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- 2024/11/16
Epiphone / Slash “AFD” Les Paul Special II Outfit
スラッシュ、ダフ・マッケイガンが復帰したガンズ・アンド・ローゼズ来日(公演は1/21〜)を記念して、今週の週刊ギブソンではスラッシュを象徴するシグネチャーを含むレス・ポール、4モデルをレビュー。試奏者には自他ともに認めるスラッシュ・フォロワー、dEnkA(KNOCK OUT MONKEY)氏を迎え、レス・ポールならではの骨太なロック・サウンドに迫っていこう!
使用アンプ:マーシャルJVM410H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
スラッシュ本人がシグネチャー・モデルとして認め、モデル名にあの名盤『Appetite for Destruction』の頭文字“AFD”を持つスペシャルな1本。驚くほど高い品質とリーズナブルな価格を両立させたモデルだ。“アペタイト・アンバー”と名付けられたフィニッシュ、見るたびに表情を変えるAAAグレードのトップ、オープン・タイプのゼブラのハムバッカー、ヘッドに輝くシグネチャーなど、ファンを喜ばせるポイントが満載。もちろんサウンドも本人の折り紙付きだ。リアPUのエスカッションにチューナーを備えており、実用性も高い。本器にはギグバッグ、ストラップ、ケーブル、ピックが付属。さらに15WのSlash "Snakepit-15"アンプもセットになったパフォーマンスパックなら、手にしたその日からすぐにロックできる!
dEnkA’s Impression
このクオリティでこの価格は驚きです。
手に取って、まず軽さに驚きました。ボディが通常よりも少し薄くなっている影響だと思うのですが、ライブで動く人にはすごくいいと思います。それからトップ面がフラットなこともサウンドに影響していると思うんですが、とにかく音の立ち上がりが速いんですよ! これは使える……というか、スラッシュ本人が認めたモデルですから、悪いわけがありません。サウンドも申し分ないです。このクオリティでこの価格というのも驚きですよね、これは安すぎると思います! 学生時代にこのモデルがあれば僕も買っていましたね。それから、チューナーが付いているのも便利です。エントリー・モデルとしては、これ以上ない完成度だと思います。
SPECIFICATIONS
●ボディ:メイプル(トップ)、マホガニー(バック) ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●ピックアップ:エピフォン・セラミック・プラス:ゼブラコイル×2 ●コントロール:1ボリューム、1トーン、3ウェイ・トグルスイッチ ●ブリッジ:チューン・オー・マティック&ストップバー・テイルピース ●ペグ:ダイキャスト・カバード ●カラー:アペタイト・アンバー
価格:28,000円(税別)
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ボディのトップ材にハードロック・メイプルを採用した数量限定の逸品。よりタイトでダイレクトな反応を持つハードロック・メイプルは、サウンドに拘るレス・ポール・ファンに好まれるが、よりワイドで強いフレイムを好むファンの要望もあって、通常はハード/ソフト両方のイースタン・メイプルが使用されている。本器は日本のキー・ディーラーが現地でハードロック・メイプルを厳選し、非常に数が少ない“見てよし、もちろん音もよし”の稀少材を採用。基本的な仕様はトゥルー・ヒストリック仕様なので、まさにこれ以上ない最高峰のレス・ポールだといえる。PUがオープン・ゼブラなのも、嬉しいポイントだ(カバーは別途付属)。
dEnkA’s Impression
音の立ち上がりが早いし、歪ませても抜けが良い!
音を出した瞬間に本当に良いギターだと感じました。とにかく音の立ち上がりが早くて、バリッとしています。なおかつ音が太く、歪ませても音の抜けが良い! これがハードロック・メイプルの効果かもしれません。自分はバンドで結構ハイゲインの音も使うので、こういう立ち上がりが良くて抜ける音じゃないとダメなんです。ブルージーな音も良いですし、実はジャンルを問わず幅広く使えるギターですね。58年モチーフなのでネックの太さが気になる人もいると思いますが、グリップ感が良いので逆に手が疲れません。僕も決して手が大きいほうではないのですが、そんな方にもマッチすると思うので、ぜひ試してみてください!
SPECIFICATIONS
●ボディ:ハードロック・メイプル(トップ)、マホガニー(バック) ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●ピックアップ:カスタム・バッカー(ゼブラ)×2 ●コントロール:2ボリューム、2トーン、3ウェイ・トグルスイッチ ●ブリッジ:ABR-1ブリッジ&ストップバー・テイルピース ●ペグ:クルーソン・デラックス ●カラー:ゴールデン・ポピー・バースト(VOSフィニッシュ・モデルは966,000円)
価格:1,305,000円(税別)
1993年のデビュー以来、毎年その完成度を高めていったヒストリック・リイシュー。“ヒスコレ”の愛称で親しまれた同シリーズは2014年に最終仕様になるのだが、このスタンダード・ヒストリックは、2014年の“ヒスコレ”完成形を継承したモデル。ネック周りはハイドグルーで接着され、ピックアップはトゥルー・ヒストリック同様のカスタムバッカーを搭載。現在のビンテージ・ラインのスタンダード・モデルであり、最高峰のトゥルー・ヒストリックに唯一迫ることができる実力を持ちながら、その質の高さの割に価格は抑えられている。良いレス・ポールをガンガン使いたいプレイヤーには最高の1本となるだろう。
dEnkA’s Impression
これぞレス・ポール、艶がある大人の音がします。
これぞまさしく、レス・ポールという音ですね。太くて、艶があって、かっこいい、大人の音がします。オーセンティックなロック・ギターの醍醐味が味わえる1本ですね。このギターはスタンダード・ヒストリックということですが、トゥルー・ヒストリックに負けないくらいの艶のある音がするので大満足です! もちろん、より細部までこだわりたい方はトゥルー・ヒストリックを選べば良いのではないでしょうか。それと、やっぱり59年モデルのこの杢目は憧れですよね。こういうギター、1本は持ちたいじゃないですか! 楽器であると同時に工芸品的というか、単に弾くだけじゃなく見ることでも楽しめる、本当に美しいギターです。
SPECIFICATIONS
●ボディ:メイプル(トップ)、マホガニー(バック) ●ネック:マホガニー ●指板:インディアン・ローズウッド ●フレット:22 ●ピックアップ:カスタム・バッカー×2 ●コントロール:2ボリューム、2トーン、3ウェイ・トグルスイッチ ●ブリッジ:ABR-1ブリッジ&ストップバー・テイルピース ●ペグ:リイシュー・クルーソン・デラックス・グリーン・キー ●カラー:バーボン・バースト、アイス・ティー、フェイデッド・タバコ、レモン・バースト、サンライズ・ティー・バースト、ウォッシュド・チェリー
価格:801,000円(税別)
2017年製のレス・ポール・トラディショナルは、原点回帰ともいうべき仕様を持つ王道のレス・ポールとなった。まず、前年まで採用されていたボディのトラディショナル・ウェイト・リリーフが廃止され、完全なソリッド・ボディとなった点は注目したい。あわせて、ナイロン・ナット、ABR-1ブリッジ&アルミ・テイルピースを採用。これらにより鳴り方そのものがよりビンテージ・ライクな方向にシフトした。ピックアップも2017モデルからバーストバッカー1、2になり、モデル名どおりにトラディショナルなレス・ポール・サウンドをアウトプットする。さらに指板のエッジ部分にはロールド・バインディング処理を施し、最初から手に馴染むグリップを実現している。
dEnkA’s Impression
軽いけどローも出る、ベストなバランス!
非常に伝統的なレス・ポールの音ですが、同時に2017年製らしくモダンなサウンドという印象がありますね。レス・ポールはどんなジャンルでも使えるギターですが、もしモダン・ヘヴィまで弾くのであれば、ビンテージ系ではなくこのレス・ポールが合うと思います。これ、ボディのウェイト・リリーフがないんですよね? それでも非常に軽く感じます。僕は90年代と、2000年代初頭のレス・ポール・スタンダードも持っているんですが、それらに比べても軽いですね。それでもサウンド的にはローがしっかり出ているので、ベストな重量バランスかなという印象です。ネックも違和感なく自然に弾けるのですが、そこがロールド・バインディングの効果だと思います。
SPECIFICATIONS
●ボディ:メイプル(トップ)、マホガニー(バック) ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●ピックアップ:バーストバッカー1(フロント)、バーストバッカー2(リア) ●コントロール:2ボリューム、2トーン、3ウェイ・トグルスイッチ ●ブリッジ:ABRブリッジ&ストップバー・テイルピース ●ペグ:クルーソン・デラックス ●カラー:ヘリテイジ・チェリー・サンバースト、ハニー・バースト、アンティーク・バースト
価格:312,000円(税別)
レス・ポールって、やっぱり憧れのギターなんですよ。それはギターを始めた頃も、今も変わりません。僕がロックを聴き始めた頃に好きだったバンドのギタリストって、なぜかみんなレス・ポールを使っていたんですよ。たぶん、ギターを弾く前からレス・ポールの音が好きで、そこに惹きつけられた部分もあるんだと思います。例えば、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ、B’zの松本孝弘さん、そしてガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュですよね。
スラッシュからは、大きな影響を受けました。ペンタトニックを使いながらも、どこかポップなニュアンスがあるあのプレイは、結構コピーもしましたね。それから、フロント・ピックアップを使ったあの甘い音も、大好きです! スラッシュの音を再現するには、もう絶対にレス・ポールしかないんです。レス・ポールでなければ、絶対にあの音は出せません。
その意味で、スラッシュが好きな人は、今日試奏させてもらったこの4本からエントリーすれば間違いないと思います。もちろん今日の4本にはそれぞれに違う個性があります。でも、どれも共通した“レス・ポールの音”がしっかり出せるギターなので、そこはどれを選んでも大丈夫です。
それぞれのギターを簡単に振り返ると、まずエピフォンのSlash “AFD” Les Paul Special IIは、本当に価格が信じられない良いギターでした。スラッシュ公認のギターですから、間違い無いですよね。音も申し分ないので、若い人達にお勧めしたいです。ギブソンカスタムのTrue Historic 1958 Les Paul“Hard Rock Maple Top”は、個人的な好みでいえば今日弾いた中で一番好きなギターです。音が太いのに、立ち上がりが鋭くて、こんなギターはなかなかないと思います。同じくギブソンカスタムのStandard Historic 1959 Les Paul Reissueは、ツヤツヤの音が印象的でした。リッチな音ですよね。フレーズを一つひとつ大切にする人に弾いてもらいたいです。ギブソンUSAのLes Paul Traditional 2017 Tは、エネルギッシュで、守備範囲が広いギターだと感じました。どのギターも、スラッシュのように弾きたい人、もっといえばロックを弾きたい人なら間違いのないギターだと思います。特にマーシャル・アンプとの相性は抜群ですから、マーシャルにつなげばエフェクターは要らないですよ。
レス・ポールって、優しい音も、甘い音も、鋭い音も出せるんですよ。僕がやっているバンドKNOCK OUT MONKEYのレコーディングも、使っているのはほぼレス・ポールだけですね。メインのバッキングとソロは絶対にレス・ポールで録ります。僕はレス・ポールというギターがあったからこそ、今ここにいると思っています。逆にいえば、レス・ポールがなかったら僕はこの位置にいなかったと思いますし、こういうプレイ・スタイルになっていなかった思いますし、下手をすればギターを弾いていなかったかもしれません。僕にとっては、それくらい大事なギターなんです。皆さんも、ぜひレス・ポールを手に取ってみてください。僕も、皆さんがレス・ポールを手にしたくなるよう、もっともっと頑張ります!
dEnkA氏がギタリストを務めるバンドKNOCK OUT MONKEYが約2年半ぶりに3rdフル・アルバム「HELIX」を2017年7月5日にリリースすることが決定した。“現代のハードロック”と銘打たれた本作は、バンド史上最高を更新すると自負する、激しく攻撃的な楽曲が並ぶ攻めの内容となっている。なお、初回限定版にはレコーディングに密着したドキュメント映像とレコーディング・スタジオでの新曲3曲のライブ映像も収録。また発売に合わせて敢行される「KNOCK OUT MONKEY TOUR 2017 HELIX」の一部会場では、アルバム発売前の事前予約でメンバーの直筆サイン色紙をプレゼントするとのこと。ぜひオフィシャル・サイトで詳細をチェックしてほしい。
◎アルバム『HELIX』の詳細はこちら!
◎ツアー詳細はこちら!
◎KNOCK OUT MONKEY オフィシャル・サイト
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは2017年1月20日(金)更新を予定。
dEnkA
でんか:神戸で結成された4人組、KNOCK OUT MONKEYのギタリスト。ラウド、メタル、ヒップホップ、レゲエなどの要素を織り交ぜた変幻自在な楽曲を、パワフルなレス・ポール・トーンで弾き倒す。最新リリースは約2年半ぶりとなる3rdフル・アルバム「HELIX」(2017年7月5日発売)。