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- 2024/11/25
Gretsch / G6120T Players Edition Nashville
グレッチ! やっぱり格好良い! 欲しい! ……でも自分のバンドのスタイルとは合わないかな? かなり深い歪みだし、ハウリングしちゃうかな? ドロップ・チューニングも使うけど音程感は大丈夫かな? ハードなライブだからフルアコはもたないかな?……と思い悩んでいるギタリストは世界中に大勢いらっしゃるのではないだろうか。そう、グレッチはメチャ格好良いギターなのだ。だから、ゾンゾンと歪ませてライブでガシガシ弾きまくるプレイヤーだってきっと使いたいだろう。だったら、伝統的なグレッチのルックスと音色は生かしながら、現代的なサウンドと高い耐久性を備えた新しいグレッチを作ろうぜ! というコンセプトで生み出されたのがG6120T Players Edition Nashvilleだ。モデル名に「プレイヤーズ・エディション」と掲げているとおり、現代的なアプローチでビンテージ・グレッチにはないエレクトリック周りの強化と、構造的な耐久性の向上が図られている。その結果、動画でご確認いただけるように、深く歪ませてもハウリングに極めて強いモデルが誕生した。
一見すると6120そのままだが、見直された部分は多岐に渡る。ボディ内部は1959年式のトレッスル・ブレイシングを発展させ、更なるトップ振動をフレキシブルにした構造のMLブレイシングを採用。16インチ幅、2-1/4インチ厚のメイプル・シングル・カッタウェイ・ボディで、メイプル・ネックにはサムネイル・ポジションマーカーがインレイされたエボニー・フィンガーボードを組み合わせており、見た目にもシャープなグレッチイズムが溢れている。加えて、ミディアム・ジャンボ・フレットを採用し、音程感とアタック音の存在感をアップさせたのも見逃せない。
さらにロッキング・バー・ブリッジとブリッジのズレを防止するピンド・エボニー・ベースや、チューニングの安定性を高めるシャーラー製のロック・タイプ・マシンヘッドを採用している他、バンドマンには嬉しい耐久性を考慮したメタル製のアウトプット・ジャック・プレートやロック式・ストラップ・ピンも標準装備。他にも弦交換を容易にしたストリング・スルー・ビグスビー、耐摩耗性に優れたタスクXLナットを搭載することで、ライブ派のギタリストが購入後に「使えるようにモディファイする」必要がほとんどない。
また、新開発の“Squeezebox(スクイーズボックス)”ペーパー・イン・オイル・キャパシター(コンデンサー)を搭載。トーンを絞り込んでも音量が下がったりすることがなく、自然なトーン・アジャストが可能だ。また、トーンがフルの際に完全にバイパスされるノーロード・トーン・ポットを採用しており、フルテン時にはコンデンサーの音色を通過しないストレートな音色が持ち味。ボリューム・ポットにもこだわりがあり、ボリュームを絞った際にもフル・ボリュームと変わらないトーンを実現するトレブル・ブリード・サーキットを採用している。
とにかく使い勝手最高、ルックス最高のグレッチ・ギター。これまでグレッチを手に取ることがなかったロック系、極端に言えばメタル系ギタリストの皆さんにまでチェックして欲しい「新しいグレッチ」の登場だ。
※使用アンプ:Fender 68' Custom Twin Reverb
価格:¥370,000 (税別)
価格:¥480,000 (税別)
村田善行(むらた・よしゆき)
株式会社クルーズにてエフェクト・ペダル全般のデザイン担当、同経営の楽器店フーチーズ(東京都渋谷区)のマネージャーを兼任。ファズ関連・エフェクター全般へのこだわりから専門誌にてコラムを担当する他、覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。