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- 2024/11/16
Gibson USA / Les Paul Double Cutaway Carved Top 2016 Limited
長い歴史の中でさまざまなバリエーション・モデルを輩出してきた名器、レス・ポール。中でも一際ユニークな個性を持つモデルが、このレス・ポール・ダブル・カッタウェイ(以下:レス・ポールDC)でしょう。今回は、リミテッド・モデルとして登場した本器を題材に、スタンダードなレス・ポールとは一味違う、レス・ポールDCならではの魅力をご紹介します。
使用アンプ:マーシャルJVM410H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable
レス・ポールDCはその名の通り、ダブル・カッタウェイが最大の特徴のモデルです。テクニカル系のプレイヤーの中には「レス・ポールは好きなんだけど、ハイ・ポジションがちょっと弾きにくくて……」という方もいますが、そんな人でも本器なら快適に演奏できるでしょう。スリム・テーパー・ネック、軽量のチェンバード・ボディも相まって、弾きやすさ、取り回しの良さはSG並みと言えます。しかし、本器はあくまでも“レス・ポールDC”。セクシーなカーブを描くフレイム・メイプルのボディ・トップと、ハンド・セレクトされたマホガニー・バックが生み出すサウンドは、レス・ポールの名に相応しいものです。
サウンドの要となるピックアップには、フロントにRhythm Pro、リアにLead Proを搭載。2016年モデルでは、オープンのゼブラ・タイプが採用されている点が外見上でもアクセントとなっています。これらのピックアップは、マグネットにアルニコ5を採用し、ふたつのコイルのワイヤーの巻数をポールピース側ともう片方のスラッグ側で変えることで、巻数にばらつきがあったオリジナルP.A.F.ピックアップのサウンドをうまく再現しています。コントロールはシンプルに1ボリューム、1トーンにまとめられ、チューナーにはグローバーのロッキング・タイプを採用してチューニングの安定性を高めています。総じて、操作に関わる部分はよりシンプルに、より快適にということを意識した設計だと言えるでしょう。
本器を実際に手にした最初の感想は、「やはり、弾きやすい!」というもの。著者はスタンダードなレス・ポールのハイ・ポジションもまったく苦にならないタイプですが、それでも本器の弾きやすさは格別だと感じました。
サウンド面では、チェンバード・ボディの影響なのか、はたまたダブル・カッタウェイの影響なのかはわかりませんが、ローがダブつくことがなく、スッキリと出るのが好印象です。試しに6弦のチューニングをDに落としてリフを弾きましたが、音の輪郭やコード感が崩れることはありませんでした。また、全体的にプリプリッとした独特の弾力感があり、特にクリーン〜クランチでそのニュアンスを感じました。サステインの良さ、歪みの乗りの良さはさすがレス・ポールのそれで、納得のサウンドです。
本器は動画で試奏しているOcean Waterフィニッシュのほか、Heritage Cherry Sunburst、Wine Redの3色をラインナップ。各色100台のみの限定生産なので、気になる方は早めにチェックしてみてください。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは10月21日(金)を予定。
価格:¥339,000 (税別)