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- 2024/11/16
Gibson Custom / Limited Run Mike Reeder 1959 Les Paul
米国のビンテージ・ギター・ショップのオーナーが所有する1959年製のレス・ポール・スタンダードを、ギブソン・カスタムがリアルに再現し、上限300本のリミテッド・ランとして登場しました。オリジナルは、いわばビンテージ・ギターの目利きが自らのために選んだ秘蔵っ子であり、それを忠実に再現した本器も素晴らしい仕上がりとなっています。今週は、Gibson Custom Limited Run Mike Reeder 1959 Les Paulの魅力を存分にお楽しみください。
使用アンプ:マッチレスSpitfire '15(ヘッド)+マーシャル1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable
米国オハイオ州シンシナティのギター・ショップMike’s Musicは、知る人ぞ知るビンテージ・ギター・ショップです。3フロアにわたって貴重なビンテージ・ギターが溢れる本店と、300を超えるビンテージ・ギアを揃えた新店は、オハイオ州一と言われています。もちろん、オーナーであるMike Reeder氏もビンテージ・ギター愛好家で、今回再現されたのは氏が所有している1959年製オリジナル・バースト、シリアルナンバー9-0799で、この個体はかつて超大物ロック・バンドのギタリストが所有していたのだとか。
その特徴は、トップにびっしりと入ったフレイム(オリジナルにはプレーンに近いものも珍しくありません)、退色が進んだトップのフィニッシュ、59モデルにしてはがっしりとしたネック・グリップなどが挙げられます。
この美しい個体を、ギブソン・カスタムが徹底的にデータ解析を行ない再現しました。まずトップ用の材には見る者を魅了する、非常に美しいフィギュアード・メイプルを採用。ほとんど赤みが飛んでいますが、ボディのエッジにわずかに残る独特のフィニッシュを“Reeder”バーストと名付け、これも完璧に再現。50年代前半のオーセンティックなレス・ポールを思わせるファット・ネックも、しっかりと再現されています。基本となる仕様は、現代最強のトゥルー・ヒストリック・スペックですから、鳴り、ルックス共に隙はありません。ピックアップには、ネック/ブリッジ共にカスタムバッカーを搭載。ギブソン・カスタムのリミテッド・ランに相応しい1本となっています。
レス・ポール・ファンの皆様にとっては、このルックスもさることながら「ネックが太い」という点が気になるのではないでしょうか? それに関して言えば「しっかりしたグリップ」だとは思いましたが弾きにくいとか、丸太のようだとは感じませんでした。正直なところ、総合的にとても弾きやすいギターだったので、ネックのことは気にならなかったというのが本音です。グリップがしっかりしていることは、プレイアビリティよりも、サウンドに影響しているかもしれません。冒頭のバック・トラックありの部分では独特のゴリッとしたニュアンスを感じました。これは、出力を抑えたカスタムバッカー搭載モデルではあまり感じたことがないので、このギターの個性かもしれません。
さらに特筆すべき点は、サステインの異常な長さです。動画の49秒〜に注目してください。どクリーンのサウンドでありながら、4弦11フレットの音が恐ろしく伸びています。こうしたところに、ハイドグルーによる材の接着やアルミ・テイルピースを採用していること、そしてファットなグリップなどが総合的に影響しているのだと思います。
トゥルー・ヒストリック・スペックのモデルですから、艶やかな、ブルージーなプレイにはもちろん最強のギターですが、本器はその中で比較的ハードな方向にも対応できる印象です。大人のハードロック・ギタリストの方に、ぜひ試していただきたい1本です。
今回も美しいフィニッシュで見るものを魅了する59バーストを紹介しましたが、ここ最近週刊ギブソンで紹介したギブソン・カスタムによる59バーストを改めてチェックしてみてください。心動かされるフィニッシュを持つ個体に出会えるかもしれません。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは6月30日(金)更新を予定。
価格:¥1,417,000 (税別)