アコースティックエンジニアリングが手がけた“理想の音楽制作を実現する”環境
- 2024/11/25
PEARL / MIDTOWN
今年創業70周年を迎えたパール。独創的なサウンドと高いクオリティの製品で、世界中のドラマーを魅了し続ける。ここでは、リズム&ドラム・マガジン2016年07月号のclose up!=PEARL DRUMS“REBORN”で掲載した、リニューアルし、生まれ変わった製品ラインナップを、4回に渡り紹介していく。第3回はストリートや省スペースでの演奏に適した“MIDTOWN”とエリミネーター・ペダルの最新形“ELIMINATOR REDLINE”を、村石雅行とYuumiが試奏しその感触について語った。
Yuumi ルックスが良いですね! ちっちゃくてかわいい〜。でもローが出ますね。特にフロアはかなり鳴ります! 13"のスネアも良いですね。欲しくなっちゃいます。
村石 ミニ・キットというのもあって、タイトな音でドラムンベース風のフレーズを叩きたくなりますね。気持ち良く叩けます。タイトな音量感がちょうど良い感じですね。しっかりミュートすれば家で叩けたりもするかな?
Yuumi 叩けそう! シンバルつきセットだと新製品のフラット・ベースのスタンド類がつくんですね。軽い!
村石 このスタンド、良いですね〜。
Yuumi 自分の好きなドラマーがこういうミニ・キットをよく使っていて、ライヴ・ハウスよりも小さなバーやカフェとかで叩いたりしていて。私もこのキットでチャレンジしてみたいですね。今ちょうど、そういうジャンルというか、省スペースで叩いてみたいんです。でもロー感は全然減っていないから、ライヴ・ハウスでも問題なく使えそうですね。
村石 低い音がよく出ているんだよね。それがすごく良い。路上でのストリートの演奏とか、省スペースでのライヴにバッチリかと。
竹川彰人[パール楽器製造株式会社 技術開発課]:MIDTOWNは主にアメリカからのリクエストで開発されました。日本では以前からリズムトラベラーやバーチ・シェルを使ったVISIONシリーズで小口径のドラムはありましたが、今回、オール・ポプラ・シェルの3点セットにしたのが一番の特長です。ポプラはアメリカでは古くからドラムに使われた由緒正しい材料で、バーチに比べてより柔らかいサウンドになっていると思います。バス・ドラムを浮かせるリフターもセッティングの幅を広げるために見直されました。
MIDTOWN Specification
【シェル材】ポプラ6プライ(7.5mm厚)
【フープ】●バス・ドラム:ウッド・フープ●タム/フロア・タム:プレス・フープ(スティール/ 1.6mm厚)
【ラグ】スモールタイプ・レギュラーラグ
【ヘッド】●バス・ドラム:レモUCパワーストローク3クリア(打面)、レモUCパワーストローク3コーテッド(フロント)●タム/フロア・タム:レモUCクリア・ディプロマット(トップ/ボトム共通)
【その他】オプティロック・タムマウントシステム装備
シンバルつきドラムフルセット¥145,000
※シェルのみ(ドラムシェルパック)は¥45,500となる。
[Size]16"×14"BD、10"×7"TT、13"×12"FT、13"×5.5"SD
[Hardware]ハイハット・スタンド(H-150S)、スネア・スタンド(S-150S)、フット・ペダル(P-930)、ブーム・シンバル・スタンド(BC-150S)、シンバル・スタンド(C-150S)、ドラム・スローン(D-730S) タム・ホルダー×2(TH-70I/C)
[Cymbals]パールCXブラス・シンバル:14"ハイハット、16"クラッシュ、20"ライド
[Color Lineup]Jet Black(#31)、Black Gold Sparkle(#701)、Black Cherry Glitter(#704)
※ドラム・スティック1ペア付属。
村石 今年発表されたエリミネーターのマイナー・チェンジ版ということで、インターチェンジャブル・カムがスケルトンになったり、耐久性が上がったり、プレートが若干厚くなったり、ホイールが軽量化されたり……、全体の重量はちょっとだけ軽くなったのかな?
Yuumi 私は普段、エリミネーターⅡを愛用しているんですけど、アクションはほとんど変わらずそのまま……という感じですね。好みの問題もありますが、個人的にはしっかりと踏み応えのあるペダルが好きなので、そういう意味でもエリミネーターはすごく良いんですよ。あとはクォードビーターが新しくなっていて、アタックがより“点”で出てくる印象を受けました。
村石 従来のクォードビーターから重さを変えず、ビーター・ヘッドの形状が小さくなったのが良いですね。音が良い。アクションはそのままの印象だから、エリミネーターを持っている人でもアップデート版として勧められると思いますね。僕はデーモンチェーンを使っているんですけど、あの細部に渡る調整機構を駆使して、踏み心地をエリミネーターに近づけたりもするんですよ。
竹川彰人[パール楽器製造株式会社 技術開発課]:Eliminator Redlineは元のP2000の基本アクションやバランスをできるだけ変えないようにしつつ、よりスムーズでロスなく速く踏めるような設計を行ないました。“Redline”という名前はアメリカ・スタッフがつけてくれました。赤をアクセントに使ったデザイン的な意味合いもあるのですが、英語では“最大速度(レッドゾーン)に達する”という動詞の意味もあるそうです。従来のEliminatorの性能をより高めたという意味からも“Redline”という名前は非常によく特長を表していると思います。
ELIMINATOR REDLINE Specification
【ドライヴ】:ダブル・チェーン
【カム】:インターチェンジャブル・カム(スケルトン・タイプ:BLACK、WHITE、BULE、RED)
【ビーター】:コントロールコア・クォード・ビーター(フェルト2面/プラスティック2面)
【調整箇所】:フット・ボード・アングル、ビーター・アングル、ビーター・ストローク、スプリング・テンション、アジャスタブル・トラクション・プレート、パワーシフター
【その他】:NiNjAベアリング装備、セミハード・ケース、チューニング・キー付属
¥26,000
¥63,000
本記事はリットーミュージック刊『リズム&ドラム・マガジン2016年07月号』のclose up! 「PEARL DRUMS“ReBORN”」を転載しています。
■表紙特集
ザ・ビートルズ来日50周年記念!
1966年のリンゴ・スター
■close up!
70th Anniversary Specialラインナップが一新! “変革”の70年目に迫る!!
PEARL DRUMS“ReBORN”
■特集
話題のセオリーをドラムに応用
4スタンス理論 for Drummers
価格:¥145,000 (税別)
価格:¥26,000 (税別)
価格:¥63,000 (税別)
村石雅行
●むらいしまさゆき:1964 年生まれ、熊本県出身。中学時代よりドラムを始める。東京藝術大学在学中にプロとしてのキャリアをスタート。88年にプログレッシヴ・ロック・バンド、KENSO に加入、03年に脱退。現在はFAZJAZ.jpなどのバンド活動に加え、スキマスイッチ、葉加瀬太郎、ももいろクローバーZ、GLAYなど数多くのライヴ/レコーディングに参加している。村石雅行ドラム道場も主宰し、後進の育成にも力を注ぐ。
Yuumi
●ゆうみ:1989年生まれ、沖縄県出身。2005年に4ピース・ガールズ・ロック・バンド、FLiPを結成と同時にドラムを始める。2010 年にミニ・アルバム『DEAR GIRLS』でメジャー・デビュー、これまでにシングル4作、ミニ・アルバム5作、フル・アルバム3作を発表している。FLiP は今年3月のライヴをもって活動休止中で、現在は、minus(-)、真空ホロウ、tricotをはじめ、数多くのサポート・ドラムも務める。