AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
リズムマシン
現在、音楽を制作するためのツールはソフトウェア中心になってきていますが、その一方でハードウェアも再び注目を集めてきています。今回はそんなハードウェアの中で、「グルーブ・マシン」にスポットを当てて紹介しましょう!
簡単に言うと「クラブ・ミュージック制作向けの音源内蔵シーケンサー」のことです。クラブ・ミュージックが日本に浸透し始めた1990年代、制作に欠かせない機材としてROLANDのリズム・マシンTR-909やTR-808、ベース・マシンTB-303がありました。当時でも既に新品では販売されていなく中古価格が高騰していました。そんな状況を見て、ROLANDが1996年に発売したのがMC-303です。クラブ・ミュージックに最適な音源とシーケンサー、エフェクターを搭載し、これ1台で本格的な楽曲を作ることができました。このころから“グルーブ・ボックス”“グルーブ・マシン”“グルーブ・ギア”などと名付けられた、いわゆる“グルーブ系”と呼ばれる機材が多く登場するようになります。また、以前から発売されていてもクラブ・ミュージック制作向きであれば、同じカテゴリーとして呼ばれるようになりました。TR-909/808/303しかり、1980年代に登場したサンプラーとシーケンサーが融合したE-MU SP1200や、AKAI PROFESSIONAL MPC60なども“グルーブ・マシンの元祖”と見なされたのです。
グルーブ・マシンには直感的な操作ができる “パターン・シーケンサー”が搭載されています。打ち込みやパッド演奏、パターンの切り替え、パートのミュートON/OFF、エフェクトやフィルターなどの操作が、シーケンサーを止めることなく行なえるので、ライブ・パフォーマンスにも威力を発揮します。また、豊富な音色やプリセット・パターンを搭載している機種が多く、それらを再生させるだけでも楽しめますし、ジャンルを特徴づけるフレーズや音色選びの勉強にも役立ちます。さらに、“ソング・モード”や“パターン・チェイン”などと呼ばれる機能を搭載している機材は、パターンの再生順序を指定して一つの曲に仕上げることができるので、メインの制作機材としても活用できます。
一時期はDAWやソフトに押され気味ではありましたが、最近、グルーブ・マシンはハードウェアとしての魅力や操作感の良さから再評価されています。コンピューターとの連携や、ビンテージ・シンセを活用できるような機能を装備するなど、現在の音楽制作環境にマッチした製品が多く登場しています。また、ソフトウェアと専用コントローラーをセットにした製品もハードウェアさながらの操作感を意識した新しいタイプのグルーブ・マシンと言えるでしょう。
Electribeシリーズの最新モデル。ロング・セラーとなったElectribe MX/SXを引き継ぎ、最新のクラブ・ミュージックを反映させたプリセット音色とパターンを豊富に搭載し、トリガー・パッドを押すだけで、スケール/キーの設定に沿ったコード音を演奏できたり、XYタッチ・パッドを使用してのアルペジェイターや、32種類のエフェクト・パラメーターのコントロールなどが行なえたりと、さまざまな演奏に対応しています。また、楽曲をオーディオ・データ、ABLETON Liveのプロジェクト・ファイルへの書き出しが可能。ハードとソフトを使った楽曲制作の新しいワーク・フローを実現しています。MIDI IN/OUTのほかにVolcaシリーズなどを同期させることができるSyncイン/アウト端子も装備。どちらか1台のみでも本格的な楽曲制作が行なえますが、アナログ・モデリング/PCM音源を駆使した音作りにこだわるならElectribe2、外部からのサンプリングを中心とした制作ならElectribe Sampler 2が良いでしょう。
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サンプラー+シーケンサー・タイプのグルーブ・マシン。サンプルやエフェクトの選択やエディットなどが直感的に行なえる7インチの大型ディスプレイと6個のロータリー・エンコーダー、また、全16トラックすべてにリアルタイムで動作するパワフルなタイム・ストレッチ・エンジンにより、異なるテンポのフレーズもシーケンサーに同期させることが可能。DJ機材で培ったノウハウが生かされています。DAVE SMITH INSTRUMENTSとのコラボによるアナログ・フィルターを内蔵しているのも特長です。
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音源+サンプラー+シーケンサー・タイプのグルーブ・マシンで、着脱可能なリング・コントローラーとベース・ステーションで構成された斬新なルックスも特徴的です。感圧式タッチ・パッドを備えたリング・コントローラーは、演奏や打ち込みで使用できるだけでなく、ベース・ステーションから取り外しシーケンサーのPLAY/STOP/RECや内蔵エフェクトなどのワイヤレス・コントロールが可能。また、Mac/iOS機器ともワイヤレス接続してMIDIコントローラーとしても使えます。
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2台分のポリフォニック・シンセと4パート分のリズム音源を搭載したグルーブ・マシン。搭載されている64種類のリズム音源は、Google Chromeを使用した無償ツール「Circuit Components」を使って好きなサンプルをインポートすることができます。またCircuit Componentsはシンセ・パートのエディットやライブラリーの管理、ファームウェア・アップデートにも使用できます。
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スウェーデンのメーカーELEKTRONによるアナログ・シンセ・エンジンを中心としたリズム・マシン。外部からサウンドを取り込んだり、周波数変調などを組み合わせることで複雑なサウンドも作ることができます。またELEKTRON独自の規格“Overbridge”に対応しているので、コンピューターとUSBで接続し、DAWと組み合わせることでAnalog Rytmのパラメーターをプラグイン・ソフトのようにDAW側からトータル・リコールすることができます。さらにオーディオ・インターフェースの機能も装備し、DAW音声をAnalog Rytmから出力できるだけでなく、DAWの音声にAnalog Rytmのアナログ・フィルターやエフェクトの処理を施すこともできます。
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ソフトウェア+専用コントローラー・タイプのMaschine Studio、Maschine MK2、Maschine Mikro MK2に続くMaschineシリーズ最新モデル。従来の16個のマルチカラーLED搭載のベロシティ対応パッド・タイプと異なり、シーンやパターンの切り替えやシーケンサーへの打ち込み8×8のマルチカラー・クリック・パッドと、音量のコントロールだけでなく、演奏入力やエフェクトのコントロールなどでも活躍する8本のSmart Stripを装備しているのが特徴。全シリーズ共通のMaschineソフトウェア2.0だけでなく、ソフト音源Komplete 11 Selectも付属。ソフトウェア・ベースでかなり自由度の高い楽曲制作を行なうことができます。
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かつてヒップホップ・シーンに多大な影響を与えたMPCシリーズは、現在ソフトウェア・ベースとして新しく生まれ変わっています。従来のMPCの構造を踏襲したMPCソフトウェア専用のコントローラーの最新機種がMPC Touch。7インチ・フルカラー・タッチ・スクリーンを搭載し、タブレットのようにピンチやグラブにも対応。サンプルの検索や波形編集、MIDI入力やミックスなどをコンピューター画面に頼ることなくタッチ・スクリーン上で操作できます。
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Volcaシリーズのラインナップは現在、Beats、Bass、Keys、Sample(OK GO Editionを含む)FM、Kickの6種類。その中のVolca Sampleは100種類の内蔵音源を使って楽曲制作できるグルーブ・マシン。曲を再生しながらノブを回し、サウンドの長さやピッチ、レベルなどのパラメーターを変化させることで、全く新しいサウンドを作ることができます。また専用iOSアプリを使って独自のサンプルを取り込むことができるのでさまざまな音色を使って曲作りができます。一方、Volca Kickはその名の通り、キックの音作りを追求できるグルーブ・マシン。KORGのアナログ・シンセ“MS-20”の前期型フィルターを軸にしたアナログ回路を搭載し、アナログならではの多彩なキックが作れます。Volca SampleとVolca Kickを組み合わせることで、それぞれの良い部分がお互いの足りない部分を補ってくれます。
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冒頭に登場したROLAND TR-909とTB-303のサウンドを再現したグルーブ・マシン。名機をモチーフにした音源モジュールBoutiqueシリーズは第一弾としてJP-08、JU-06、JX-03が発売されていましたが、その第二弾としてVP-03と併せて発売されました。同シリーズはオリジナル機を想起させるデザインが印象的ですが、部品の振る舞いをデジタルでモデリングするROLAND独自の“ACBテクノロジー”が使われており、デザインだけでなくサウンド面においてもオリジナル機に限りなく近い再現性を持っています。また、これらより前に発売されたAIRAシリーズにおいてもACBテクノロジーが使われていて、TR-8はTR-909とTR-808のサウンド、さらにオプションでTR-606、TR-707、TR-727、そしてTR-808の改造モデルのサウンドを追加することができます。TB-3はTB-303のサウンドを再現しながらもタッチパッドを使った操作により、実機とはまったく異なるインターフェースが特徴です。
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以上、最新グルーブ・マシンの一部を紹介いたしました。 DAWのみで楽曲制作をしている方でも、全く機材を持っていない方でも、もし興味が沸いたグルーブ・マシンがありましたら、まずは一つ導入してみるのはいかがでしょうか?
いっちー(市原 泰介)
サウンド&レコーディング・マガジン編集部WEBディレクター。学生のころから作曲やDJ活動、バンド活動などの経験を積む。某楽器販売店を経てリットーミュージックに入社。前職では楽天市場内の店長Blogを毎日10年以上更新し、2008年ブログ・オブ・ザ・イヤーを受賞。得意ジャンルはクラブ・ミュージック。日々試行錯誤中。