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- 2024/11/16
BOSS / BD-2(Blues Driver)
BOSSのコンパクト・エフェクターを使い続ける理由は音が好きなのはもちろんなんですけど、もし何かあっても、どこの楽器店でも買えるという安心感ですね。しかも壊れにくいし、安定していて個体差が少ないと思うんですよ。それと、BOSSのディレイやリバーブは音が派手で好きなんです。ほかのメーカーのものより、踏んだ瞬間にわかりやすくキラキラしてる。私はよくDD-5でロング・ディレイをかけるんですけど、“今かけてる!”っていうのが誰にでもわかるみたいです。
いつもはBD-2でメインの歪みを作っています。オフにすることはほとんどなくて、かけっぱなしですね。それと、自分のヘッドとキャビネットを使う時は、BD-2で音量を下げるんですよ。というのも、私のアンプはすごく大きな音が出るので、いろんな段階を作るんです。まずアンプで大きい音のクリーンを作って、BD-2で歪ませて少し音量を下げる。そのあとにオーバードライブやディストーションをつないで、ソロとかにオンにして大きい音を出すんです。アンプで歪ませちゃうと、ソロの時とかにエフェクターを踏んでも音量があまり上がらないので、アンプをクリーンにしてBD-2で歪ませると、そのあとにつないだディストーションやオーバードライブを踏んだ時にグンと音量が上がるんですよ。
CE-2は単音のフレーズにかけることが多いですね。95年頃に買ってずっと使っていたので、NUMBER GIRL時代のコーラスは全部これですよ。「TATTOOあり」(『SAPPUKEI』収録)は向井君に“このフレーズにコーラスかけてよ。自分CE-2持ってたやろ”って言われて、“はい、かけます......!”みたいな感じでしたね(笑)。
話は変わりますけど、以前BOSSのエフェクターをつないでいない状態で演奏したことがあったんです。そうしたら、まわりの人から“やっぱり、つないでたほうがいいね”と言われまして(笑)。だから私の出す音にはBOSSの成分が含まれているんだなと思いますね。ちなみに、宅録でライン録音する時にBOSSのエフェクターをつなぐと、ハイがカリッとしたすごく良い音になるんですよ。BOSSは、もはやみんな“個性”という部分をスルーしちゃうくらいスタンダードな存在ですけど、私はこだわりや個性がすごくあるメーカーだと思いますね。新しいものをどんどん作り出そうとする意思を強く感じます。
田渕 ひさ子(bloodthirsty butchers/toddle/LAMA)
たぶち・ひさこ。1975年生まれ。福岡県出身。1995年に向井秀徳(vo,g)率いるロック・バンド、NUMBER GIRLに加入。02年の解散後は自身がボーカル&ギターを務めるバンド、toddleを結成。さらに、03年にはbloodthirsty butchers、11年にはフルカワミキ(vo,b)によるバンド、LAMAに加入するなど多方面で活躍中。