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- 2024/11/16
Fenderイヤホン
今回の耳ログ!はデジマート・ユーザーには説明不要のギター・ブランドFenderが2016年6月に発売したイヤホンを改めてご紹介。確かな品質とフェンダーならではのスタイリッシュなデザインでしばしば在庫切れとなる人気製品の魅力に、我らがイヤホン王子ことたっくんが迫ります。
デジマートをご覧の方なら誰しもが知るブランドの一つですが、今回はギターではなくFenderのイヤホンをご紹介します。あのFenderがイヤホンなんてと思う方も多いと思いますが、2016年6月からイヤホン業界にも参入したばかりで、イヤホンブランドとしてはまだ半年しか経っていません。イヤホン事業を始めるに当たり、2015年にAurisonicsというイヤホンブランドを買収し、Aurisonicsが持つノウハウに、Fenderの技術を掛け合わせる事で、Fenderにしかできない革新性を備えた製品づくりを実現しています。
具体的な例を挙げると、Aurisonicsが得意とする3Dプリンターでの精密なシェル成型に、Fenderの生産管理方法や、技術のノウハウを取り入れる事で、ハンドメイドでのアッセンブリ作業を変える事なく、生産量を増やす事に成功しています。またFenderのギターの様な美しい仕上げもFenderだからこそできる業と言えます。
それでは早速Fenderイヤホンのラインナップを見ていきましょう!
8.5mmのチタン製マイクロドライバーを搭載、小型・軽量な本体を実現したFenderイヤホンのエントリーモデル。比較的手の出しやすいモデルですが、リケーブルもできる本格派モデルです。付属しているSureSealチップと呼ばれるイヤーチップは、遮音性が高くフィット感も良い優秀なイヤーチップです。他の4モデルと形状は大きく違いますが、上位機に負けない高いフィット感を実現しています。音質は上位モデルと比較すると高域側のヌケが悪い印象です。バランスは中低域寄りで、迫力のある音が特徴です。通勤通学を始め普段使いに最適なイヤホンです。
ブルーとブラックの2色展開で、ラインナップの中でも特に高い人気を誇ります。3Dプリントデジタルハイブリッド技術で製作されたシェルは、オーダーメイドのイヤホン『カスタムIEM』を手掛ける過程で数千人を超える様々な人の耳型を取り、研究・開発をして作りだされたものです。ユニバーサルタイプのイヤホンでも、オーダーメイドのイヤホンの様な高いフィット感を実現しています。9.25mmのレア・アースを採用したダイナミックドライバーを採用しています。DXA1と比較すると高域側の伸び、ヌケ共に向上した印象です。やや厚みのある低域と繊細な高域で軽快なサウンドを鳴らします。ギターやベース、ドラムなどの音の分離が良く、モニタリングのしやすいイヤホンです。
高域と低域にそれぞれ1つずつ、計2基のバランスド・アーマチュアドライバーを搭載した高解像度を誇るモデル。全モデル中一番硬質なサウンドを鳴らすイヤホンで、スピード感のある高域が前面に出てきます。また、低域もBAとは思えないようなかなり低く圧のあるサウンドを鳴らします。半面、ボーカルはとても滑らかで聴き取りやすいイヤホンです。レスポンスが速く、メタルや打ち込み系の音楽などが得意なイヤホンです。
ダイナミックドライバーとBAドライバーをそれぞれ1つずつ搭載した、ハイブリッド型のイヤホン。特筆すべきは、ネットワークを用いずに、それぞれのドライバーの特徴を上手に組み合わせてサウンドチューニングがされている点です。全域で音は柔らかめで、違和感のないサウンドに仕上がっていると思います。かなり低い所から鳴る低域と、よく伸びる高域はハイブリッド型ならでは。ダイナミックレンジが広く、全域に渡ってしっかりとした重みのあるサウンドを鳴らします。FXA5と比較するとボーカルよりも楽器が目立つサウンドチューニングになっています。
FXA6にさらにバランスド・アーマチュアが1基追加され、9.25mmのダイナミックドライバー1基とBA2基という構成のイヤホンがFXA7です。ドライバーが増えていても、最上位モデルらしく期待を裏切らないサウンドを鳴らしてくれます。空間の広さ、自然さ、音ヌケの良さ、立体的な音像、定位感の良さなど美点が多く、様々なジャンルの音楽を楽しめる優等生なイヤホンです。録音の良い音源だとさらにこのイヤホンの良さが出ると思います。
と言う事で、Fenderのイヤホンを聴き比べしてみました! コスパが良いのはFXA2、一番好みだったのはFXA7でした。ぜひFenderのイヤホンをご試聴してみてください!
岡田卓也(おかだ・たくや)
イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」PR本部 本部長。帰省時にイヤホンが断線し、たまたま購入したSHURE E2cでイヤホンにハマる。これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンの数は数千機種に及ぶ。日本人で初めて(おそらく)beats本社やUltimateEarsのラボ見学をしたことが自慢。