使用アンプ：マーシャルJVM410H（ヘッド）＋1960AV（キャビネット）
使用シールド：ギブソンInstrument Cable

かつてないロックなルックスとサウンド──SGスペシャル2016 T

　SG Specialは、1961年にP-90を2基搭載した仕様でデビューしています。以後、時代の変遷とともに仕様変更が行なわれていますが、2016年のSG Specialはミニ・ハムバッカーを2基搭載しているのが最大の特徴です。他のGibson USA 2016モデルと同様、2016年モデルにはオートチューニング機能G-Forceなど先進機能を満載した“HP”モデルと、伝統的な仕様に徹底し価格を抑えた“T”モデルの2種類が用意されています。今回紹介するSG Special 2016 Tは、ノーマル・タイプのチューナー、伝統的なナット幅、そしてSGらしいマホガニー・ボディ＆ネック、ローズウッド指板という仕様を持ったモデルです。まさしくソリッド・ギターの王道、非常に扱いやすいギターに仕上げられています。

トラディショナルなグリーン・キー

ミニ・ハムバッカーを搭載

ネック・ジョイント部

　特徴となるのは、やはりミニ・ハムバッカー。パワフルでありながら、歪ませても明瞭な輪郭を失わないサウンドはロックに持ってこいです。そしてミニ・ハムバッカーを搭載することで、ギターの“顔つき”が変わる点にも注目してください。通常のハムバッカーを搭載した以前のSG Specialと比べると、ぐっと精悍さが増したことがわかるはずです。SG Special 2016 Tは、サテン・チェリー、サテン・エボニー、サテン・ビンテージ・サンバーストの3色展開でどれも魅力的です。かつてないほどロックなルックスに仕上がったSG Specialですが、もちろんサウンドも強力にロックしています！

ハイゲインでも輪郭を失わないミニ・ハムバッカー・サウンド

　今回の動画では、SG Special 2016 Tの魅力を伝えるためにあえて歪みを深くしています。このサウンドでパワー・コードを弾くと分厚い音の壁ができますが、決してブーミーにならず、輪郭を失っていないことがわかると思います。コード進行的にはダークな感じですが、このサウンドで弾く“爽快感”は他モデルでは得難いものがあり、それはやはりマホガニーを中心とした材とミニハムのマッチングの良さがなせるわざでしょう。途中、クリーン・サウンドでコードを弾く場面では、“カシャカシャ”といったアタック音が心地良く響きます。こうして弾いてみると、トニー・アイオミやピート・タウンゼンドのようなプレイヤー達がなぜSGを愛したのか、わかるような気がします。

　これだけのサウンドとワン＆オンリーなルックスを持ちながら、実勢販売価格が8万円前後（！）というコストパフォーマンスの高さは本当に驚異的です。レス・ポール・ユーザーのセカンド・ギターにはもちろん、まだギブソンを手にしたことがない若いプレイヤーの最初の1本としても強くオススメしたいモデルです！

※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは6月10日（金）を予定。