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- 2024/11/16
Gibson USA / Flying V 2017 T
ギブソンが誇るロック・アイコン、フライングVの2017年モデルは、ハイパワーなピックアップを搭載してさらにロック度高めの仕様となっています。弾きやすく、手に届きやすい価格設定というコストパフォーマンスの高さも備えたGibson USA Flying V 2017 Tの魅力をご紹介しましょう。
使用アンプ:マッチレスSpitfire '15(ヘッド)+マーシャル1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable
ギブソンが生みだしたソリッド・ギターの名器達は、世界中のファンにロック・アイコンとして認められていますが、フライングVもまたそんなひとつです。1958年にデビューしたとは思えないボディやヘッドの独特なシェイプは、今もロック・ギタリストの心を捉えて離しません。そんなフライングVの2017年モデルは、これまで以上にパワフルなピックアップを搭載しており、ロック度がさらに高めのモデルとなっています。
ギブソンUSAの2017年モデルは、先進技術を搭載したHP(High Performance)と、オーソドックスな仕様のT(Traditional)の2タイプが用意されています。今回紹介するフライングV 2017 Tは、モデル名からわかる通り、後者の仕様です。オート・チューニング機能やコイル・タップ機能などは搭載していませんが、シンプルに“フライングVに求められるサウンド”を狙っていることがわかる仕様となっています。マホガニー・ボディ、マホガニー・ネックの伝統的な組み合わせに、指板には近年注目されているグラナディーロを採用。グローバー・チューナー、テクトイド・ナット、チューン“オー”マティック・ブリッジ、そして軽量なアルミ製のテイルピースは、美しい弦振動と安定したピッチに貢献しています。
そして2017年モデルの注目ポイントは、ネック側/ブリッジ側とも、ピックアップにオープン・タイプのダーティー・フィンガーズを搭載している点です。ダーティー・フィンガーズはギブソンのピックアップの中でも非常にパワフルなモデルとして知られており、前年までのモデルに搭載されていた57クラシックやバーストバッカーとは一味違う、強烈な歪みが特徴です。
このギターを実際に弾いて印象に残っているのは、深い歪みでピッキングしたときに、張り詰めたような“ギリッ”という独特のアタックが出る点です。このニュアンスは、ビンテージ系のアルニコ・マグネットを採用したピックアップではあまり感じられず、セラミック・マグネットを3枚も使用しているダーティー・フィンガーズらしいところではないかと思います。動画の2分過ぎから出てくる、軽めのクランチでリフを弾いているところも、エッジがキリッと立っているので、歪みの量が少ない割にロック度は高いと思います。また、出力の高いピックアップはクリーンが苦手なのでは?と思う人もいるようですが、そんなことはありません。動画の2分30秒過ぎで、どクリーンの音に軽くコーラスを掛けてみましたが、メタル系のバラードやイントロダクションで聴くような美しいクリーンが出せました。
演奏性についても良好で、スリムテーパー・ネックとポリッシュされたフレットはとても弾きやすく、もちろんボディ形状に由来するハイ・ポジションの弾きやすさも格別です。そして2017年のTモデルに共通する、手の届きやすい価格設定とコストパフォーマンスの良さは非常に魅力的だと思います。限られた予算でも思いっきりロックしたいという人に、ぜひオススメしたい1本です。
いつの時代もロック・ギターのアイコンとして、変わらぬ魅力を放ち続けるフライングVですが、これまで週刊ギブソンに登場した2015年、2016年モデルを改めてご紹介しましょう。サウンド、仕様の違いもチェックしてみてください。そしてギブソンUSA・フライングVを生む現場、米国テネシー州ナッシュビルに構える圧巻規模のギブソンUSA工場ツアーも併せてご覧ください!
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは6月9日(金)更新を予定。
価格:¥190,000 (税別)