AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Roland / TD-50KV
世界中より熱い支持を受ける、ローランドVドラム。リアルなサウンドと高い静粛性はもちろん、ビギナー〜プロ・ユースまで対応する幅広いラインナップも魅力の同製品が今秋、満を持して新フラッグシップ・モデル=TD-50シリーズをリリースした。生々しい音色とダイレクトなレスポンスをさらにブラッシュアップした音源モジュールをはじめ、さらなる進化を遂げたキック、スネア&ライド・シンバル・パッドなど、まさにエレクトロニック・ドラムの“リアルを極めた”と言っても過言ではない仕上がりになっている。ここでは、日本が誇るグルーヴ・マスター、沼澤 尚を試奏者に迎え、TD-50シリーズの魅力に迫る!
使い道は本当に無限にある。
演奏者が何のために使うのか理解して、
これを駆使できたら、すごいことが表現できる。
僕は何十年もアコースティック・ドラムでドカドカやってきたから(笑)、アコースティックとエレクトロニックのマインドを切り替えるのがすごく難しくて。電子ドラムって、しっかりと“エレドラ用の演奏”をしないと、ただの“道具”になってしまうと思っていて、だからジェイムス・ブレイクのベン・アシター、ビョークのマヌ・デラーゴ、マルコス・スザーノの使い方は本当に驚異的です。自宅で遊ぶためだけでなく、ちゃんと“楽器”として扱っていて、彼らはアコースティック・ドラムのプレイも素晴らしいし、ちゃんと電子ドラムの特性をコントロールしてステージで使っていますから。僕もナカコー(Koji Nakamura)のライヴで使ったんですけど、ヘタくそ過ぎてお話にならなかったです。“エレドラ用”の対応がまったくできないまま終わってしまって……きちんと練習しないとダメだなとつくづく思いました。
今回のTD-50KV……バス・ドラムがKD-A22の方を試奏したのですが、以前よりアコースティックに近づけているのを感じましたし、実際にバス・ドラムのシェルを使っているので、アコースティックを演奏しているような感触になっているのがすぐわかりました。音色的なところに関しては、アコースティックでは出せないデジタル系の音が個人的には好みです。例えば曲を作るときに、そういう音をパッと出すのは大変じゃないですか。それをすぐに呼び出せるのは良いですよね。そういう制作のとき、“曲のイメージを音色で作れる”のは良いなと思いました。プリプロダクションの段階で利用して、それがハマったらそのまま使ってみてもちろん良いわけですし。 僕は普段100%アコースティック・ドラムを演奏してますから、電子ドラムが共存するときの意識、“自分自身の切り替え”そのものが、自分としてはVドラムを使うことの難しさがあって。感触がアコースティックに近づいているところはすごく良いんですけど、そこで鳴っているわけではないので自分の中での電子ドラムに対するテーマとはまた別にあったりします。もちろんアコースティック系の音色は、ヘッドフォンを使うとイヤモニしたときのような、そういう雰囲気は感じられるし、音の参考やシミュレーションにもなるけど、アコースティック・ドラムの練習になるかというと、また話は別ですから。そういうイメージを掴めたらアコースティックで鳴らせる技術を養わないと生ドラムの向上にはつながらないと思いますし、TD-50はすでにすごく良い音が出ているので、アコースティック・ドラム・セットに座ったとき、“良い音がしない”と感じてしまったらマズいですし(笑)。だから、先ほども言ったように何のためにどう使うのかという意識があるかないかが大切だと思います。よりアコースティック・ドラムに近づいているということで、もちろん楽しいんですけど、そこはさらに気をつけないと、と思いました。使い道は本当に無限にありますし、時間をかけて駆使できるようになったら当然ものすごいことを表現できるようになると思います。
[キット構成]●ドラム・サウンド・モジュール:TD-50×1●Vパッド・デジタル・スネア:PD-140DS×1●Vパッド(タム1):PD-108-BC×1●Vパッド(タム3、タム4):PD-128-BC×2●Vハイハット:VH-13×1●Vシンバル・クラッシュ:CY-14C×1●Vシンバル・ライド(クラッシュとして使用):CY-15R×1●Vシンバル・デジタル・ライド:CY-18DR
※キック・ペダルおよびスネア・スタンド、ハイハット・スタンド、ドラム・スローンはキットに含まれない。
<推奨別売品>
バス・ドラムはKD-A22またはKD-140-BCいずれかを選択。
●キック・ドラム・コンバーター:KD-A22×1(22インチ・バス・ドラム・シェルは製品に含まれない)
●Vキック:KD-140-BC×1(KD-140-BCのヘッドはメッシュ素材を使用。フェルト/ウッドのビーターを使用した場合、フェルト/ウッドの消耗が激しいため、プラスティック・ビーターの使用を推奨)
●ドラム・スタンド:MDS-50KV×1
[キット構成]●ドラム・サウンド・モジュール:TD-50×1●Vパッド・デジタル・スネア:PD-140DS×1●Vパッド(タム1、タム3、タム4):PDX-100×3●Vハイハット:VH-11×1●Vシンバル・クラッシュ:CY-12C×1●Vシンバル・ライド(クラッシュとして使用):CY-13R×1●Vシンバル・デジタル・ライド:CY-18DR
※キック・ペダルおよびスネア・スタンド、ハイハット・スタンド、ドラム・スローンはキットに含まれない。
<推奨別売品>
●Vキック:KD-120BK×1(KD-120BKのヘッドはメッシュ素材を使用。フェルト/ウッドのビーターを使用した場合、フェルト/ウッドの消耗が激しいため、プラスティック・ビーターの使用を推奨)
●ドラム・スタンド:MDS-50K×1
セットの中で存在感を増した、14”のスネア用パッドPD-140DSと、18″のライド・シンバル用パッド、CY-18DR。これら2つは新開発のマルチ・エレメント・センサーを内蔵し、ダイナミクスや打点位置の検出精度が格段に向上。標準的なアコースティック・スネアやライドと同等のサイズで、広い打面による演奏性とマルチ・エレメント・センサーの性能が相まって、スネアはリムにスティックを当てる深さ、ライドはスティックを当てる角度による音色変化までも表現できる。いずれも静電容量タッチ方式のセンサーを内蔵し(世界初)、スネアはヘッドに手を置いた状態でのリム・ショットが、ライドはボウ部分を手で触れることで音を減衰させることが可能に。TD-50とはデジタル接続するため、打撃した際のさまざまな演奏情報を音源へ高速で伝達し、快適な演奏感を実現している。
■本記事はリットーミュージック刊『リズム&ドラム・マガジン2016年12月号』のclose up!企画「“リアル”を極めた最上位機種
Roland V-Drums TD-50 Series」から一部抜粋し掲載しています。企画の全貌はドラム・マガジンにてご確認ください。
■アーティスト特集 DVD連動
ドイツが誇る“グルーヴ・サイエンティスト”
ベニー・グレブ
■特集 DVD連動
第15回誌上ドラム・コンテスト
Make it Groovin’2016最終審査結果発表!
feat. 柏倉隆史、mabanua
■特別企画
名手が語る“物語”の描き方 ドラマーの“歌心”
feat.ラス・カンケル 村上“ポンタ”秀一、クリフ・アーモンド
小田原 豊、村石雅行、湊 雅史、吉田佳史[TRICERATOPS]、あらきゆうこ
価格:オープン
価格:オープン
価格:オープン
価格:オープン
沼澤 尚
ぬまざわたかし●大学卒業と同時にLAの音楽学校PITに留学、ジョー・ポーカロ、ラルフ・ハンフリーらに師事。13CATSをはじめ、さまざまなアーティストと共演し、2000年から日本国内でも本格的な活動をスタート。シアターブルック、ブルーズ・ザ・ブッチャー、DEEP COVER、Koji Nakamura、AFTER SCHOOL HANGOUT with林立夫、河村隆一、大貫妙子、大塚愛などと活動中。