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- 2024/11/16
Gibson Memphis / Late 60’s ES-335
セミアコースティック・ギターの代名詞、ES-335。年代ごとに異なる仕様を持ち、各年代のファンが存在する名器ですが、ナロー・ネックが特徴の60年代後半製モデルが好きな方、お待たせしました! ギブソン・メンフィスより、Late 60’s ES-335の登場です。
使用アンプ:マッチレスSpitfire '15(ヘッド)+マーシャル1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable
1950年代後半、空洞のボディにセンターブロックを配し、“セミアコースティック”という新しい概念のギター構造を発明したのがギブソンであり、それを具現化したモデルとしてシーンに登場したのがES-335です。ES-335がセミアコの代名詞となっているのは周知の事実ですが、年代によって少しずつ仕様が異なる点もファンを魅了するポイントです。太めのネックと太めのサウンドを持つデビュー・イヤーの1958年モデル、より万人に弾きやすいネックを持ち、細部の仕様も完成された59年モデル、カッタウェイの形状やグリップ形状に変化が見られる63年モデルなどは特に人気が高く、ギブソン・メンフィスからそれぞれのリイシュー・モデルが発売されています。
今回発売されたのは、60年代後半の仕様を持つモデルです。これもまた人気の高い年代で、本器はその特徴を見事に再現しています。外観から見ていくと、最初にこのボディの色味に魅かれます。本器のカラーの正式名称は“Light Sunburst”で、一般的には“アイスティ・バースト”などと称されることも多い、茶に近づいたような濃いめの赤が特徴の美しいカラーです。指板のブロック・インレイ、トラピーズ・テイルピース、ソンブレロ・ノブも、まさにLate 60’sの特徴を表しています。
サウンド面に関しても、メンフィス・オリジナルのMHSハムバッカーの素晴らしさは週刊ギブソンの読者の皆さんには説明不要でしょう。本器はそれに加え、トラピーズ・テイルピースや細めのネックによる、よりアコースティカルで軽快なサウンドが特徴です。この細めのネックも大きなポイントで、正式名称は“Late Sixties Neck Shape”、俗に言うナロー・ネックが採用されています。
多くの方がプレイアビリティ面で気になるのは、ナロー・ネックだと思います。実際に握ってみると、ナット近辺は確かに細いのですが、“ちょうど良い”としか言いようのない非常に適切な厚みに削られたグリップになっています。プレイヤーの観点では極めて心地良く、細くて弾きづらいという感覚にはまったくなりませんでした。むしろ“ナロー・ネック、弾きやすい!”と、好きになったほどです。これは、単にネックの太さや厚みを調整するだけでなく、指板エッジに細やかなロールド・バインディング処理を施している点も、弾きやすさのポイントになっていると思います。ともあれネックの調子が気になる方にこそ、ぜひこのナロー・ネックを体験してほしいと思いました。
また、このネックはサウンド面へも貢献しているようです。例えば、ネックが太く厚い58モデルの“ゴンッ”という鳴りとは異なり、ネックの質量が少なめな分、より軽やかな鳴り方をします。これは一般に思い描かれる“ザ・セミアコ・サウンド”そのもので、そのルックスも含めて筆者は“Mr.335”ことラリー・カールトンを思い出しました。本器に搭載されたトラピーズ・テイルピースも、アコースティカルなサウンドとLate 60’sな雰囲気が最高なのですが、ストップ・テイルピースに改造しても良い結果が得られることは間違いないでしょう。
セミアコらしいセミアコが欲しい方はもちろん、59や63を持っていてニュアンスの違う335が欲しい方にも強くオススメしたい1本です。
直近にリリースされた人気&注目のES-335についても改めてチェックしてみてください。すでにES-335ユーザーという方はオフィシャル・メンテナンス講座もぜひご確認を!
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは2月17日(金)更新を予定。
価格:¥610,000 (税別)