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- 2024/11/16
Whizzer / A15
アジア人の耳を対象に製品開発されたイヤホン、と聞いただけで、イヤホン・ホッピングを続ける諸氏を振り向かせるかもしれませんが、今回e☆イヤホンで独占先行販売される「Whizzer A15」はそれだけにとどまらず、メタル製ハウジング、MMCXリケーブル対応と堂々たるスペックかつ、アンダー1万円というコスパ最高なイヤホンなのです。気になるその実力は?ということで、今回もイヤホン☆王子こと、たっくんに解説してもらいましょう!
今回の耳ログは「Whizzer A15」イヤホンをご紹介します。Whizzerは中国深センに本社を持つイヤホン・ブランドですが、実はこのA15がWhizzerとしては初のイヤホンとなります。A15はWhizzerというブランドが全く認知されていない状況の中で、見た目、音質、機能性などを高いレベルでまとめている事がTwitterなどで盛り上がりを見せ話題となり、中国から直輸入して購入するユーザーが現れるなど、いま大いに注目を集めています。
A15はフック部分に形状記憶チタン材料を使用した、耳掛け式のカナル型イヤホンです。ハウジングにはアルミ合金の3倍近い密度を持つステンレス(316L)が使用されいて、余計な響きを排除しつつ、アジア人の耳に合うように人間工学に基づいて設計されています。
音を生み出すイヤホンの心臓部分とも言えるドライバーには、ベリリウムコーティングを施した10mm径振動板が特徴のダイナミックドライバーが搭載されています。再生周波数帯域は4Hz~25,000Hzで、感度は98dB、インピーダンスは16Ωとなっていますが、「周波数特性などの数字ではなく、“聴覚第一主義”で作り上げた」イヤホンとなっているそうです。
ケーブルは着脱可能になっていて、コネクターには着脱コネクターのスタンダードとも言えるMMCXコネクターを採用しています。MMCXコネクターは24金メッキを施したオーダーメイドで作られたもので、主線のシースには防弾繊維を採用して耐久性を向上しています。さらに本体には、音導管にホコリなどが入ることを防止するスポンジ製の「アンチダストバンパー」1ケースと交換用のピンセット、専用ケース、各種イヤーチップが付属しています。
1万円を切る価格ながら、高級なイヤホンに引けを取らない、大げさとも言えるパッケージに驚かされます。ステンレスで作られたハウジングには重量感があり、造りもしっかりとした印象を受けます。チープな印象は全く感じません。
音を鳴らしてみると、金属ハウジングらしい独特の残響感と、左右方向への空間の広さが好印象です。ドライバーの性能が良く、この価格帯のイヤホンの中では情報量が抜群に多いイヤホンだと思います。また、こもった感じが一切なく、気持ち良くヌケてくれる音も好印象です。
1万円以内のイヤホンの多くが、何かが犠牲にされていたり、妥協されている部分があったりするものですが、A15では全て妥協なく隙のないイヤホンに仕上がっていると言えます。ぜひ一度ご試聴してみてください!
岡田卓也(おかだ・たくや)
イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」PR本部 本部長。帰省時にイヤホンが断線し、たまたま購入したSHURE E2cでイヤホンにハマる。これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンの数は数千機種に及ぶ。日本人で初めて(おそらく)beats本社やUltimateEarsのラボ見学をしたことが自慢。