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- 2024/11/16
Paul Reed Smith / CE24 Standard Satin
Paul Reed Smith(以下PRS)と言えばセットネック構造のマホガニー・ネック+ローズ指板というイメージが強いのではないでしょうか。今回試奏したCE24 Standard Satinは、オール・マホガニー・ボディにメイプル・ネック、そしてボルトオン・ジョイントという、PRSの中では少し違ったカラーが特徴的なモデルです。CEは2008年まで生産していたシリーズですが、多くの点を改良して待望の復活となりました。待っていたCEファンの方も多いと思いますが、PRSらしい納得の仕上がりでした。
◎基本構成
オール・マホガニー・ボディにメイプル・ネック、そしてボルトオン・タイプなので、音が高域に特化していて歯切れの良いサウンドが心地良いところです。また、サテン・ニトロ・フィニッシュ仕上げなのでボディの鳴りも良く、反応の速さが良く出ています。ピックアップは明瞭度の高い85/15をマウントしているのも納得できるサウンドで、メイプル・ネックを使ったギターのPRSからの回答とも言える1本です。
◎イチ押しポイント!
ハムバッカー・サウンドで3種類、シングルコイル・サウンドで3種類、計6種類のサウンドを選択することができ、PRSならではのバランスが上手く取れたサウンドが魅力的です。クリアで歯切れの良いサウンドはクリーン・セッティングで、コード弾きや、カッティングなど抜群の音抜け感が楽しめます。また歪ませた時でも立ち上がりの良さが際立ち、バックトラックに埋もれない存在感がありました。
◎現場で助かる美味しいポイント
驚いた事に、ピックアップのセンター・ポジション(特にシングルコイル・ピックアップ時)の音のバランスが素晴らしく、適度な低音から超高域までバランス良く出ていました。フロントとリアのバランスが取れていないと、なかなか使えるセンター・サウンドにはなりませんが、さすがPRSです。工場出荷時からいきなりビシッとセッティングが出来上がっていました。
◎全体的な試奏感
まず、全体的に軽く扱いやすいギターだと感じました。さらにボディ・バランスが取れていて、ネックの剛性も十分にあるので、日本の気候でも十分対応出来るコンディションがありがたいです。試奏した感じでは、ボディがかなり薄く、低音のコントロールをここで行なっている雰囲気です。これ以上厚くなるとブーミーな低音が増えるので、CEらしい高域を綺麗に出す場合はこの絶妙な厚みがキモなんですね。また、生鳴りでもしっかり鳴っていて、ヘッドの先まで振動が伝わりボディ+ネックの全体で鳴っているのが良くわかりました。サウンド的にもかなり玄人好みの音で、スタジオ・ワークや宅録、様々なジャンルでプレイするギタリストにはぜひ触って欲しい1本でした。
価格:¥195,000 (税別)
野村大輔(のむら・だいすけ)
1975年、東京都出身。エレキ・ギター、アコースティック・ギターのどちらも得意とし、歌の良さを引き出し曲に溶け込むようなギターアレンジを得意としている。また、幅広いジャンルをカバーしつつもブルースをベースにしたプレイ・スタイルを持ち味としたギタリスト。15歳からビートルズに憧れアコースティック・ギターを弾き始め、その後ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンなどに影響を受けエレキ・ギターを弾くようになる。様々なバンド活動をしながら10代でギター講師の仕事を開始し、現在ではレコーディング・サポート、ライブ・サポート、作曲、編曲、プロダクト・スペシャリスト、ギター講師、執筆活動など幅広く活動を続けている。