AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
プロ・ベーシストのエフェクター・ボードをフィーチャーしていくベース・マガジンの人気連載「お宅のエフェクト・ボード拝見!」。ここでは同連載の2016年2月号に連動し、当該アーティストが使用する、デジマート上でも購入できるエフェクト類を厳選して紹介していく。今回は、ポップなメロディとヘヴィ&ラウドロックを融合したサウンドが評判を呼び、海外でも大きな評価を得ているギルガメッシュのベーシスト、愁のボードを紹介しよう。
ボード内下段はNoah'sarkのTBSW-1(スイッチャー)。中段右端より、Pro CoのRAT(ディストーション)、IbanezのSB7(ベース・シンセ)、MXRのM80 Bass D.I.+(プリアンプ/DI)、その下はTech 21のSANSAMP BASS DRIVER DI-LB(プリアンプ/DI)。左隣のXoticのEP Booster(ブースター)はライブ中にチューニングの異なるSugiのベースへと持ち換える場合に、ベースとスイッチャーの間に接続して、アクティブのワーウィックとのパワー感の差を減らしている。さらにその左隣は、ZOOMのB3(マルチ・エフェクター)。その上は右がHonda Sound WorksのSpice(トーン・アジャスト・ボックス)、左がCommuneのBASS DRIVER DI MOD “WIREPULLER”(プリアンプ/DI)。右上はKORGのDT-10(チューナー)、Noah’sarkのAC/DC-1(パワーサプライ)。
※各ペダルをどう使っているかは、ベース・マガジン2016年2月号で本人が詳しく解説しているので、そちらもチェックしてほしい。
5つのループとミュート・スイッチ、そして信号の劣化を防ぐ高音質のバッファー回路を内蔵。チューナー・アウト端子も装備している。現在は後継機種として、よりシンプルな4ループのTBSW(税別23,000円)が発売中。また上位機種として、バッファー/ノン・バッファーの選択が可能な5ループにMIDIアウト端子も備えたPTBS(税抜52,000円)などがラインナップされている。
※生産完了品
1978年に登場し、徐々に進化しつつ量産体制を整えていったRAT。太く深い歪みが得られ、ジェフ・ベックの使用によってその知名度が一気に高まったことでも知られている。1988年に登場したRAT2、続いて1989年に登場したターボRATは現在も生産されているスタンダード・モデルだが(他にも数機種がラインナップ)、RATは1988年に生産終了。RAT2にも継承される特徴として、1981年のマイナーチェンジにて“TONE”コントロールを“FILTER”に変更したことが挙げられる。これに伴い、時計回りに回すと高音域がカットされるという通常とは逆の設定になった。
※生産完了品
AUTO WAH、SYNTH1(パルス波にローパス・フィルターをかけたシンセ・サウンド)、SYNTH2(パルス波にバンドパス・フィルターをかけたシンセ・サウンド)という3つのモードを持つ。入力信号そのものを加工する方式のため、レイテンシーやトラッキング・ミスなどの問題は発生しない。また、単音だけでなくコードにも対応。コントロールは、ピッキングの強弱によるフィルターの反応の強さを調整する“SENS”、ローパス・フィルターの周波数を調整する“FILTER FREQUENCY”、フィルターのピークの強さを設定する“FILTER RESONANCE”、エフェクト・オン時の音量を調節する“LEVEL”。そして、フィルターの周波数が下がってくる時間をSLOW/FASTから選択する“DECAY”スイッチも増備。
※生産完了品
クリーン/ディストーションの2モードを持ち、ディストーションは原音をミックスするBLENDコントロールの装備により自然な歪みを実現。BASS/MID/TREBLEの3バンド・イコライザーを備え、クリーン・モードにはプリセットしたイコライザーのセッティングで出力されるCOLORスイッチを装備。また、ディストーション・モードにはノイズ・ゲートも装備している。Phantom/GroundスイッチとXLR出力端子を備えているため、ダイレクト・ボックスとしても重宝。
定価:27,000円
オフィシャルHP:モリダイラ楽器
1992年に登場し、20年以上にわたりロングセラーを続けるSANSAMP BASS DRIVER DIの多弦ベース対応モデル。2015年に日本限定で登場。5弦のルート音を深く歪ませても、芯の太さを失わないよう設計されている。また、より力強い重低音を押し出せるよう、ゲインの可変域もアップ。もちろん、ライン録音のためのアンプ・シミュレーターとして、またダイレクト・ボックスとしても活躍する。
定価:27,000円
オフィシャルHP:オールアクセス
ディストーション/コンプレッサー/モジュレーション/ディレイ/リバーブなど99種類のエフェクトに加え、12種類のベース・アンプ/キャビネット・モデルも搭載。最大3種類のエフェクトが同時使用でき、接続順も自由に設定可能となっている。そしてユーザー・パッチは100種類がメモリー可能。さらに、40秒までの演奏をCDクオリティで重ねて録音できるルーパー機能や、ルーパー機能との同時使用も可能な40種類のリズム・パターンも内蔵している。また、多弦ベースやドロップ・チューニングにも対応するクロマチック・チューナーを装備。入出力端子もクラスを超えた充実度を誇る。
定価:22,000円
オフィシャルHP:ズーム
モビーディックが手掛けるブランドCommuneによる、SANSAMP BASS DRIVER DI(Tech 21)のモディファイ品。BLENDノブをDRIVE LEVELに変更、そしてCLEAN LEVELを追加することで、ドライ音とエフェクト音のバランスをオリジナルのBLENDノブではなく、2つのノブで独立して行う仕様に変更されている。これにより、歪みを上げても低音が減ったり音が細くなるということはない。また、XLRアウトプットと同様、アンプにもウェット音を送りたい場合、本機の構造上ゲインが大き過ぎることもあるため、アウトプット・レベルを下げられるようOUT VOL が増設されている。
※生産完了品
本田博之が主宰するブランド、ホンダ・サウンド・ワークス(現在エフェクターの製作はほぼ行っていない)。優れた音質を誇る機材の数々は、多くのプロ・ミュージシャンが愛用しているが、その中でも本機は人気の高いモデルのひとつ。内部はワイヤー2本のみという、驚くほどシンプルな構造。現在では入手困難なウエスタン・エレクトリック社のビンテージ・ワイヤーを使用しており、アンプの直前に接続することで、使用エフェクターの個数に関わらず、ギター・サウンドをマイルドにしてくれる。
※生産完了品
名機「エコープレックス」のような温かくコシのあるプリアンプ・サウンドを実現するブースター。エコープレックスはテープ・エコーの名機だが、音が太くなる、音が締まるといった理由から、プリアンプとして愛用するギタリストもいまだに多い。本機は、そのエコープレックスのような深みのある音色を手軽に得ることができる。高品質なパーツを使用し、耐久性も充分。小型かつスリムなため、エフェクト・ボード内にもすっきり収まる。また、内部のディップ・スイッチにより、EQ特性も変更可能だ。9~18Vの外部電源も使用可能で、余裕のあるヘッドルームを持つため、あらゆる楽器に対応する。
定価:19,000円
オフィシャルHP:プロサウンドコミュニケーションズジャパン
10年以上に渡ってロング・セラーを続ける定番モデル。基準ピッチと入力音のズレを示すLED式メーターは、素早い反応と正確な動作で定評がある。また、暗いステージ上でも高い視認性を誇る。重厚感のある強靱なボディで、設置時の安定感も抜群だ。機能面では、半音下げから最大7半音下げまでの測定が可能なフラット・チューニング・モードを装備。さまざまなピッチに対応するキャリブレーション機能も搭載している。さらに、入力音を常に出力するバイパス端子と、曲間でのチューニングなどに便利なミュートができるアウトプット端子の2系統を装備。さまざまなセッティングに対応可能だ。
定価:オープン
オフィシャルHP:コルグ
センターマイナス9V端子を8個、12V端子を3個装備したパワーサプライ。DC出力はトップ面にあるスイッチでON/OFF可能で、出力する電圧・電流を常に一定に保つレギュレート機能により、安定した電源を供給する。最大合計1Aを誇る大容量の高級トランスを使用しているので、エフェクターを多数使う場合でも安心だ。さらに、楽器用アダプターを横並びに接続できるよう間隔を空けて設置されたコンセントや、コードを整頓しやすいようシャーシ上部にレイアウトされたDC端子など、プレイヤーにとって嬉しいこだわりも多数。奥行きは60mmで、スチール製の頑丈なシャーシを採用しているため、ライブ使用時の安定性にも優れている。
定価:14,800円
オフィシャルHP:ノアズアーク
リットーミュージック刊『ベース・マガジン2016年3月号』の連載「お宅のエフェクト・ボード拝見!」では、中尾憲太郎のエフェクト・ボードが紹介されています! 機材の紹介はもちろん、セッティング・パターンやアーティスト本人のコメントを交えた解説も掲載されているので、是非チェックしてみて下さい。さらに、本号の表紙は休日課長(ゲスの極み乙女。)。2015年9月時点での彼のペダルボードは「休日課長のエフェクト・ボード拝見」をご覧あれ!
愁
1984年生まれ、千葉県出身。2004年に弐(g)とともにギルガメッシュを結成。その後yo(d)と左迅(vo)が合流し、本格的な活動を始める。