AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
SHURE / MOTIV series MV88
Apple Storeで毎日行われている“Today at Apple”は、Apple製品の使い方のほか、同社製品を使ったアートやデザイン、プログラミングなどが学べる無料のワークショップだ。Apple Storeスタッフだけでなく、ゲストとして招かれたプロのアーティストたちからその技術を教えてもらうことができる。7月12日にApple銀座で行われたのは、ギタリスト“おさむらいさん”をゲストに迎えた音楽ワークショップ、“Music Lab:おさむらいさんと一緒に本格的なサウンドを創り出そう”。このワークショップでは、動画配信者=ストリーマーとしても活動するおさむらいさんの“ストリーマーとして活動するためのノウハウ”が披露されたほか、iOSデバイスに取り付けるだけで高音質の録音/動画撮影が行えるSHURE MOTIV MV88が紹介された。会場では実際にMV88を使っておさむらいさんのギター録音も行われた。その模様をイベントのダイジェスト動画とともにレポートしていこう。
ワークショップのゲスト、おさむらいさんは2007年より動画投稿サイトに演奏動画をアップロードし始め、2011年にはSUMMER SONICに出演。現在では国内だけでなく、海外でも精力的にライブを行うソロ・アコースティック・ギタリストとして活動している。ワークショップ序盤では、おさむらいさんの自宅にある制作/ストリーミング環境が公開。防音ブース内にコンピューターやコンデンサー・マイク、ミキサー、オーディオ・インターフェースなどを設置し、Webカメラで撮影しているそうだ。しかし、これからストリーマーとして活動したいと考えている人にとって、幾つもの機材をすぐに導入するのは難しいかもしれない。おさむらいさんは「Apple iPhoneに直接マイクを接続して録音/録画したものをSNSにアップロードすることもある」と話す。その際に使用しているマイクがMV88だ。
MV88はLightningコネクターを装備し、iOSデバイスに接続して使えるデジタル・ステレオ・コンデンサー・マイクロフォン。小型で可搬性に優れているだけでなく、無償アプリのShurePlus MOTIVを使って最高24ビット/48kHzでのレコーディング、ステレオ幅の調整、カーディオイドやM/S方式などの指向性の切り替え、録音ソースに合わせたプリセットの選択など、さまざまな録音方法に対応できる。
[MV88 Specifications]
●形式:コンデンサー ●指向特性:ステレオ(ステレオ幅の調整可能)、双指向性、カーディオイド、M/S ●周波数特性:20Hz~20kHz ●感度:-37dBFS/Pa@1kHz ●重量:41g ●価格:オープン・プライス(市場予想価格:19,200 円前後)
ワークショップではMV88の音質チェックを行った。アプリでアコースティック楽器に適したプリセット“アコースティック”を選択し、おさむらいさんのギターをレコーディング。また、iPhoneに搭載されているマイクでも録音し、それぞれのマイクの音を聴き比べた。おさむらいさんはその印象についてこう語る。
「iPhoneに搭載されているマイクも音が良く、中域が奇麗に録れています。でもMV88の音は高域が全然違いますね。レンジが広がった感じがします。やはり24ビット/48kHzで録れるという点が魅力的です」
MV88で録音された音は、アコースティック・ギターの高音弦のきらびやかさやピッキングのニュアンスなどがより生々しく表現されている。マイク部分は90度の角度調整が行える上、先述したようにアプリを使って指向性を変えることができるため、録りたい音像に合わせてマイクで狙う位置を細かく決めることが可能だ。リミッターやコンプ、EQも装備しているので、より音の調整を行いたい人の要望にも応えてくれる。
現在、iPhoneやiPadがあれば誰でもストリーマーとして動画の投稿/配信が行えるようになっているが、“良い音で録る”ということは動画のインパクトに直結する要素だ。おさむらいさんが「音質面で一歩先に行く動画作成ができるマイクです」と語るように、MV88は音にこだわりを持つストリーマーの心強いアイテムとなってくれるに違いない。
以下特集ページでは、MV88とiPhoneでおさむらいさんのアコースティック・ギター演奏を収録した動画や、押尾コータロー氏によるMV88のインプレッションなどがご覧いただけます。
本記事は、リットーミュージック刊『サウンド&レコーディング・マガジン 2017年10月号』のレポート記事を転載したものです。表紙巻頭では、ソロ名義でのアーティスト活動を宣言した中田ヤスタカを大特集。Perfume/きゃりーぱみゅぱみゅ/三戸なつめらのプロデュースと並行してソロ楽曲をリリースする中田の活動や、これからの新しい音楽についてのインタビューを掲載。そのほかにも約60ページに及び「ポストEDM」の先端サウンドを論考する総力特集や、人気音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』担当プロデューサーに聞く制作の裏側、DEAN FUJIOKA@東京国際フォーラムのコンサート見聞録など盛りだくさんの内容となっていますので、ぜひチェックしてみてください!
価格:オープン