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- 2024/11/16
Gibson Memphis / Freddie King 1960 ES-345
ブルース、ロック界の多くのミュージシャンに影響を与えた偉大なブルース・ギタリスト、フレディ・キングが愛したES-345のシグネチャー・モデルが、ギブソン・メンフィスから登場しました。フレディ・ファンはもちろん、全ESモデル・ファンに贈る至極の1本に注目です。
使用アンプ:マーシャルJVM410H(ヘッド)+マーシャル1960A(キャビネット)
使用シールド:ステレオYケーブル
あのエリック・クラプトンにも大きな影響を与えたほど、ブルース・ギター界に大きな足跡を残したフレディ・キング。非常にアグレッシブなプレイヤーだった彼のトレードマークは、チェリーのES-345です。ES-345をこよなく愛したフレディは、トラピーズ・テイルピースのモデル、マエストロ・バイブローラを搭載したモデル、そしてストップ・テールピースのモデルなど、複数のES-345を使用していたようです。
今回、ギブソン・メンフィスから発売されたFreddie King 1960 ES-345は、ABR-1ブリッジとストップ・テールピースの黄金コンビを搭載した、サステインとチューニングの安定感に優れた仕様のモデルです。フィニッシュは、憧れのフレディの愛器を彷彿とさせるSixties Cherry! 指板に輝くダブル・パラレログラム・インレイや、トラスロッド・カバーに彫り込まれたFreddie Kingの文字も、ファンにはたまらないポイントです。
そして、フレディ・キングをご存知ない方や、ES-345にあまり馴染みがない方にもぜひ知っていただきたいのが、本器に搭載されたステレオ・アウトとバリトーン機能です。本器には専用のステレオYケーブルが付属し、それを使うことでネック・ピックアップ、ブリッジ・ピックアップそれぞれの音を別のアンプから出力できるのです! 今回の動画では、マーシャルのスタックを2台用意し、ピックアップ・チェンジの度にアンプも切り替わる設定で弾いていますので、ぜひチェックしてみてください。バリトーン・スイッチは、1〜6までの番号が振られたロータリー・スイッチで、回していくとロー・カットの度合いが大きくなり、最後はラジオ・ボイスのようになる機能です。これはエフェクトが現在のように充実していなかった時代には非常にスペシャルな機能であり、その証拠にES-345やES-355などの上位機種にしか搭載されませんでした(ただし、ES-345やES-355でもあえてバリトーン・スイッチを搭載していないモデルもあります)。
まずは、このギターのボディの色味、焼けたようなバインディングとインレイをご覧ください。数々の写真でフレディ・キングが抱えていた愛器そのままです。できれば、ストラップを右肩にかけて弾きたい! そんな気持ちになるほど、雰囲気抜群でした。
音については、お聴きの通り、マーシャル直結のクランチ・トーンがご機嫌です。それはもちろん、本器自体が持つ野太いトーンがあればこそ、なのは言うまでもありません。MHSハムバッカー、550kマッチド・ポット、ブラック・ビューティー・コンデンサーや、クォーターソーンのアディロンダック・スプルースを使ったブレイシングなど、見えないところにまで徹底したこだわりが音によく表われています。
特に、ドライブ感満点のブリッジ・ピックアップと、非常に太いのですがブーミーにはならないネック・ピックアップのニュアンスの違いに注目してください! ここでは2台のアンプのチューニングを微妙に変えてニュアンスの違いを強調しています。もっと極端なセッティングも可能ですので(ネックはクリーン、ブリッジはディストーションなど)、ぜひ本器ならではのステレオ・アウトをご自身でも試してみてください。また、バリトーン・スイッチについては、数字を大きくするほどローがカットされ、フィルターがかったような音になっていくのがお分かりでしょうか? こうした音を、ファンク系のリフなどで聴いたことがあるという方も少なくないはずです。これも、積極的に活用していただきたい面白い機能です。
セミ・アコースティック・ギターとしての高い完成度の上に、最高のルックスとユニークな機能を持つFreddie King 1960 ES-345。フレディ・キング・ファンにはもちろん必携の1本と言えますが、ファンならずとも、多彩なサウンドによりプレイ・スタイルの幅と個性を追い求めるプレイヤーの方には、ぜひお試しいただきたい1本です。
ES-345の大きな特徴であるバリトーン・スイッチは、同じくブルース界の巨人であるB.B.Kingが愛した“ルシール”と呼ばれる、ES-355をベースにしたモデルにも搭載されていました。ここでは名手・田中義人氏によるルシールのバリトーン機能活用方法に注目してみてください!
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは4月7日(金)更新を予定。
価格:¥655,000 (税別)