E-ⅡブランドはUSA ESPを中心に展開しているワールド・スタンダードなラインです。USA市場ではESPのハイクオリティなギターがメタル、ヘヴィ・ロックを中心に強く根付いていて、抜群の安定感と品質の高さが人気となっています。今回はそのM-Ⅱ SEVENを試奏していきますが、日本でもメタル・ブームが再来していますので7弦ギターというジャンルも今や一般的になりつつあります。どんなポテンシャルを秘めているのか非常に気になるところです。

◎基本構成
　アルダー・ボディ、ハード・メイプル・ネック、エボニー指板の24フレット仕様で、ネックにはバインディングも施されています。指板は305Rで648mmのレギュラー・スケールとなっています。EMGのピックアップが2基マウントされていて1ボリューム + 3ウェイのピックアップ・セレクター・スイッチ、フロイドローズ仕様です。ネックとボディはボルトオン式でジョイントされていて、滑らかなヒール加工と削り出しチタン・プレートが装備されています。

◎こだわりポイント！
　ゴトーのマグナムロック・ペグとロック・ナット、フロイドローズのセットにより、ペグ・ポストに弦を巻きつける必要がありません。そのため弦交換やチューニング時に弦のねじれが発生せずに、すべての弦が均一に張れるというのがポイントです。通常ならばギター・テックやリペアマンが慎重に弦のねじれが起きないように張りますが、このギターなら誰もがそのクリアなサウンドを手に入れることができます。非常にありがたい仕様です。

◎イチ押しポイント！
　アクティブのEMGピックアップは、メタル、ヘヴィ・ロックの世界ではもはや定番となっていますが、M-Ⅱ SEVENには66-7H（フロント）、57-7H（リア）という、ポールピース仕様のピックアップがマウントされています。それにより、ピッキングのニュアンスやアタック感がよりハッキリと出て、さらに低ノイズという美味しいポイントを両立させているのが嬉しいところです。クリーンと激歪みをしっかりと使い分けることができるピックアップですね

◎トータル・インプレッション
　まず、音のバランスが素晴らしいです。高音から超低音まで各弦の分離がしっかり出来ています。これは弦のねじれがなかったり、ピックアップとギターの相性の良さなど様々な要因が考えられますが、作りや仕上げの良さ、まとめ方の美味さが際立ったギターと言えます。また、ボディ・バランスが良いので座ったり、立ったりして弾いても疲れずに弾けるのは嬉しいところです。弾いた感触は弦高がかなり低く設定されていて、とても弾きやすいです。メタルやハードなフレーズを弾くにはこのくらいの弦高が適切ですね。ただ、低いとは言っても弦がビビるようなことはないギリギリを狙っているので、安心して弾けます。

E-Ⅱ / M-Ⅱ SEVEN

ロック式のペグには定評のあるゴトー製SG360-07 MG-Tをマウント。

ロック式ナットとマグナムロック・ペグの組み合わせで、弦のねじれを防止する。

エボニー製の指板には非常に丁寧にエッジ処理されたフレットが打たれている。

ジョイント部分にはチタン素材のネック・プレートを採用。木材の鳴りを最大限に活かしている。

M-Ⅱ SEVENのサウンドを形作るEMGピックアップ。クリーンと激歪みを使い分けられる優れモノだ。

激しいアーミングにも安定したチューニングを保つフロイドローズ・トレモロ。

ピックガード付き、パッシブ・ピックアップのE-II / MR SEVENもラインナップされている。

※使用アンプ：Fender '68 Custom Deluxe Reverb