エレキ・ギターでありながら、ピエゾ・システムを搭載することでアコースティック・サウンドからギター・シンセへの信号をも自在にコントロールできてしまう、ゴダンのハイブリッド・エレクトリック・ギター、xtSA。この人気モデルをベースに、ボディ・トップにローズウッドを採用したのがこのxtSA Rosewoodだ。限定20本の特別モデルはワンランク上のビジュアルと音色をもたらしてくれる。

　ボディ・トップのローズウッドは見た目の美しさもさることながら、その硬質でタイトなボトムが心地良い。アコースティック・ギターのサイド＆バック材として愛されるローズウッドだが、ボディ・トップに使用してもその音色は健在だ。加えてエレクトリックにも限定モデルならではのカスタマイズが施されている。ハムバッカーにはセイモア・ダンカン製を搭載。ネック側とブリッジ側で異なるピックアップをセレクトしている点が興味深い。ネック側はアルニコ5マグネットを使用したJazz-IIをチョイス。往年のビンテージ・ハムバッカーをベースに、さらにクリアなチューニングが行なわれている。ブリッジ側ピックアップには同じくダンカンのCustom-III（セラミック）を搭載。こちらはタイトでパワフルなハムバッカー・サウンドが持ち味で、キレのあるブリッジ・ピックアップの音色を楽しめる。またセンター・ピックアップにはゴダン・オリジナルのビンテージ・サウンド・シングルコイル・ピックアップであるGS-2が選ばれている。これらの組み合わせにより幅広い音色を作り出すことができる。

Godin / xtSA Rosewood

　xtSAならではの機能面は他にも注目すべき点が多い。まずはRMCピックアップとの共同開発によるピエゾ・ブリッジを搭載することで、各弦の出力が完璧にセパレーションされたアコースティック（ピエゾ）サウンドが得られること。このピエゾ・サウンドは独立してアウトプットすることも、マグネット・ピックアップと同じアウトプットから出力することも可能だ。高品質なピエゾ・サウンドが手元のスイッチで簡単にブレンドできるので、現代的な音楽シーンに求められる様々な表現に柔軟に対応できる。さらに、Roland GK製品に対応した13pinのコントローラー・アウトも搭載。購入したその日から、無改造でGK製品に接続し、簡単なセットアップのみでギター・シンセサイザーを使用することができる。さらにGKのピックアップ・センサーもファクトリーでセッティング済み。外付けを使用する際の煩わしさもない。

　すべてのセットアップが高いレベルで行なわれており、今回のデモンストレーションでも序盤から全ての機能をフルに使用してもらった。たったひとりの演奏でこれだけの多彩なアプローチが行なえることは、現代のミュージシャンにとって非常に意味のあることだろう。これだけの機能を持たせながら、ギターとしての高い品質とプレイアビリティを実現しているところにGodinの底力を感じる。

3対3のヘッド・ストックにはゴダン・オリジナルのロック式ペグを搭載する。

指板にはレスポンスに優れたリッチライトが採用されている。ギター・シンセを使用した時のタイムラグを最小限に抑えるためだ。

ネック材はマホガニー。ボルトオンでボディとジョイントされる。

ピックアップはレギュラー・モデルと異なり、セイモア・ダンカンのJazz-II（フロント）、Custom-III（リア）がセレクトされている。

コントロールの扱いやすさもゴダンならでは。ショルダー部にはピエゾ・ピックアップのボリューム、EQがセットされる。

エレクトリック、Roland GR製品対応の13Pin、アコースティックの3アウトプットを備える。

※使用アンプ：Fender ’65 Twin Reverb