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- 2024/11/16
〜ドライブ・ペダル オペアンプ交換実験〜
「オペアンプ交換、やりだすとキリがないよね」
「……まぁ、普通やんないけどね」
「は? 普通やるでしょ!!」
「そ、そうなの?」
私もそうなの派でしたが、今回、オペアンプ交換を徹底的にやってみました。
オペアンプ伝説、ありましたね(過去形にしてはいかんのでしょうか?)。オペアンプ自体は様々なエフェクターに使われているICチップで、大半は数十円〜数百円ほどの、珍しくもなんともないのですが、多くの人がオペアンプに注目するようになったのは、やはりスティーヴィー・レイ・ヴォーンとアイバニーズのチューブ・スクリーマー、「TS808」、「TS9」の影響でしょう。古いTS808、TS9に定評のある4558オペアンプが搭載されていると、それだけで価格が上がるほど人気がありますよね。ただ、私自身はそのあたりは無頓着でした。
デジマート編集部I氏「室長は、やっぱり艶あり、好きなんですか?」
私「え? えっ? えっ? つ、艶、ですか?」
【つや】艶
1 ものの表面から出るしっとりとした光。光沢。
2 なめらかで張りがあり美しいこと。
3 おもしろみ。味わい。
4 異性間の情事に関すること。
私「はああ……いや、それは好きではないと言ったら嘘になるというか、あながち嫌いではないというか……あうあう」
I氏「そうですか、良かった。じゃ、次の実験はオペアンプ交換やりましょう」
私「え? オペアンプ? ああ、オペアンプか。私はてっきり【4】のことかと」
I氏「なんですか?」
私「いや、オペアンプ、やりたかったんですよ!やりましょう、オペアンプ!」
ものすごく適当な受け答えをしている間に、オペアンプ実験をやることになりました。ふうう。
I氏「ちなみに、室長だけでは心もとないので、細川雄一郎さんに協力を依頼しておきました」
Iさん、手際いいなぁ。細川雄一郎さんといえば、地下実験室の視聴者にはもはや説明不要な気もしますが、永久保存のギター・マガジン11月号ビッグマフ特集で監修・執筆を担当し、『THE EFFECTOR book』にコラム「マニアの極北」を連載し、一部の人から“電子部品と話ができるみたいよ”と言われている細川雄一郎さんですよ。ああ、もう安心だ。
それではオペアンプ交換実験、始めるよー!!
■使用機材
◎フェンダージャパン / ストラトキャスター ST62-500 ローズ指板(ギター)
◎フェンダー / 68 Custom Deluxe Reverb(アンプ)
◎アイバニーズ / TS9(オーバードライブ)
◎フェンダー / ティアドロップ・ミディアム(ピック)
◎アーニーボール / レギュラースリンキー(弦)
◎プロビデンス / S101(ケーブル)
◎以下、オペアンプ各種
※リンクはそのオペアンプを搭載したエフェクターとなります。
《汎用タイプ》
NJM4558D / JRC 新日本無線
NJM4558DD / JRC 新日本無線
NJM4558DX / JRC 新日本無線
KA4558 / Fairchild フェアチャイルド
MC4558CP / Fairchild フェアチャイルド
RC4558P / Texas Instruments テキサス・インスツルメンツ
NJM4559D / JRC 新日本無線
RC4559P / Texas Instruments テキサス・インスツルメンツ
NJM4560D / JRC 新日本無線
NJM4560DD / JRC 新日本無線
NJM072D / JRC 新日本無線
TL082CP / Texas Instruments テキサス・インスツルメンツ
LF353N / Fairchild フェアチャイルド
LMC6482AIN / National Semiconductor ナショナル・セミコンダクター
《ハイエンド・タイプ》
NE5532P / Texas Instruments テキサス・インスツルメンツ
OP275 / Analog Devices アナログ・デバイセズ
LME49860NA / National Semiconductor ナショナル・セミコンダクター
MUSES8920D / JRC 新日本無線
OPA2604AP / Burr Brown バー・ブラウン
LT1498 / Linear Technology リニア・テクノロジー
LME49720HA / National Semiconductor ナショナル・セミコンダクター
《80年代ビンテージ》
NJM4558DD(艶あり)/ JRC 新日本無線
RC4558 MALAYSIA(マレーシア)/ Texas Instruments テキサス・インスツルメンツ
RC4558JG / Texas Instruments テキサス・インスツルメンツ
※セッティングについて
■アンプ、オーバードライブのセッティングは全て同じで、オペアンプだけを交換したものを弾き比べています。オペアンプは楽器店や電子部品店、Webサイトで入手しやすいものを集めました。
■試奏では、ストラトのセンターPUのみを使っています。
■今回は実際に弾いた感触も大切にしたかったので、比較としてはより正確なデータが採取できるルーパーを使用せず、あえて手弾きでの実験としました。
■本企画では動画再生の際、ヘッドフォンでの視聴を推奨しております。
■オペアンプは精密機器であり、ピンの配置を間違えると発熱して壊れるなどデリケートな面があります。改造する場合は自己責任にて行なってください。
■あくまでも実験の献体として、もっとも汎用性の高いオーバードライブであるチューブ・スクリーマーTS9を選択しました。チューブ・スクリーマーの改造を推奨するものでないことをご了承ください。
まずは、地下39階「エフェクター・エイジング実験」で使った現行のTS9(新品の方)に載っているJRC 新日本無線NJM4558Dというオペアンプの音をチェックします。一度オリジナルのままで弾きまして、次に細川さんがオペアンプを交換しやすいようソケットを付けてくれたものに、改めて元のオペアンプを載せたものを弾きました。動画に収録されているのは、他と条件を揃えるためにソケットを通したJRC 新日本無線NJM4558Dの音です。
ここで驚いたのは、ソケットを付けただけで元に比べて音が悪くなったことです! 本当に! もし「お気に入りのペダルのオペアンプを交換しやすいよう、ソケットを付けて、気分でオペアンプを換えている」という人がいたら、即刻やめて最も気に入っているオペアンプをはんだで固定しましょう!
で、JRC 新日本無線NJM4558Dの音ですが、いつもの地下実験室と同様、最初のものは比較対象がないため、正直よくわかりません。TS9の音だなぁという感想のみで恐縮ですが、次にいかせていただきます。
[NJM4558D搭載のエフェクターを探す]
1のオペアンプと何が違うの、と思った方、するどい! 1は型番の最後がDで、こちらはDDです。1のローノイズ・タイプなんですよ。
さて、皆さん、動画を見て「おおっ、ローノイズだ!」と思いましたか? ……難しいですよね。動画後半のダイジェストをヘッドフォンで視聴するのが比較的わかりやすいと思いますよ!
自分は正直、ノイズに関しては弾いていてもわからなかったです。ただ、弾いた感覚では、こちらの方がマイルドだと思いました。マイルド=高域が出ない、つまり高域のノイズも抑えられているという解釈もできます。
ただし、弾いた私はマイルドに感じましたが、現場では「そうは聴こえなかった」という意見もあったことをお伝えしておきます!
[NJM4558DD搭載のエフェクターを探す]
こちらは4558のDX、ハイゲイン・タイプということです。……これはですね、よく良いアンプに対して「音が速い」なんて言うじゃないですか? このオペアンプは逆に、音が遅い感じがしました。「レイテンシーを感じるオーバードライブ」って新しいですね……。現場の皆さんからも「音が奥まっている」という意見が出ていましたよ! ハイゲイン感については、あまりわかりませんでした。
ただ、ここで勘違いしてはいけないのが、「JRC 新日本無線NJM4558DXはダメなオペアンプ」ということではなく、現行のTS9との組み合わせでは相性が悪く、能力を発揮できていないとみるのが正解だと思います。いや、これを変にかばっているわけではなく、オペアンプってそういうものでしょう(と細川さんが言っていました/笑。私は正直使えんヤツだと思いましたよ/笑)。
[NJM4558DX搭載のエフェクターを探す]
世界初のオペアンプはなんと真空管を使ったものだったらしいですが、それを今の形のオペアンプにぐっと近づけたのがフェアチャイルド社らしいです。そこの4558ですが、弾いた本人は歪み量が少なく感じました。現場で聴いている人はソフトな音で、歪みの粒が細かいと感じたようです。あなたはどう感じましたか?
[KA4558搭載のエフェクターを探す]
これは、巻き弦のニュアンスが良く出て、弾いていて気持ちが良かったです。ハイの方はちょっとソフトに感じました。ここまでの中では、比較的上質な感じです。
[MC4558CP搭載のエフェクターを探す]
アメリカの大手電子部品メーカー、テキサス・インスツルメンツの4558です。これは、イメージするTSの音(ミドルが強い音)がしました。で、ここで改めてJRCを聴き直すと、JRCのものは総じて歪みの粒が粗いですね、極端なことを言えばちょっとファズっぽいニュアンスを感じます。これはTSとの相性が良いのでしょう、オーバードライブの音ですね。それと、肉厚なのに軽やかな感じで、気持ちの良い音です(個人の感想ですので、自分はそう思わないという人がいるとは思いますが)。
[RC4558P搭載のエフェクターを探す]
4559ですよ、末尾が8じゃなくて9! これは4558の周波数特性を改良したものということです。周波数特性……よくわからない……やっぱり歪みの粒は粗めに感じますが、下品な感じはしません。なんていうか、ミニ・スイッチが付いているオーバードライブで、それを入れるとTS系になる、みたいな……TSじゃないペダルがTSに寄せている感じがしました。ちなみにこういった感想は、動画で弾いている決められたフレーズ以外にもいろいろ弾いて感じたことであって、動画だけを見ている皆さんにはわかりにくいかもしれませんが、実際に弾いた感想を率直にお伝えしておきますね。
[NJM4559D搭載のエフェクターを探す]
これはテキサス・インスツルメンツの4559です。……これも周波数特性についてはよくわかりませんでしたが、6で感じた軽やかなニュアンスは感じました。これがテキサス・インスツルメンツらしさなんでしょうか? そうだとしたら、私は結構好きかも、です。
[RC4559P搭載のエフェクターを探す]
今度は4560、です。これも4558の改良版ということで、600Ωドライブだそうですが、私にはなんのこっちゃです……。音は、うーん、わかりにくくて恐縮ですが、ピッキングした音に膜がかかっているような感じがしました。あとは、特筆すべきところがないような……。
[NJM4560D搭載のエフェクターを探す]
9が4560Dだったんですが、これはDD、つまりロー・ノイズ品です。例によってノイズがどうかはわかりませんが、9より元気があって、ボトムがしっかりしている感じがします。9よりも、好印象です。でも歪みの粒は粗いですね。これがやっぱりJRCの特徴なのかなぁ。
[NJM4560DD搭載のエフェクターを探す]
次は、いよいよ455●シリーズから抜け出して、072Dというオペアンプです。FET入力の定番品とのこと。これはですね、ここまで弾いた中で一番の不思議ちゃんでした。5〜6弦あたりはクリアなんですが、高音弦に向かうに従ってゲインが増すという、普通のエレクトリック・ギターではなかなか得難い感覚でした(低い方がよく歪むというのは、よくあるパターンじゃないですか)。オペアンプ1個でそんな感覚が得られることが面白いなと思ったんですが、動画の定型フレーズだけを聴いている皆さんに、この変な感覚が伝わるかどうか……。
[NJM072D搭載のエフェクターを探す]
続いては、個人的に印象が良いテキサス・インスツルメンツのTL082CPというオペアンプで、TL072CPの同等品ということです。会社は違えど、前の11と同じ仲間ということですね。どれどれ?
あ、同じ仲間といえど、やはり11とは印象が違いますね。あの不思議な特性は少なくて、バランスが良いです。バランスはいいんですが、音、細いですねー。ローが出なくて、細い中で調和している感じ。ミドルのもりもり感、いわゆるTSらしさも少ないです。
[TL082CP搭載のエフェクターを探す]
こちらはLF353Nというオペアンプです。弾いてみた印象は、全体的には他の4558より痩せている印象。特に中域がすっきりしていて、上と下は出てドンシャリ気味に感じました。オペアンプ単体では中域が強いものなのかもしれないですが、現行TS9に入れて弾いてみると印象が違うっていうのが面白いというか、難しいというか。
[LF353N搭載のエフェクターを探す]
アメリカの企業で、今ではテキサス・インスツルメンツに買収された会社らしいです。パーツ好きの方々は「ナショセミ」って言うらしいですが、私は初めて聞きましたよ。CMOSの定番で、単電源デュアル・オペアンプです。えーと? それだと、どんな良いことがあるのかな?
とりあえず、オリジナルの4558とかに比べると音はやっぱり細く、ロー・ゲインですね。でも、歪みの粒は粗くなく、割と上質な感じはします。クリーンな分、巻き弦の質感もよく出ていて、これはこれで味があるとい言えそうです。ふうーーーっ、ここまでで、汎用品は終了です。
[LMC6482AIN搭載のエフェクターを探す]
ここからは、ハイエンド・タイプをチェックしていきます。このNE5532Pは、高性能オペアンプの走りで、超定番品らしいです。
音については……おおっ、ついにオリジナルに負けていないオペアンプが登場しましたよ! ここまで弾いてきて、オリジナルのNJM4558Dは粗さもあるけどTSに合っていて、やっぱりうまいこと設計されているんだなと思っていましたが、これはパワー感で負けていない上、高域がきれいです。ちょっと疲れてきた耳が、フレッシュになった感じがしました。
[NE5532P搭載のエフェクターを探す]
アナログ・デバイセズは1965年からオペアンプを作っている、技術力の高いメーカーとして有名だとか。「アナデバ」って略すらしいんですが、私は今までの人生で1回もアナデバって口にしたことがありません。
肝心の音ですが、これは良いですよ! パワフルで、低音弦の質感が良く、高音弦も倍音が豊かで、弾いていて気持ちが良いです。これ、かなり良かったんですが、動画でうまく伝わってるかな?
[OP275搭載のエフェクターを探す]
これは、ハイファイ・オーディオ用として使われるもので、原音に対して忠実で、かつノイズが少ないという優等生です。楽器用としてはほとんど使われたことがないオペアンプだそうです。
これも確かに音に張りがあって、前に出てくる感じがします。解像度も高いし、サステインもきれいです。特に素晴らしかったのは、残念ながら動画には収録されていませんが、リア・ピックアップの音です! 力強いけど、耳に痛くない。めちゃくちゃいい音で、楽器のグレードが上がった感覚すらありました。このオペアンプ、ビルダーさんは注目したほうがいいと思います!
[LME49860NA搭載のエフェクターを探す]
JRCが音響・オーディオ用に作ったオペアンプです。オーディオ・グレードのものとしては特に高級品ではないのですが、それでもオリジナルのオペアンプ(40円前後)に比べると、高いものです(480円前後)。
音質は、ハイエンド系に共通するパワフルさ、解像度の高さ、サステインの美しさがあり、17あたりとの違いは中域が強く出ている点でしょうか。その意味ではTSとの相性も良いし、オーディオ用と言いつつ、結構エフェクター向きな感じがします。
[MUSES8920D搭載のエフェクターを探す]
ハイエンドなオペアンプで知られるバー・ブラウンですが、この会社もだいぶ前にテキサス・インスツルメンツに買収されたみたいですね。TI社はなんでも飲み込むなぁ。これもオーディオ用としては定番品で、細川さん曰く、「スーパーで言えば成城石井、23区で言えば港区です」とのこと(笑)。
さて音はというと、まずやはり音量がでかめですが、ハイエンド品の中では控えめというか、むちゃくちゃでかいというほどではなく、むしろバランスが良くてシングルコイルの良いところをプッシュしてくれる感じです。で、サステインがすごくきれい! 伸ばしている途中で音が揺れたりすることなく、スーーーッと伸びて消えていきます。なるほどねぇ、これが成城石井か、ウチの近くにはそもそもないからな(笑)。
[OPA2604AP搭載のエフェクターを探す]
1981年に設立されたメーカーで、その後アナログ・デバイセズに買収されています。この業界、熾烈だな。このオペアンプはレクティークの製品でも使われているようです。
実際弾いてみた感想ですが、これもメチャクチャ良いです。パワフルで、解像度が高く、サステインがきれい。ハイがしっかり出るけど耳に痛くない。これは一個745円です。オリジナルで搭載されていたJRCのNJM4558Dの20倍近い値段です。そんなのを平気で使って、価格も抑えているレクティークのシュン・ノキナさんってやっぱり凄いなと変な方向で感心しました。
[LT1498搭載のエフェクターを探す]
これは、もう形からして違いますね。CANタイプのオペアンプで、「超々ハイスペック」だそうです。ちなみに価格は1個1,000円です。
音なんですが、これ、面白いです! まず、もっとスーパー・ハイファイな音をイメージしていたんですが、むしろ自然な音でちょっと肩透かしを喰らいました。歪みの量はちょっと減っているので、動画だとむしろ地味に聴こえるかもしれません。で、申し訳ない、本当にすごいところがセンターPUで弾いている動画ではわからないのですが、フロントが超ジャキッとして、TSの音じゃない! リアはちゃんとリアの音なのに耳に痛くなく、心地良い感じです。ハイエンド系オペアンプはどれも良かったですが、傾向は似ていました。その中で、これはどれにも似ていない異彩を放つオペアンプでした。
[LME49720HA搭載のエフェクターを探す]
オペアンプ大好きという皆さん、お待たせしました! ここからはビンテージ系です。大人気の80年代JRC NJM4558DD(艶あり)です。
ああ、皆さんが騒ぐのが、初めてわかりました。これぞTSという音で、しかも現行のJRC NJM4558DDと違い、歪みの粒がきめ細かい! なるほどなぁ、これにヤラれるのか。
[NJM4558DD(艶あり)搭載のエフェクターを探す]
いわゆるマレーシアン・チップというやつですね。これ、音がメチャクチャ良いですね! 歪みの量、はっきりした音の輪郭、これぞTSという中域の強さ、TSとはベスト・マッチでは? 個人的にはJRC NJM4558DD(艶あり)よりもこちらに軍配を上げますね。ただ、現行TSに合わせた状態での個人的な好みというだけですから、必ずしもオペアンプとしてこちらの方が良いと言っているわけではないことをご理解ください。
[RC4558 MALAYSIA搭載のエフェクターを探す]
長かったオペアンプの旅も、これでいよいよ最後です。本当は細川さんがもっとたくさんのオペアンプを持ってきてくれていたのですが、スタジオの時間、私の気力、体力、いろいろと限界です……。
これはビンテージ4558の最高スペックのオペアンプということです。サウンドは……これもいい音、しかもちゃんとビンテージの音です。不思議。ハイエンド系にはハイエンド系の、ビンテージ系にはビンテージ系の共通した音があるんですね。勉強になりました。
[RC4558JG搭載のエフェクターを探す]
結論:オペアンプを替えるとドライブ・ペダルの音は変わる!
本当にオペアンプ、なめてました。すみません。オペアンプを替えるだけでものすごく変化があることがわかりました。
個人的なベスト3は、ハイエンド系の17.ナショナル・セミコンダクター LME49860NA、20.リニア・テクノロジー LT1498、そしてビンテージ系の23.テキサス・インスツルメンツRC4558 MALAYSIAです。どれも良かったなぁ。正直、がっかりするくらい音が悪くなったソケットを付けた状態であの音ですから、ちゃんとハンダで付けたらもっと良くなるかと思うと……ご、ごくり。
皆さんは、どれが良かったですか? よくわからなかった? 本当に毎回思うのですが、現場でははっきりと違いがわかって一同感動しています。それをなんとか、うまく伝えられたらなぁ。
それでは次回、地下46階でまたお会いしましょう!
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井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジン・チャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。