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- 2024/11/16
Fender / MUSTANG GT 100
最新ファームウェア・アップデートが可能に!
MUSTANG GTシリーズの最新ファームウェア(1.3.5)が公開された。アップデートすることで、Aux In/Bluetoothのボリューム・コントロールが本体側で操作可能になったり、バグが修正されたりと、さらに使いやすくなる機能やUIが追加・改善されている。詳細は下記のリンクをチェック!
・MUSTANG GTのファームウェアをアップデートする方法
・MUSTANG GTの過去のファームウェア・アップデートに関する情報
(2017年9月11日追記)
フェンダー社はギターとベースだけでなく、アンプ市場においても1950年代から音楽シーンに多大なる影響と刺激を与え続け、現在もイノベーターとしてその存在は揺るぎないものとしている。チャンプからデラックス、ツイン・リバーブ、そしてオーバードライブ・アンプの最高峰としてベースマンやツイン・アンプなどを愛用するミュージシャンは後を絶たず、そのサウンドは皆さんも絶対にさまざまな音楽で耳にしているはずだ。
そのフェンダーはチューブ・アンプだけでなく、デジタル・アンプの開発にも力を注いでいる。すでに発売されているMUSTANG AMPは低コストでありながら質の良いアンプとして多くのユーザーに受け入れられてきた。そのMUSTANG AMPがさらなる改良とブラッシュアップにより、今回MUSTANG GTとして新たに登場。フェンダーが提唱する“フェンダー・ブランドが生み出す次世代のデジタル・アンプ”……そのサウンドと機能は果たしてどんなものだろうか? 早速MUSTANG GT 100のサウンド・チェックを行なった。
まずはプリセットのサウンドから、“フェンダーの歴史”を体験できる10個のプリセットを選んでみる。クリーン・サウンドの代名詞であるツイン・リバーブや、小型でありながらその荒々しいトーンが人気を博し数々の名曲のレコーディングで愛用されたツイード・チャンプを始め、某モンスター・バンドのギタリストが市場に出回っているものを買い占めたとまで言われる“キング・オブ・ギター・サウンド”の57年のツイン・アンプ、そして英国ロック・アンプの基礎となった59年のベースマン・モデルまでをラインナップ。これらのサウンドはMUSTANG GTからアップグレードされたデジタル・モデリング機能の質の高さを感じさせてくれる。特にデジタル・アンプのウィーク・ポイントだと言われる“クリーン・トーン”においては、ほかのデジタル・アンプにはないレスポンス感やトーン自体の質感が心地良い。この辺りは“さすがフェンダー”と唸らせるオリジネーターとしてのプライドを感じさせてくれる。試奏動画では一切手を加えず、単純にプリセットを切り替えているだけなので、本来であれば使用するギターや求めるトーンに合わせてEQやゲインのアジャストも行なったほうがいいと思うが、まずは単純なプリセットのチェックだけでも、このアンプのポテンシャルがおわかりいただけることだろう。
MUSTANG GTではアンプ・モデリングだけでなく、エフェクトに対しても大幅なアップグレードが行なわれたことで、より“リアル”なサウンドとレスポンスを追求している。試奏動画後半では今回のサウンド・チェック時に作成したオリジナル・プリセットのサウンドも紹介しているが、使用するギターとプレイヤー(私)の好みにサウンドをチューニングすることで、よりリアルなチューブ・アンプのテイストを感じることができた。シンプルなパラメーター操作で質の高い効果を生むエフェクト(STOMP/MODURATION/DELAY/REVERBからCPUメモリーの許す範囲で選択/同時使用可能)のサウンドもぜひチェックしてほしい。
さらにシグナルパスの柔軟性も強化され、ライブ前に自身の“セットリスト=曲順に合わせたプリセット・ブロック”を作ることができ、演奏本番中のスムーズなサウンドの切り替えにも役立つ。また、プリセット切り替え時のエフェクト・スピルオーバー(エフェクト音を残しながらプリセットを切り替える)など、デジタル・モデリング機能はあらゆる面で進化を遂げている。
MUSTANG GTの忘れてはならないもうひとつの特徴……それはBluetoothだけでなく、Wi-Fi機能を搭載した世界初のデジタル・アンプである。オーディオのストリーミング再生──例えばiPhoneとMUSTANG GTをBluetooth接続すれば単純にオーディオ・スピーカーとしても使用できる。もちろん、ギターを弾きながら同時に音楽を鳴らして日々の練習に励むこともできるだろう。
さらにセットアップや、国内外のフェンダー・アーティスト(例えばジョー・ボナマッサやINORAN氏……とにかく錚々たる面々)によって作成されたオリジナルのフリー・プリセットが集まる場所、その名もFender “TONE”コミュニティへのアクセスも簡単に行なえる。世界中のプレイヤーやミュージック・クリエイターたちのサウンドにコネクトすることで、さらに本機の楽しみ方は広がっていくだろう(アプリはアンプを購入することで無償提供される)。今回のレビュー用に製作したふたつのプリセット(Digimart Clean toneとDigimart Drive tone)もコミュニティにアップロードしてあるので、“TONE”に参加されている皆さんはぜひチェックしてみてほしい。
MUSTANG GTシリーズは今回レビューした100Wモデル以外に、自宅や練習スタジオ、カフェ・クラスのライブに最適な(音楽学校や部室にあっても最高だろう)40WモデルのMUSTANG GT 40と、さらにパワフルな200WモデルのMUSTANG GT 200をラインナップ。200Wモデルにはプリセット切り替えのフット・スイッチも付属している(40Wと100Wモデルの別売スイッチは今後発売予定)。アンプを使用する環境において最適なワッテージのモデルを選び、ぜひ“次世代のフェンダー・デジタル”を存分に楽しんでほしい。
価格:¥45,000 (税別)
価格:¥26,000 (税別)
価格:¥64,800 (税別)
村田善行(むらた・よしゆき)
ある時は楽器店に勤務し、またある時は楽器メーカーに勤務している。その傍らデジマートや専門誌にてライター業や製品デモンストレーションを行なう職業不明のファズマニア。国産〜海外製、ビンテージ〜ニュー・モデルを問わず、ギター、エフェクト、アンプに関する圧倒的な知識と経験に基づいた楽器・機材レビューの的確さは当代随一との評価が高い。覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。
【使用機材】
使用ギター:Fender / American Elite Stratocaster HSS Shawbucker