フェンダー・アンプの中でも高い人気を誇りながら生産停止となっていた、カスタム・シリーズの1957年ツイード・コンボ・アンプ復刻モデルが待望の復活を果たした。「'57 Custom Champ」「‘57 Custom Deluxe」「‘57 Custom Twin-Amp」そして、初の復刻モデルとなる「‘57 Custom Pro-Amp」と、ハンド・ワイヤリングのツイード・アンプ4機種が登場。なお、フェンダー・アンプのリイシューに関しては『Dr.Dの機材ラビリンス第11回嫡流の遺産～リイシュー・フェンダー・アンプ』　でも紹介しているので、ぜひそちらも併せてチェックしてほしい。

　初心者向けモデルとして登場したものの、5F1回路による美しいクリーン・トーンやレスポンスの高さ、そして甘いチューブ・オーバードライブ・サウンドが多くのギタリストを魅了した“チャンプ”。特にツイード・チャンプは、エリック・クラプトンをはじめ、あらゆるプロ・ミュージシャンに愛用された。ハンド・ワイヤリング回路による「'57 Custom Champ」は、そのビンテージ・サウンドを再現。さらに、6V6パワーアンプ真空管と12AY7プリアンプ真空管、8インチ／4ΩのWeber Special Designアルニコ・スピーカーを装備。ピッキングのタッチに応じて変化する美しいサウンドを奏で、ボリュームを上げると真空管ならではの自然なコンプレッションと、ピーク出力による甘い歪みが堪能できる。

'57 Custom Champ

　
　“デラックス”は、フェンダー・アンプを語るに欠かせないアンプ。現在も「’57 Deluxe Head」がラインナップされているが、コンボ・タイプ「‘57 Custom Deluxe」として待望の復活。いまや入手困難となった5E3回路搭載モデルならではの有機的なディストーションを再現していて、深みのあるサウンドを奏でる。さらに本機では、より正確な低音域のコントロールや、メロウなクリーン・トーンを実現。12インチ／8ΩのWeber Special Designアルニコ・スピーカーと、レスポンスの速い6V6パワーアンプ真空管を2基装備している。

'57 Custom Deluxe

　甘く歌うような音色とレスポンスの高さが魅力の5E8A回路を装備した、“ツイード・ツイン”の復刻版「‘57 Custom Twin-Amp」。12AY7および12AX7プリアンプ真空管を備えたパワフルなサウンドだが、微妙なピッキング・ニュアンスも引き出すクリアなトーン、骨太で粘りのあるオーバードライブが得られ、ライブでも使い勝手の良い一台となっている。40ワット出力の6L6パワーアンプ真空管を2基装備し、ボリュームを上げると自然なコンプレッションが加わる。そして、新たにデザインされた12インチのEminence Special Designアルニコ・スピーカーによって、うねるようなサウンドも微妙な演奏ニュアンスも見事に再現してくれる。また、オリジナル版と同じくブライト／ノーマルの2チャンネルを装備。

'57 Custom Twin-Amp

　今回、初の復刻モデルとなる「‘57 Custom Pro-Amp」は、オール・チューブ回路で構成された26ワットのアンプ。オリジナルの5E5A回路を採用し、音に“シズル感”を加えることができるプレゼンス・コントロールなど現代的な仕様も追加。さらに、15インチ／8Ωという大口径のEminence Special Designスピーカーを1基搭載し、オリジナル・モデル同様のどっしりとした低音、コシのある中音域、鮮やかな高音域を実現している点も、この復刻版の大きな特徴だろう。

'57 Custom Pro-Amp

　4機種とも、明晰なクリーン・トーンとクリーミーなオーバードライブを実現するため、新たにイエロー・カップリング・キャパシターを採用したハンド・ワイヤリング回路を搭載。さらに、高／低出力楽器用1/4インチ・ライン入力を装備。保護カバーも付属する。ラッカー仕上げのツイードやチキンヘッド型ノブなど、ビンテージ感あふれるルックスも特徴で、目と耳で魅了するアンプだ。