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- 2024/11/16
ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 2016
60年代にヤードバーズのギタリストとしてデビュー。卓越した演奏技術を武器に、その後はジェフ・ベック・グループ、ベック・ボガート&アピス、ソロなど、さまざまなプロジェクトで活躍し、半世紀にわたり世界のロック・シーンの先頭を走り続けてきたジェフ・ベック。そんな彼のデビュー50周年を記念し、2016年8月10日にハリウッド・ボウルで行なわれたライブを収録した最新映像作、『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 2016』が2017年9月27日に日本で先行発売された。この機会に、この数年間で使用されたジェフ・ベックのギター、アンプ、エフェクターといった機材を紹介していこう。
ジェフ・ベックの輝かしい50年の歴史を掘り下げたドキュメンタリー映像作品、『ジェフ・ベック/スティル・オン・ザ・ラン~ジェフ・ベック・ストーリー』が2018年3月7日(水)に日本先行リリースされる。
ジェフのギター・プレイや曲作りにおけるインスピレーション源への追求はもちろん、彼を取り巻く人物(エリック・クラプトン、ロニー・ウッド、ジミー・ペイジなど、錚々たる面々!)への独占インタビュー、ギターを手にした頃のルーツからジェフ・ベック・グループ、ベック・ボガート&アピス、そして現在までの歴史を網羅したファン必須の内容となっている。
ジェフ・ベック/スティル・オン・ザ・ラン~ジェフ・ベック・ストーリー
【2DVD+ギター・フィギュア】YMBA-10733/4 (9,500 円+税)
【2Blu-ray+ギター・フィギュア】YMXA-10735/6 (10,000 円+税)
※日本盤の初回限定盤には、ジェフ・ベックが日本のファンのために特別に製作を許可した“テレギブ”1/8 スケール・ フェンダー公認フィギュア付き
また、本作品のリリースを記念して、2018年3月5日(月)に一夜限りの上映会が開催される。会場はシネマート新宿で、入場料は1,000円(税込み)! イベントの気になる詳細はこちらから。そしてトレーラー映像も公開されたので、こちらもチェックしてみてほしい。
(C)2018 Fender Musical Instruments Corporation.
FENDER, FENDER in script, TELE, TELECASTER and the distinctive headstock commonly found on Fender guitars and basses are trademarks of FMIC. All rights reserved.
『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 2016』は、ジェフ・ベックのデビュー50周年を記念して、2016年8月10日にロサンゼルスのハリウッド・ボウルで行なわれたライブの模様を収めた映像作品だ。ジェフの長く、そして輝かしいキャリアを俯瞰できる内容となっており、バディ・ガイ、ヤン・ハマー、ビリー・ギボンズ(ZZトップ)、スティーヴン・タイラー(エアロスミス)、ベス・ハートという豪華ゲスト陣がそこに花を添えている。
ゲストを除くバンド・メンバーは、まずはボーカルにジミー・ホール(ex.ウェット・ウィリー)とロージー・ボーンズ。サイド・ギタリストにカーメン・ヴァンデンバーグ。ロージーとカーメン、このふたりの女性は、ライブの前月にリリースされたばかりの最新アルバム『ラウド・ヘイラー』のレコーディングにも参加している。ベーシストにはロンダ・スミス。2010年にジェフのツアー・メンバーに起用された名女性プレイヤーだ。ドラマーのジョナサン・ジョセフは2013年からツアーのバックを務めており、ロンダとのコンビネーションも鉄壁だ。
取り上げられたナンバーは、ヤードバーズ時代のものから、ジェフ・ベック・グループ、ソロ、そして最新作『ラウド・ヘイラー』からと、多岐にわたっている(さすがにキャリアが長いために、楽曲が取り上げられなかった時代やアルバムもあるのは仕方のないところだろう)。ジェフのギター・プレイは、この50年間、常に進化を続けてきた。ブルースを土台にしながらも、そこに数々のトリッキーな技を重ねていき、指弾きにアーミングとハーモニクスを組み合わせることで、今では前人未到と言っても過言ではない域に達している。それでも、まだ進化し続けるのではないかという予感を抱かせながら……。これまでの歩みを振り返る数々の興味深いセットリストの中で、そんなジェフのギター・プレイの(現時点での)到達点を確認しつつ、それを存分に楽しむことができるのが本作だ。
ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 2016
【DVD】YMBA-10693(¥4,200)
【DVD+2CD】YMBA-10694/6(¥6,700)
【Blu-ray】YMXA-10697(¥5,200)
【Blu-ray+2CD】YMXA-10698/700(¥
【デラックス・エディション/BD+2CD+3LP+Tシャツ】
【『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 2016』の詳細はこちら!】
ここからは『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 2016』の発売を機に、近年のジェフ・ベックの使用ギター、アンプ、エフェクターを紹介しよう。
※ギターとアンプの写真は2017年1〜2月にかけて行なわれた来日公演時に撮影したもので、ハリウッド・ボウルでのライブ時とは異なる部分があります。また、エフェクターは『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 2016』の映像内で確認できたものを掲載しています。
リバース・ヘッドを持つフェンダーカスタムショップ製ジェフ・ベック・ストラトキャスター。ウィルキンソン製ローラー・ナット、2点支持ブリッジ、シュパーゼル製ロック・ペグ、ジョイント部のヒール・カットなど、ジェフ・ベック・ファンにはお馴染の仕様だ。ここに掲載した写真は、2017年1~2月の来日公演時に撮られたもの。ネックが、それ以前に付いていた1999年にJ.W.ブラックが製作したものから、マスタービルダーのトッド・クラウスが新たに製作したものに換わっており、『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 2016』の時点からすでに進化を見せていることがわかる。
フェンダーカスタムショップのマスタービルダー、トッド・クラウスによるジェフ・ベック・ストラト。N3ノイズレス・ピックアップを搭載している点と、ウィルキンソン製ローラー・ナットを装着している点以外は、市販モデルと同じ仕様だ。ジェフはこのギターを、ドロップDチューニング専用として使用しているようだ。
本器もトッド・クラウス製作のジェフ・ベック・ストラト。通常のジェフ・ベック・モデルどおり、ホット・ノイズレス・ピックアップが搭載されている。こちらは全弦半音下げで使用されており、ヘッド側面にはそれを示す“FLAT E”というステッカーが貼られている。
1959は、マーシャルを代表する100Wアンプ・ヘッドのひとつ。60年代後半に登場してから数多くのギタリストたちを魅了し、ロック・サウンドの基礎を作り上げた伝説的名機だ。本機は、そのリイシュー・モデルの1959SLP。
チェック柄のフレットクロス(サランネット)が目を惹く、現行モデルながらビンテージな雰囲気を持ったキャビネットの1960BX。(改造をしていないとすれば)スピーカーはセレッション製のグリーンバックG12M-25を4本搭載している。1959SLPと1987Xとのコンビネーションは、まさに伝統のブリティッシュ・サウンドを生み出す。
1987は1959の50Wバージョンで、本機もリイシュー・モデルの1987X。出力が100Wの半分のため、1959SLPよりも歪みやすいのが特徴だ。断言はできないが、ジェフは歪み量の違いで両者を使い分けているのではないだろうか。
“BECKTONE”と前面プレートに書かれているが、中身はマグナトーン製のSuper fifty-Nine Mk II。ビンテージ・ブリティッシュ・アンプを現代に甦らせた、非常に評価の高いモデルだ。ジェフは2015年からマーシャルと並行して本機を愛用している。サイド・ギタリストのカーメン・ヴァンデンバーグが使用しているのも同モデルだ。
ペダル部が足跡の形をしたこのワウは、ジェフのファンにはもうすっかりお馴染だろう。3つのモードが選べるほか、ブースト機能、ボリューム機能なども付いており、幅広いサウンドを作ることができる。
ジェフは長年、KLON製のオーバードライブ、ケンタウルスを使用していたが、それに代わったのがケンタウルスを再現したこのモデル。現在のジェフ・サウンドの要となっていると言っていいだろう。
世界的に評価の高いBOSSのデジタル・ディレイ。ジェフが使用しているのは、その中でもロングセラー機種であるDD-3のようだが、導入したのは2016年あたりか。ちなみに近年では、strymonのEl Capistan(テープ・エコー・シミュレーター)、MXRのCarbon Copy 、Way HugeのAqua-Puss(ともにアナログ・ディレイ)を使用していたこともある。
エディ・ヴァン・ヘイレンが使用したことでも有名なフランジャーの代表機種。ジェフはBOSSのフランジャー、BF-2を長く使用していたが、最近は本機を使っているようだ(場合によって使い分けている可能性もある)。
長く愛用しているHughes & Kettnerのレスリー・スピーカー・シミュレーター。常にオンになっているわけではなく、要所要所での使用に限られるが、本機が生み出す揺れたサウンドは、ジェフのプレイにおいて欠かせない隠し味となっている。
オクターバーの定番として長く愛されたBOSS製OC-2の後継機種、OC-3。回路がデジタル化されて、和音でも使えるポリフォニック機能を世界で初めて実現した。ジェフはEBS製のベース用オクターバー、 OctaBassを長年愛用していたが、この新機能に惹かれたためか、こちらに鞍替えしている。
イギリスのブランド、GigRig製の2ループ・スイッチャー。スイッチング・ノイズと音痩せがないのが特長だ。また、内部DIPスイッチにより、スイッチングするごとにLoop1とLoop2が切り替わるモードが選択できるのも秀逸。こういう部分に一級品を使うところも、プロ中のプロであるジェフらしい。
マエストロが70年代前半に製造していたビンテージのリング・モジュレーター。金属的なサウンドを生み出し、強くかければ音程感をなくすこともできる、独特にして強烈なエフェクターだ。ジェフは76年のアルバム『ワイアード』以降、このサウンドをスパイスとして、ここぞという場面で活用している。
ジェフを始めとして、世界中の一流プロ・ギタリストに愛用されているパワーサプライ。8系統が完全にアイソレートされているため、アナログとデジタルのペダルを同時使用してもノイズが発生しない。また、電圧を4~9Vに調整できるなどの多くの実戦的な機能も備えた逸品だ。
ジェフ・ベックにとてつもなく大きな影響を与えたギタリストが、レス・ポールだ。レスは2009年8月に惜しくも亡くなったが、翌2010年6月9、10日(9日はレスの誕生日)にジェフは、レスが亡くなるまで出演を続けたニューヨークのイリディウム・ジャズ・クラブでトリビュート・コンサートを行なった。
ライブにはブライアン・セッツァーや、ジェフとの交流も深いイメルダ・メイ、ゲイリー・US・ボンド、トロンボーン・ショーティがゲスト出演。150人ほどの客席の中には、生前のデヴィッド・ボウイやザック・ワイルドらの姿もあったという。その模様を収めたのが2011年発売の映像作品『ライヴ・アット・イリディウム~レス・ポール・トリビュート』だ。
この作品が今回、『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 2016』のリリースに合わせて低価格で再発売される。レスのナンバーを始めとした通常とはかなり異なった選曲と演奏スタイルを楽しめる本編はもちろん、ジェフ自らが秘蔵ギターを紹介するボーナス映像なども収録されるなど、見どころたっぷりの内容となっている。
特にジョン・マクラフリンから譲り受け、『ワイアード』のレコーディングでも使用したストラトキャスターや、ジミー・ペイジからプレゼントされたマカフェリの紹介をするジェフは本当にうれしそう。さらに、グレッチのデュオ・ジェットを手にクリフ・ギャラップのような高速フィンガー・プレイを披露したり、54年製のストラトキャスターを抱え、あこがれだったバディ・ホリーのことを語る映像は非常にレアだ。
【『ライヴ・アット・イリディウム~レス・ポール・トリビュート』の詳細はこちら!】
ライヴ・アット・イリディウム~レス・ポール・トリビュート
【DVD】YMBZ-10725(¥2,500)
【Blu-ray】YMXZ-10726(¥3,800)
ここからは、『ライヴ・アット・イリディウム~レス・ポール・トリビュート』でジェフが使用しているギターを紹介しよう。
ジャケットにも登場しているギブソンES-175は、1990年製のリイシュー・モデル。この特別なショーのためにギブソン社からレンタルしたもので、ES-295も用意されたがジェフはこちらを選んだという。ES-175は、もともとL-5の廉価版という位置付けだが、ジャズ・ギタリストを中心に非常に愛用者の多いモデルだ。
ジーン・ヴィンセント&ザ・ブルー・キャプスと、その初代ギタリストであるクリフ・ギャラップに捧げたアルバム『クレイジー・レッグス』(1993年)でも使われた、56年製のグレッチ6128デュオ・ジェット。クリフへの深い愛と敬意が感じられる1本だ。ちなみにジェフは、55年製の同モデルも所有している。
フェンダーカスタムショップ製、51年テレキャスターのリイシュー・モデル。この時期は商標権の問題でヘッドにモデル名が入っておらず、そのために“ノーキャスター”と呼ばれる。『ライヴ・アット・イリディウム~レス・ポール・トリビュート』では「トレイン・ケプト・ア・ローリン」などを本器で演奏している。
ギブソンカスタムショップ製の58年レス・ポールのリイシュー・モデル。本器もこの日のためにギブソン社からレンタルしたもので、もともとは同社がマーク・ノップラーのために製作した2本のうちの1本だという。コイル・タップによってリア・ピックアップをシングル化できる機能を持つ。このショーでレス・ポールを使用したのは、当然のことながら、故レス・ポールに捧げる意味があってのことだろう。
価格:¥4,200 (税別)
価格:¥2,500 (税別)