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- 2024/11/16
Gibson Custom Shop / Tak Matsumoto 1959 Les Paul Aged/Signed
Tak Matsumotoファン垂涎の1本であり、人気のあまり発売後即入手困難となっているモデル、Gibson Custom Shop Tak Matsumoto 1959 Les Paul Aged/Signed! 今週の週刊ギブソンでは、本人所有の1959年製レス・ポールを完全再現した、早くも伝説のギターとなりつつあるTak氏のサインが入る威風堂々たる30本限定モデルを、動画を交えてご紹介します。
使用アンプ:マーシャルJVM410H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソンInstrument Cable
日頃からGibson Customの自身のシグネチャー・モデルを愛用するTak氏ですが、ビンテージ・サウンドが必要な“ここぞ”という場面で登場する伝家の宝刀のようなレス・ポールも所有されています。それが、オリジナル59バースト、シリアル・ナンバー“9-1156”の個体です。例えば、B’zのアルバム『The 7th Blues』やソロ・アルバム『華』の他、最新ソロ・アルバム『enigma』に収録する「Mystic Journey」のメイン・パートでも使用されています。また、1996年の『Rock'n Roll Standard Club』ではツアーでも使われたことを覚えているファンも多いのではないでしょうか。
数々の名演を生んだ1993年より本人が所有する “9-1156”を、今回Gibson Custom Shopが完璧に再現しました。ベースとなるモデルは、同ディヴィジョンのフラッグシップであり、究極のビンテージ・レプリカであるTrue Historicです。それをもとに、実器の3Dスキャン・デジタル・データを解析し、オリジナルと同じネック・グリップやボディに付いた傷のひとつひとつまで再現することに成功しました。プロトタイプを手にしたTak氏は「ビンテージな風格を持ちながら、今の楽器としての完成度が非常に高い。正直なところ、ネックはビンテージのもの以上に気にいっています」とコメントしています。ライブ、レコーディングでも活躍し、現在はすでにメイン・ギターの1本として多用しています。
今回発売されたモデルには、本人が実器を確認しながらサインとシリアル・ナンバーを入れた30本限定のモデル、Tak Matsumoto 1959 Les Paul Aged/Signedと、それと同様のエイジド処理がなされたTak Matsumoto 1959 Les Paul Aged(リミテッド・ラン)がラインナップされています。
貴重な本器を実際に弾いて気づいたことは、まずネック・グリップの心地良さです。筆者はHistoric Collection、True Historic、Historic Selectなど多くの1959モデルを弾いた経験がありますが、このモデル(そしてオリジナルの9-1156)のグリップは、ほんの心持ち細いのではないかと感じました。細いと言ってもいわゆるナロー・ネックのように極端に細いわけではなく、極わずかにそう感じさせる個体差程度の、厚みを含めたグリップの削り具合の妙なのだと思います。本人がビンテージ以上に気に入っているというこのグリップを体感するためだけでも、楽器店に足を運ぶ価値があると思います。このグリップはもちろんAged/Signed、Aged共通になります。
次に気づいた点は、9-1156は単なるコレクションではなく、アーティストが実際に使う楽器だという点です。例えば、ストラップ・ピンは遠慮なくロック式のものに交換されていますし、シュリンクしやすいオリジナル・ペグのボタンはその部分のみ交換されています。オリジナル・バーストをコレクションとして扱うコレクターは、こうした交換はまずしません。これらはTak氏が9-1156を楽器として扱っている証であり、本器はそうした仕様も再現されています。
サウンドについては、文句のつけようがない、最高峰のバースト・サウンドだと言えます。バースト・オーナーが“ダブル・トーン”と呼ぶ独特の倍音の乗り方、管楽器のようなサステインがよく表れています。最終的にTak Matsumotoのサウンドを形成しているのは本人の極上のタッチに加え、ギター以外の周辺機器も重要な要素となっていますが、それらの核となる「最高のレス・ポール・サウンド」を本器が持っていることは間違いありません。本器はファン垂涎の1本にして、迷っている暇はないプレミアムなギターです。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは8月12日(金)を予定(7月29日、8月5日は休載となります)。
価格:オープン