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- 2024/11/16
PARK / Fuzz Sound
マニア垂涎のビンテージ・エフェクターを毎月紹介する本連載。第2回に取り上げるのは、Tone Bender MK3のOEM製品であるパークのFuzz Soundだ。内部はTone Bender MK3そのままで、流通量の少なさから希少価値の高いモデルとして知られる。試奏者に初回と同じく名越由貴夫(Co/SS/gZ)を招き、伝説のサウンドをチェックしてもらった。
OEM製品として少量のみ流通した異形のTone Bender MK3。
1965年から1982年まで存在したマーシャルの下部ブランド、パーク。そのパークが1960年代後半から1970年代中頃にかけて発売していた希少なファズ・ペダルがこのFuzz Soundだ。しかし、その設計、製造を行なったのはパーク、さらには親会社であるマーシャルでもなく、Tone Benderやカラーサウンド製品の製造で有名なイギリスのソーラサウンドで、Fuzz Soundの内部はソーラサウンドが作ったTone Bender MK3そのものであった。Tone Bender MK3は、現在では“MK1”と呼ばれている最初のTone Bender、過渡期の仕様であった通称“MK1.5”、そして名機と名高い“MK2”を経て1968年頃に発売された。それまでのTone Benderの回路とは大きく異なり、過去最大のゲイン、シリーズ初となるトーン・コントロールを備えており、真っ当な進化を遂げたTone Benderであった。それ以前のTone Benderは、すべてイギリスの電気技師であったゲイリー・ハーストによって設計されたものだが、このMK3の場合は設計者が異なる。しかしながら、その人物は明らかになっていない。
当時、Tone Bender MK3のほとんどはソーラサウンドの自社ブランドであるカラーサウンドの名を冠して流通していたが、ソーラサウンドはかねてからTone BenderのOEM生産も請け負っており、ヴォックス、ロトサウンド、カールズブロなど、いくつかのブランドと契約を交わし、姿形を変えたTone Bender MK3を他ブランドへ出荷していた。ここで紹介するパークのFuzz Soundもそのうちのひとつである。パークは1960年代から数種のエフェクターやアンプをラインナップしていたが、どれも製造、販売ともに規模が大きくなく、このFuzz Soundも貴重なコレクターズ・アイテムとして世界的に知られている。
"ギター側のボリュームを絞ればバッキング、
フルにすればリードを弾くことができる。"
『ギター・マガジン2016年4月号』に掲載中の本連載「ビンテージ・エフェクター・カフェ」に、名越由貴夫のコメント全文、さらにFuzz Soundの内部写真とその分析が掲載されています。ファズを愛する手練は本機をどう評したのか。当時のエフェクターはどのような回路やパーツで構成されているのか。是非ご覧ください。
価格:オープン