1968年、若き日のセイモア・ダンカンは、ジミ・ヘンドリックスのストラトキャスターに搭載するためのピックアップを製作している。その特別なピックアップを当時のレシピに沿ってあらためて製作し、約50年もの時を超えてよみがえらせたのが、今回新たに登場した「Jimi Hendrix Signature Strat set」だ。

　そのサウンドは幅広く、リア・ポジションはジミのリード・プレイを象徴するかのようなワイルドな音色。フロント・ポジションは、コード・プレイやブルージーなフレージング、ダブル・ストップ、そしてこれらを巧みにミックスしたジミならではのプレイに最適な音色を奏でる。センター・ポジションは、今となっては伝統的と表現できるが、ストラトキャスターの魅力に欠かせないオリジナルな音色を誇っている。なお、ジミのストラトキャスター・サウンドのポイントとして、ファンにとっては常識だが一応補足しておくと、リア・ピックアップの配置角度が挙げられる。当時はレフトハンド・モデルがなかったため、ジミは通常の右利き用のモデルを逆にして使用していた。このため、通常であれば高音弦側がより強調されるよう斜めに配置されるが、ジミの場合はそれが逆になる。ジミのサウンドを追及するのであれば、新たにピックガードへ取り付ける際は、そのあたりも考慮すべきだろう。なお、ピックアップ・カバーはホワイトで、ジミのサインがプリントされている。さらに記念の小冊子とステッカーも付属。ジミのサウンドを探求するギタリストは世界中で後を絶たないが、マニアならずとも多くのギタリストにインスピレーションを与えるアイテムとなることは間違いない。