AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Paul Reed Smith / SE CUSTOM 24
Paul Reed Smith(以下PRS)は、創業からわずか31年でアメリカを代表するビッグ・ブランドに成長しました。新しいアイディアや、上質なサウンド、美しさを常に追求してきたブランドと言えるでしょう。ポール社長のギターに対するこだわりと愛情が詰まったギターばかりなので、見た目とサウンドのどちらも楽しめると思います。今回試奏したのは高いコストパフォーマンスで人気のSE CUSTOM 24の最新バージョンで、サウンド・バランスが良い印象でした。
◎基本構成
マホガニー・ボディにメイプル・トップ、メイプル・ネックという構成で、フロント、リアのハムバッカーがどちらもトーン・ノブのプッシュ/プル・コントロールによって、ハムとシングルの切り替えが可能です。3ウェイのブレード・スイッチ(フロント、ミックス、リア)で、計6種類のサウンドが楽しめます。ピックアップは新たに開発された85/15 "S"が搭載されており、低音から高音までがバランス良く鳴るようになっています。
◎イチオシのポイント!
SE(スチューデント・エディション)というネーミングからも伺えるように、値段的にも手にしやすい1本です。ファースト・ギター、セカンド・ギターとして手にするには十分すぎるくらいのサウンドとスペックで、PRS通常ラインナップのUSAモデルと見比べても殆ど遜色ない出来になっています。年々グレードが上がっていっている感がありますが、値段は控えめという配慮もあり、PRSがローエンドからハイエンドまでのユーザーをしっかりと掴む理由が分かります。
◎サウンド・ポイント
ネックにメイプルを使用しているのと、新しい85/15 "S"のピックアップの効果もあり、低音域だけに突出せずに、引き締まった低音から少しギラつく高音域まで余裕のあるサウンドが特徴的でした。ヘヴィなフレーズから、ブルージーなものまでジャンルを選ばずに使えるサウンドです。またシングルコイル・ピックアップにした時でも、太さは残ったまま立ち上がりの良いサウンドに変わるので、シングル/ハムの切り替えで極端な音質の差が出ないようにコントロールされているのが美味しいところです。
◎全体的な試奏感
ネックは「ワイド・シン」というネックの横幅(弦同士の間隔)が気持ち広く、ネック自体は薄めになっているので弾きやすい印象がありました。また、USAモデルと同様にフロントとリアの切り替え時に音量バランスが最初から取れているので、セッティングをし直す必要がなく、購入して直ぐに即戦力として使えるのも嬉しいポイントです。ギターを大切にするのは良いことですが、高級すぎるギターは出不精になり弾く機会も意外と少なかったりします。SEのように外にどんどん持ち出せる実践的なギターが1本あると良いですね。気がつくとこのギターを触っている時間が一番長くなりそう……そんなギターと言えそうです。
価格:¥106,000 (税別)
野村大輔(のむら・だいすけ)
1975年、東京都出身。エレキ・ギター、アコースティック・ギターのどちらも得意とし、歌の良さを引き出し曲に溶け込むようなギターアレンジを得意としている。また、幅広いジャンルをカバーしつつもブルースをベースにしたプレイ・スタイルを持ち味としたギタリスト。15歳からビートルズに憧れアコースティック・ギターを弾き始め、その後ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンなどに影響を受けエレキ・ギターを弾くようになる。様々なバンド活動をしながら10代でギター講師の仕事を開始し、現在ではレコーディング・サポート、ライブ・サポート、作曲、編曲、プロダクト・スペシャリスト、ギター講師、執筆活動など幅広く活動を続けている。