AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Gibson Custom Shop / Standard Historic 1958 Les Paul Reissue HUDSON BURST VOS
著名なギタリストの愛器として知られる、80年代の3ピース・メイプル・トップのレス・ポール。中古市場でも人気が高く、見かけることが少なくなってきたモデルです。今回、日本のディーラーからのオーダーによるスペシャルランとして、スタンダード・ヒストリック1958レス・ポールに3ピース・メイプル・トップを採用、ダブル・ブラックのオープン・ハムバッカー搭載というこだわりのモデルが完成しました。本器の魅力を動画中心にお届けします。
使用アンプ:マーシャルJVM410H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable
ヘヴィ・メタルの嵐が吹き荒れた1980年代は、ギタリスト達がそのテクニックを競い合っていた時代でもあります。そんな中、テクニック競争とは無縁の粘りのあるブルージィなプレイで、シーンを一変させたギタリストがいました。彼がライブで手にしていたのが、3ピース・メイプル・トップのレス・ポールです。その影響もあって、80年代の3ピース・トップ・モデルは今なお人気の高いモデルだったりします。しかし、同器はすでに生産終了しており、熱心なファンにとっても入手しづらい状況が続いていました。こうした状況を受けて、今回、日本のキー・ディーラーがStandard Historic 1958 Les Paul Reissueをベースに3ピース・メイプル・トップとするスペシャル・モデルをオーダー、それにギブソン・カスタムが応えたのです!
ピックアップにはオープン・スタイルのダブル・ブラックを採用し、さらにブリッジにはナッシュビル・チューン“オー”マティックを、ジャック・プレートにはメタル・タイプを、ノブにはアンバー・トップハットを採用するというこだわりようです。そして決め手となるフィニッシュは、“ハドソン・バースト”! この雰囲気のあるカラーリング、そしてあのギター・ヒーローのファンならニヤリとすること必定のフィニッシュ・ネーミングがまた最高です。
しかし、本当に凄いのはここから。本器は、80年代モデルのリイシューではありません。あくまでもStandard Historic 1958 Les Paul Reissue、つまりヒストリック・コレクション・シリーズで最高の完成度を誇った2014年の仕様を踏襲しているということです。チューブレス・トラスロッド、ロング・スタッド&ロング・アンカーを採用し、ネックや指板の接着にハイドグルーを使用することで、かつての3ピース・メイプル・トップを凌ぐ鳴りを実現しているのです。
本器を手にした最初の感想は、「1958にしては太さがほどほどで、握りやすいグリップだな」というもの。それもそのはず、本器はあえて80年代のリイシューのネック・プロファイルを採用しているのだとか。しかし、そのネックの中に仕込まれているトラスロッドはチューブレス・タイプで、ネックの振動が心地良く手に伝わってきます。そういう意味でもこれは、これまでにない唯一無二の素晴らしいモデルに仕上がっていると言えます。
そのサウンドについては動画で確認していただきたいのですが、音の太さや艶、伸び、どれをとってもStandard Historic 1958に相応しい、上質なレス・ポール・サウンドです。動画の2分30秒過ぎからは、グッとドライブさせ歪みの粒の粗いサウンドでチェックしてみましたが、その場合でも決して下品にならない印象があり、とても扱いやすい1本でした。
本器には、VOSとLightly Agedの2バリエーションがあります。醸し出す雰囲気は異なりますが、どちらも過去に例のない最高レベルの3ピース・メイプル・トップ・レス・ポールだと言っていいでしょう。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは8月19日(金)を予定。
価格:¥712,000 (税別)