“ONE DAY GUITAR SHOW”で発表された桜モデルの注目機種を総ざらい!
- 2025/01/07
Peavey / 6505MH Japan Edition
Peaveyの代表アンプである6505の後続モデル、6505MHをご存知だろうか? 名機5150から引き継がれるスピード感とザックリとした質感がたまらない、こだわりのディストーション・サウンド。しかも小型でありながらチューブ・アンプならではの粘りのあるサウンドが得られることで、多くのプロ・ミュージシャンも愛用しており、国内外のギタリストを虜にしている。いわゆる“ブラウン・サウンド”をもっとモダンにブラッシュ・アップしたディストーションから、ストレートなクリーン・サウンドまで、トーン自体の質の高さと使い勝手の良さのバランスが素晴らしいアンプ・ヘッドだ。
そんなコンパクト・サイズの6505MHに、新たに上品なダーク・グリーン・カラーのカバリングを採用し、国内代理店のオファーによる特別なモディファイが施された「6505MH Japan Edition」が日本限定でリリースされるということで早速チェックしてみた。
プリ管にはECC83を3本使用し、内部コンデンサー類も変更されたことにより、ゲインとボリュームを上げた時のコンプレッション感を解消し、同時に6505本来のアメリカンなサウンドに、ブラウン・サウンドのあのテイスト⋯⋯ブリティッシュ感を加えているような印象だ。ミッドが前に出る音色で、特にクリーン/クランチで存在感が増しているように感じる。日本専用仕様である100Vの電源トランスを搭載しているのもありがたい点だ。ステップアンプ・トランス等のアクセサリーを使用しなくとも、アンプの持つ100%のポテンシャルを発揮できる点は、オフィシャル・モディファイならではの重要なポイントだと言えるだろう。
さらに、アッテネーター・スイッチを搭載することで、アンプの出力を20W/5W/1Wの3段階から選択可能となっている。ライブやバンド・レコーディングでは20W、自宅でもマイクを立てて録音したいという場合や、クリーン・サウンドをドライブさせた質感の良いクランチを得る場合には5Wを、そして自宅で小音量でチューブ・アンプを楽しむ場合は1Wを⋯⋯というふうにシチュエーションに合わせたアウトプット・ボリュームをチョイスできる。もちろん、真空管ならではのサチュレーションやドライブはそのままに音量調整が可能。非常に嬉しい仕様だ。
XLRアウトとUSBアウトを装備している点も見逃せない。これらのライン・アウトプットにはマイク・シミュレート(スピーカー・シミュレート)を内蔵している。ミキサー等はもちろんのこと、USB端子からPCに直結させてフル・チューブのアンプ・サウンドを録音等に活かせる。加えてスピーカー・ミュートでヘッドフォンからのモニターも可能なので、深夜に自宅で使用する際には大変重宝する。
また、6505MH Japan Editionに最適化されたマッチング・キャビネット、112 - Guitar Cabinet Japan Editionもリリースされた。気になるスピーカー・ユニットには、6505MH Japan Editionのように、“ブリティッシュ”なサウンドにはベスト・マッチと言えるセレッション製Vintage30を採用している。
いかなる場面でも扱いやすく、取り回しの良いアンプであることは間違いないが、何よりもこの音に注目してほしい。そしてレコーディングからホール・クラスのライブまで対応できる点、チューブ・アンプならではのリッチなサウンドを活かしたライン・サウンド等、細部に至るまでユーザビリティにこだわるPeaveyならではの“こだわり”が感じ取れるアンプだ。
価格:¥78,500 (税別)
価格:¥40,000 (税別)
村田善行(むらた・よしゆき)
ある時は楽器店に勤務し、またある時は楽器メーカーに勤務している。その傍らデジマートや専門誌にてライター業や製品デモンストレーションを行なう職業不明のファズマニア。国産〜海外製、ビンテージ〜ニュー・モデルを問わず、ギター、エフェクト、アンプに関する圧倒的な知識と経験に基づいた楽器・機材レビューの的確さは当代随一との評価が高い。覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。
【使用機材】
使用ギター:Crews Maniac Sound / Aristoteles V2. Trem
使用ペダル:T-rex / SOULMATE