンがあるので、それをタップします。すると、上部に“いますぐ録音開始”と表示されるので、それをタップすると誰が見ても録音モードだとわかる大きなマイクのイラストと、入力レベルを示すインジケーターが現われます。その状態で、適当な場所にスマホを置き、レベル確認を行ないます。
nanaでは、基本的にスマホの内蔵マイクをそのまま使いますので、アコギを弾くならギターとスマホの距離、エレキを弾くならアンプとスマホの距離を適当に取って、楽器を鳴らしてインジケーターの動きを見ます。入力オーバーなら(インジケーターが赤色まで振り切れたら)レベル調整のコントロール(ひとつしかないので、すぐにわかります)を下げ、適正値にしてください。準備はこれで終わり。スマホを適当に置いて、入力レベルをざっくり合わせて、終了です。あとは赤くて丸い録音ボタンを押すだけ!
ちなみにnanaでは、録音できる時間は1分半までに制限されています。これが絶妙で良いんですよ! だいたい、歌モノなら1回目のサビまでって感じです。集中力が途切れず、演奏しやすい長さです(聴きやすい、コラボしやすい長さでもあります)。演奏は、気に入ったものが録れるまで、何回でもリテイクOK。気に入った演奏ができたら、演奏後にnana上でエコーやコーラスなどのエフェクトをかけることができますので(それも簡単です)、お好みでどうぞ! あとは、曲のタイトルや視聴者へ向けたコメントを入力して、投稿するだけです。簡単ですよね?
エレキをよりクリーンな音で録りたい人は、オーディオ・インターフェイスを使ってギターとスマホをつないでください。ただし、そのままではライン感丸出しの音になりますから、ぜひ好みのエフェクターやシミュレーターも使いましょう。注意事項としては、nanaはあなたがいくら良い音で録っても、その後にコラボして重ねる人が音質を気にしないタイプだったらアウトですから、“好みの音を追求するのはOK! ただし、あまりノイズなどを気にし過ぎるのは不毛”だと覚えておきましょう。シビアになり過ぎず、気軽に楽しんでください!
さて現状、nanaでは“歌いたい”という方が多いようで、素敵なギターの伴奏をつけられる人は、あっという間に人気者になる可能性があります。その一方で、どんなに良い演奏をしても、誰からも声がかからないこともあり得ます。必勝法のようなものはないのですが、例えばnanaでの人気曲、知名度の高い曲を投稿すると、反応が良いようです。“ホーム”の“見つける”ページには、その時々の人気の曲やトレンドワードが紹介されていますので、投稿やコメント欄のタグ付けの参考にすると良いでしょう。あとは、nanaに投稿したことをTwitterなど、ほかのSNSを使って拡散するのも良い方法です。
また、投稿する際には、同じ曲でも異なるキーでいくつか投稿する、ロック・バージョン、ボサノバ・バージョンを作るなど、“歌いたい人が喜ぶことをやる”と良いようです。あとは王道ですが、ほかの人の歌や演奏もしっかり聴いて拍手やコメントをすることも大事です。それから、自分が元となる伴奏を投稿するだけでなく、積極的にほかの人の演奏にコラボしていくこともフォロワーさんを増やすには良いようです。
コラボの仕方も実に簡単! ホーム画面では、ロック、ポップ、ボーカロイド、アニメ、フォークなど、さまざまなジャンルごとにオススメ曲や人気曲を提示してくれますし、曲名から好きな曲を検索することもできます。同じ曲をたくさんの人が歌ったり、弾いたりしていますから、それを聴いていき“これだ!”という人がいたら、大きなマイクの“コラボ”アイコンをクリックするだけ。そこからの録音の仕方は、前述の通りです。
どんな方法をとるにせよ“フォロワーを増やすためにガツガツやる”というのは、ほかのSNSでもそうですが、なんとなく相手に伝わってしまいますよね。自分が十分に楽しんで、相手も楽しませてあげたいと思っていると、自然にそれが伝わるのではないでしょうか? とりあえずやれることをやって、反応を待つ──待つのもnanaの楽しみくらいに思っておくのが良いと思います!
nanaでは現在、楽器演奏者向けに、スーパー・ドラマーの村石雅行さんの演奏とコラボできる企画を実施しています。村石さんがドラムを叩いている曲を5曲用意、しかもその5曲はそれぞれギタリスト向けにギター・パートが入っていないオケを、ベーシスト向けにはベースが入っていないオケが用意されています(そのほかのパターンもあり)。そこに自分の演奏を入れてコラボ音源を作成し、投稿するという企画です。
村石さんと言えば、松任谷由実、椎名林檎、ももいろクローバーZなど多数のアーティストを支えた名ドラマーで、日本人でテレビやラジオを観たり聴いたりしたことがある人なら誰でもその音は耳にしているはずというくらいの人です。私も村石さんがかつて在籍していたKENSOというバンドでのプレイに憧れていたので、この企画に参加しないわけにはいきませんでした。というわけで「GO AROUND」という曲にギターを入れてみたので、ぜひ聴いてみてください。
そして、聴くだけではなく、ぜひみなさん自身も演奏して投稿してみてください! nanaを歌い手さんだけのものにしておく手はありませんよ。メチャメチャに弾き倒すも良し、リラックスして気楽に弾くのもまた良しです! 皆さんの好きなやり方で、nanaを楽しんじゃってください!
現在、上記の村石雅行さんとの共演企画と関連して、nanaとギター・マガジンがコラボしたコンテストを実施中! 村石雅行さんの楽曲(「GO AROUND」「GRINNING SHUFFLE」「I WILL BE WITH YOU」「TELL ME」「TIME IN TIME」)に、ギター演奏でコラボした参加者から“ギター・マガジン賞 グランプリ”を1名様、“ギター・マガジン賞 準グランプリ”を2名様、「GO AROUND」の参加者から“井戸沼室長賞”を1名様、「TIME IN TIME」の参加者から“佐々木秀尚賞”を1名様を選出させていただき、4月19日発売の「ギター・マガジン 2018年5月号」にてお名前を発表。さらに下記プレゼントをお贈りさせていただきます。
なお投稿の際は、キャプションにハッシュタグ「#nanaGM」を入力するのをお忘れなく! 締め切りは、3月13日(火)まで。たくさんの投稿お待ちしております!
◎楽曲は以下の5曲から選曲!
http://nana-music.com/playlists/1935098/
本記事に関連した特集「プロ・ギタリスト直伝 nanaの楽しみ方」が、リットーミュージック刊『ギター・マガジン2018年2月号』に掲載されています。同記事は、TRIXなどで活躍する実力派ギタリスト佐々木秀尚氏によるnanaの使い方解説と、村石雅行氏楽曲の解説を掲載しています。そちらも併せてご笑覧ください!