アコースティックエンジニアリングが手がけた“理想の音楽制作を実現する”環境
- 2024/11/25
RYOGA / SKATER BASS B432
20年以上にわたってオリジナル・ギターを開発してきた島村楽器が、多くのアーティストに寄り添い、その使用楽器に触れるなかで、より弾きやすく、ステージ・パフォーマンスしやすい楽器の必要性を感じ、これを実現するべく2017年夏、新たにスタートさせた国産ギター/ベース・ブランドがRYOGAです。抜群のフィット感を生み出すオリジナル・デザインを採用し、重量やバランス、スケール感などの根本から設計を見直すことで、極限までプレイアビリティを高めたというRYOGAの実力を早速チェックしていきましょう。
ベースのラインナップは現在のところSKATERシリーズの1機種のみで、4弦ベースであるB432は、木目の美しさが際立つトランス・パール・ブルー(TPB)とトランス・パール・レッド(TPR)の2色展開となっています。ボディは2ピースのアッシュ材で、左右非対称のオリジナル・デザインが目を惹きますね。ヘッドもほかにない独特の形状で、ブランド・キャラクターの蜂をデザインしたワンポイントのインレイが可愛らしいです。ネックはメイプルとブビンガをラミネートさせた5ピース構造となっていて、見るからに剛性が高そうです。
本器の大きな特徴は、最も普及している34インチのロング・スケール・ベースよりもやや短い、33インチというスケールを採用している点です。一般的にベースのスケールは短いほど手の小さい人でも指が届き弾きやすくなる反面、弦のテンションが緩くなり、低音域が出しにくいといったデメリットが生じがちです。しかし本器の場合は、裏通しのブリッジや仕込み角の付いたヘッドを採用するなど、絶妙な設計、製作技術などによって弦のテンション感や低音の締まりを保ったまま、弾きやすさを両立しています。
実際に演奏してみて強く実感したのが、楽器としてのクオリティの高さです。しっかりと作られているから剛性も精度も高いので、チューニングの安定度は高く、サステインも良好で、生音の倍音も豊かで気持ち良く演奏できます。オリジナル・デザインですが、身体へのフィット感が良く、立って弾いても座って弾いてもポジションをキープしやすいですし、とても軽量なので長時間の演奏でも問題なさそうです。音色傾向はいわゆるPJタイプのそれですが、本器特有の太さ、抜けの良さがあるように感じます。オールマイティでありながら個性もあるという印象ですね。Pタイプ、Jタイプ単独での音色もPJとは異なる主張があって音色バリエーションが楽しめそうです。
RYOGAは新進気鋭のニュー・ブランドですが、SKATER BASSはすでに細部にわたって磨き上げられ完成された即戦力の実力派ベースでした。33インチ・スケールながら、最も流通しているロング・スケール弦が使用できるなど、実際の運用面でも問題なし。全国各地に展開する島村楽器の販売、バックアップもあり安心してガンガン使える楽器です。現時点では5弦モデルのB532もラインナップしていますが、今後のバリエーション展開もとても楽しみですね。
価格:¥238,000 (税別)
価格:¥248,000 (税別)