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- 2024/11/16
Gibson Memphis / 1961 ES-330 Figured
ギブソンESシリーズの中でも、シンライン&フル・ホロー構造ならではのサウンドと取り回しの良さで人気のES-330。今週は、スペシャル・ラン最新モデルである飴色のフィギュアード・メイプル・トップにビグスビーを搭載したゴージャスなモデル、1961 ES-330 Figuredをご紹介します。
使用アンプ:マーシャルJVM410H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable
ES-335とは異なり、内部にセンターブロックを持たないフル・ホロー・ボディのES-330。そのため生音が非常に大きく、アンプに通しても甘く太い音を楽しむことができます。一方で、豊かな生鳴りを持つフル・アコースティックのギターとしては薄型でコンパクトなボディを持っているため、大変に取り回しが良く、扱いやすい点も人気の秘密です。こうしたことから、古くはジャズ・ギタリストのグラント・グリーン、2000年代以降は現代ジャズ・ファンクの雄、ニュー・マスターサウンズのエディ・ロバーツ、そして近年では斉藤和義氏を筆頭に音にこだわるギター/ボーカルにも愛用されています。
ES-330のデビューは1959年のこと。当時のモデルはサンバーストとチェリーの2色が主流で、ナチュラル・フィニッシュのギターは極端に生産数が少なく、レアなモデルとなっています。今回の2016年限定のES-330は、このレアなナチュラル・フィニッシュのES-330をベースに、とてもゴージャスな仕様となっています。まず目を引くのは、経年変化で飴色になったかのようなダーク・ナチュラル・フィニッシュと、ボディ・トップに浮かび上がるフィギュアード・メイプルの杢です。実際、これほど見事なフィギュアードで、しかもナチュラル・フィニッシュという個体というのは、ビンテージでもほとんど存在しないはずです。さらに本器は、ビグスビーB-7を搭載して圧倒的な存在感を醸し出しています。
サウンドに関わる部分は、フロントにアルニコⅢ、リアにアルニコⅡマグネットを用いたMHS“Dogear”P-90(Dogearとは犬の耳のような形をしていることから付けられた通称)が、太く艶のある音を生み出します。鳴りに関する部分も、ネック・ジョイントにハイドグルーを用い、チューブレス・トラスロッドを採用、さらにクォーターソーンのアディロンダック・スプルース材によるブレイシングをハイドグルー接着しており、こだわりが感じられる仕様となっています。
前述の通り、本器はフル・ホロー構造の軽量なギターです。そこにビグスビーを搭載することで、とても良いボディ・バランスになっています。これはまた、サウンドについても変化が見られるようです。そもそもスウィート&ファットな音が特長のフル・ホローのES-330に、明るくクッキリとしたハイの成分が加わり、“音が立つ”ような印象になっています。
その持ち味は甘くジャジィなフロントと、チャキチャキとしたカッティング向きのセンター・ポジションの音で、ビンテージの個体にはリアが弱いものも散見されますが、本器はリアもしっかり使えます。軽く歪ませてやれば、ブルージィなプレイにも最適です。ネック・プロファイルには1961年の細めのものを採用し、しかも指板のエッジはロールド・バインディング処理が施されていますから、スッと手に馴染み、実に快適に演奏できます。
ゴージャスなルックス、ビンテージ以上に使い出のあるサウンド、そして誰にでもオススメできるプレイアビリティの高さ。ES-330に興味があるギタリスト、ギター/ボーカルの方は、ぜひ一度本器を試してみてください。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは8月26日(金)を予定。
価格:¥610,000 (税別)