AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
BOSS / CE-1 Chorus Ensemble
今や高嶺の花のビンテージ・エフェクターの数々を紹介する本連載。今回取り上げるのは、日本が世界に誇るエフェクター・ブランドのボスが、初めて世に送り出したペダルであるCE-1だ。JC-120のエフェクト部を抜き出したこのモデルは世界初のコーラス・エフェクターとしても知られ、その美しい空間効果で多くのギタリストを魅了し続けている。試奏者に鈴木茂を招き、長年愛用したという本機のサウンドをチェックしてもらった。
ビブラート・モードを深めにかけるとレスリー・スピーカーの音色に似せられるんです。
これは実機を持ってます。最初に知ったのは、井上堯之さんが“コーラスを使うと部屋の変なところから音が聴こえてくるんだよ”って教えてくれたことだったかな。その数ヵ月後に実際に弾く機会があって、びっくりしましたよね。僕はコーラスができる前からレコーディングの時に、1回弾いたフレーズにまったく同じ演奏を重ねて、合唱効果を作っていたんです。それを機械で、同じようなことができるので衝撃的でした。それからしばらくは、仕事のレコーディングでもこれを使ってましたね。クリーンな音でアルペジオを弾く時に使うケースが多いです。この機械はコーラスも良いけど、ビブラート・モードを深めにかけて、レスリー・スピーカーの速い回転の音色に似せる使い方もする。その時はアンプの音量を大きくして、歪ませてメロディを弾いたりね。あと、通しただけでハイが削れて甘い音になるから、音色を補正するプリアンプとして使うこともできる。最近はいろいろなコーラスがありますけど、今でもこれはいい機械だと思います。
数々の名手、名録音に使用された、世界初のコーラス・エフェクター
『ギター・マガジン2016年6月号』に掲載中の本連載「ビンテージ・エフェクター・カフェ」に、鈴木茂が弾いたBossのCE-1の詳細な解説と内部写真、その分析が掲載されています。日本が世界に誇るエフェクター・ブランドの最初期ペダルはどのような歴史を持っているのか。そして、どのような回路やパーツで構成されているのか。是非ご覧ください。
日本を代表するギタリストでスライド・ギターの第一人者、鈴木茂の自伝。ベンチャーズに憧れてギターを弾き始め、はっぴいえんどでプロ・デビュー。以後、キャラメル・ママ~ティン・パン・アレーで多くのアーティストをサポート、ソロ活動では永遠の名盤『BAND WAGON』を産み落とし、セッション・ミュージシャンとしても数々のレコードに名演を残している。半ば伝説化された存在で、若い世代からのリスペクトも年々高まっている鈴木の幼少期からの音楽体験やはっぴいえんど秘話、そして現在に至るまでの半生を掘り下げた初のドキュメントだ。