プロ・ギタリストのエフェクター・ボードをフィーチャーしていくギター・マガジンの人気連載「プロのペダルボー道」。ここでは同連載の最新号に連動し、当該アーティストが使用する、デジマート上でも購入できるエフェクト類を厳選して紹介していく。今回はJiLL-Decoy association（通称ジルデコ）での活動のほか、大橋トリオのライブ・サポートなどでも活躍するkubotaのボードを紹介しよう。
シンプルにまとめられたkubotaのボード。ギターからまずはボード外右のBOSS FV-500（ボリューム・ペダル）、ボード右端からK&T MODERN VINTAGE GUITARSモディファイのワウ・ペダル、D.A-projectのD.A-Booster Green（ブースター）、FulltoneのFULL-DRIVE 2（オーバードライブ）、同Supa-Treｍ（トレモロ）、EventideのTIME FACTOR（ディレイ）を通ってアンプへ。右上はCustom Audio JapanのPBHUB6-C（パワー・サプライ）。チューナーはクリップ式を使用しているのでボードにはない。
そのほかによく使うエフェクターたち。右上からLINE 6のDL4（ディレイ）、Electro-HarmonixのMICRO Q-TRON（エンベロープ・コントロールド・フィルター）、ギターを教えている学生が作ってくれたというハンドメイドのリバーブ、右下からFulltoneのFat-Boost（ブースター）、IbanezのTS9DX（オーバードライブ、モディファイ仕様）、ジルデコのファンが作ってくれたというハンドメイドのオーバードライブ、Ruza EffectsのDanky Drive Plus（オーバードライブ）、同Checkmate（オーバードライブ）。
アルミ・ダイキャスト製のボディが特徴的なBOSSのボリューム・ペダル。入出力はインプット・ジャック×2、アウトプット・ジャック×2に加えてエクスプレッション・ジャック×1、チューナー・アウト・ジャック×1となっており、エクスプレッション・ペダル機能やチューナー・アウトも装備されている。
価格：オープン
オフィシャルHP
エフェクター製作家、城竜矢が主宰するエフェクター・ブランドのブースター。ナチュラルなブースト効果とハイ・レスポンスを追求したクリーン・ブースター的コンセプトの製品で、kubotaのようなジャズ系ギタリストも好んで使用している。なお、本製品には「Blue」と「Green」の2種が用意されており、前者はトゥルーバイパス仕様、後者はバッファードバイパス仕様となる。電源はともに9VのACアダプターに対応。
価格：14,500円（税込）
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写真：ドクターMusic
フルトーンの看板商品と言える名作オーバードライブ。ミッドが強調される「Vintage」モードと、コンプ感を抑えてブースト効果を強める「Comp Cut」の2モードに加え、クリッピング・モードも「Mosfet」と「Standard」を搭載するなど、さまざまなトーンをフォローした広い守備範囲が魅力の1機。なお、kubotaの所有機は同機の10周年記念モデルとなっており現在は廃番だが、「FULL-DRIVE2 MOSFET」自体は現在もフルトーンのレギュラー・ラインナップに組み込まれ続けている（仕様は若干異なる）。
※生産終了品
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クリアで良質なトーンが得られることで高い人気を誇るフルトーンのトレモロ。心臓部にJFETアンプを使用したアナログ構造で、その暖かみと芯のあるサウンドからクリーン・ブースター的用途として愛用するギタリストも多い。現行の同製品ではこの特徴を生かしてブースト・ゲインを最大15dBに拡張し、ブースターとしての完成度も高められている。また、現在はこのSupa-Tremの回路をふたつコンパイルしたステレオ仕様のSupa-Trem2もリリースされている。
価格：オープン
オフィシャルHP
Digital Delay 、Vintage Delay、Tape Echo、Mod Delay、Ducked Delay、Band Delay、Filter Pong、MultiTap、Reverse、計9種のモードを搭載したマルチ・ディレイ。効果は多くのプロ・ギタリストからの支持も得ている同社らしい高品位なもので、最大12秒のループ機能も併載。豊富なプリセット領域やPCやタブレットと連動できる拡充性も魅力的な製品だ。
価格：オープン
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写真：MARUKA楽器
CAJの超小型パワー・サプライ。特殊フィルター回路により、スイッチング電源のライン･ノイズを低減させており、基本性能は高い。軽量かつコンパクトな設計なのでエフェクト・ボードに組み込みやすいのも魅力だ。
価格：オープン
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「グリーン・ボックス」の愛称でも知られるLINE 6の名作ディレイ。16種に及ぶ豊富なデジタル・ディレイと詳細な設定機能（コントロール：エフェクト・セレクター、ディレイ・タイム、リピート、Tweak、Tweez、ミックス）を有しており、幅広いアプローチが可能。単2電池×4でも駆動する使い勝手の良さも魅力的だ。
価格：オープン
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エレハモのエンベロープ・コントロールド・フィルター、Q-TRONをコンパクトにリサイズした製品。コントロールは3タイプのフィルター(High Pass／Band Pass／Low Pass）とドライブ、それにフィルターのピーク周波数を調整するQの3つを搭載しており、小型な筐体ながら多彩な音作りが可能だ。
価格：16,500円（税抜）
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写真：ファビュラスギターズ
フルトーンのクリーン・ブースター。ディスクリート回路の採用により最大30dBのクリーン・ブーストが行なえ、コントロールはVolume、Tone、Input Gainを搭載。現在はアップデート版であるFB-3が現行リリースされており、こちらは最大35dBまでのクリーン・ブーストが可能なほか、2バンドEQも搭載されている。
※生産終了品
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アイバニーズのチューブ・スクリーマー。TURBO、HOT、+（プラス）、TS9の4モードを搭載しており、さまざまな歪みの質感を演出することができる。そのほかのコントロールにはDRIVE、LEVEL、TONEを搭載し、電源は9V電池×1かACアダプター（AC509）に対応。なお、kubotaの所有機は本製品をモディファイした独自の仕様を備えている。
価格：17,500円（税抜）
オフィシャルHP
本記事はリットーミュージック刊『ギター・マガジン2016年3月号』の連載「プロのペダルボー道」の中でより詳しく紹介されています！ ここではお見せできなかった機材やセッティング・パターン、それにアーティスト本人のコメントも交えた解説も掲載されているのでぜひチェックしてみて下さい。
多くのプロ・ギタリストたちのボードを紹介してきた本連載が、これまでの軌跡をひとまとめにし、さまざまな新規コンテンツも盛り込んだムックとなって絶賛発売中！ 本書の中面では1ページ全面にボード写真が掲載されており、それぞれのボード・セッティングの細部をしっかりチェックできる。「プロのボード構築の秘訣」企画から、「プロ御用達ショップF・Sugar」「ハイ・クオリティ・システムの先駆者オカダ・インターナショナルのスペシャル・インタビュー」などボー道を志す者は必読の内容。多くの現場で培われたプロのセッティングは多くのギタリストにとって参考になるはずだ。ぜひチェックしてほしい！
著者：ギター・マガジン編集部
定価：2,160円（本体2,000円+税）
仕様：A4変型判／128ページ
発売日：2015.5.25
ISBN：9784845625987
本記事に登場しているkubotaは、デジマート・マガジンの人気連載「週刊ギブソン」にたびたび登場し、華麗なる演奏を披露してくれている。興味のある人は以下もこちらもぜひチェックしてほしい！
◎kubota（ジルデコ）が弾く！ Gibson Acoustic J-15
◎kubota（ジルデコ）が弾く！ Gibson True Historic 1959 Les Paul Aged
kubota
静岡県出身。エレクトーン、ピアノ、吹奏楽部でのクラリネットなどを経験。大学進学とともにジャズ・ギターに傾倒、卒業後ニューヨークに渡り本格的にジャズを学ぶ。帰国後、セッション・ギタリストとして活動しながら2002年にJiLL-Decoy associationを結成。クオリティの高い音楽性で多くのファンを魅了。塩田哲嗣（b）、クリヤ・マコト（k）などのジャズ・ミュージシャンのセッションから、大橋トリオ、竹仲絵里などのサポートまで、幅広いフィールドでのギターが注目されている。
