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- 2024/11/16
Eventide / H9 Max
空間系、モジュレーション・エフェクトの雄、Eventide社の「全部入り」ペダル、H9 Harmonizerを皆さんは御存知でしょうか? 結論から言いましょう。このペダルはステージ上でダイナミクス系以外に関する音作りの悩みをすべて解消してくれます。「何が出来るの?」と問われれば「何でも出来ます」と答えるしかないペダルです。「地上最強の空間系ペダルここに誕生」というキャッチ・コピーとともにリリースされたH9シリーズの特長を、最上位機種H9 Maxを中心にご紹介したいと思います。
1. 定番ペダルの音が全部入り+α
Harmonizerと聞くとパッとイメージしづらい方もいるかもしれませんが、TimeFactor、ModFactor、PitchFactor、Spaceという名機のアルゴリズムがまるっと使えてしまうペダルと説明すれば、その恐ろしさが伝わるのではないでしょうか。さらにH9オリジナルのアルゴリズムとして歪みやEQ、コンプ等も収録されており、本当にこれ1台でギターに必要なエフェクトすべてが賄えると言っても過言ではありません。
2. リモート操作でストレスのないエディット
1のスペックだけで十分に驚異的なのですが、多くの機能がコンパクト・ペダルに実装されているということはそのインターフェイスのデザインも極めて重要になってきます。もちろん本体だけで操作を完結出来るのですが、PC、Mac、iOS上のアプリ(H9 Control)からもH9のすべての機能にアクセス可能なのです。しかも無線(Bluetooth)で。特に何か難しい操作やコマンドを覚える必要はありません。
3. 王道から飛び道具まで対応可能な空間系
ギターの空間系エフェクターと言うとド派手なかかり方で非日常感、幻想感を演出するものを想像しますが、レコーディングの現場で使う空間系はどちらかというとリアル・ワールドの響きを美しく再現する、いわば薄味なものが重宝される傾向があります。H9の音をひととおり聴いてみた感想は、そのいずれにも非常に高いレベルで対応してくれるという驚きでした。露骨なS/Nの劣化も無く、動画レビュー中はMac上で音色をエディットしていたこともあり「あれ、今使ってるのってプラグインだったっけ?」と錯覚することもしばしば。行儀の良い音もドギツい空間もペダル1つで好きなように演出出来るのはいいですね。
4. 用途に応じた商品ラインナップ
試奏機のH9 Maxを使い終えて思ったのが「これはあと何台か欲しい」でした。あまりにも多くの使えるアルゴリズムが入っているので、同時にいくつも使いたくなるのはとても自然なことだと思います。そしてH9にはそれに応えるための商品ラインナップがあります。
H9 MAX:最初からすべてのアルゴリズムが入っていて、さらに今後追加されるアルゴリズムがすべて無償アップデート可能なモデル
H9:人気アルゴリズムを厳選して収録してあり、その他必要なアルゴリズムは別途追加購入可能なモデル
H9 Core:必要最低限のプリセットしか入っていない分、価格の抑えられた2台目以降向けのモデル
この上に「上記3機種の本体スペックはすべて同一」「既に購入済みのアルゴリズムは最大5台のH9でシェアして使える」という事実が積み重なるのです。こうしたユーザーへの気遣いもまた、Eventideが評価される一因なのかもしれません。
簡単にH9 Harmonizerをご紹介しましたが、その末恐ろしさが何となく伝わりましたでしょうか? 動画レビュー内の音もぜひお聴きいただきたいと思いますが、ぜひ皆さん自身でH9に触れていただきその威力を体感していただければと思います。
動画に収録しているH9 MAXを使用したデモンストレーション曲のフル・バージョンが試聴できます。高音質でのダウンロードも可能です。ダウンロードはこちらから!
リットーミュージック刊『ギター・マガジン2016年5月号』の連載「The Deep and Deep」では、DEAD ENDのYOU氏を試奏者に迎え、本稿とはまた違った角度でH9 Maxの機能、魅力を徹底的に分析・解説しています。H9を愛用するYOU氏おすすめのアルゴリズムやセッティング、お馴染みDr.Dによるブランド/機材解説など読み応え十分。ぜひこちらもチェックしてみてください。
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Godspeed/青木征洋(ゴッドスピード/あおき・まさひろ)
東京大学工学部卒。2005年にギターインストの流布を目的とした「G5 Project」を開始。4thアルバム「G5 2013」ではオリコンCDアルバムデイリーチャート8位にランクイン。2008年にカプコンに入社し、戦国BASARAシリーズ音楽制作を担当。2014年に同社を退社した後は自身の音楽レーベルViViXとしての活動を本格化させる一方で、ストリートファイターVの作曲を担当する等、ゲームコンポーザーとしてもグローバルに存在をアピールしている。2016年4月に新世代のギター・インスト・プロジェクト「G.O.D.」としてリリースするアルバム「G.O.D.111」の収録曲がKONAMIの音楽ゲームGITADORA Tri-Boostに収録されるなど、音楽ゲームにも活動の場を広げている。
ViViX Webサイト