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- 2024/11/16
D/Aコンバーター(USB DAC)
今までさまざまなハイレゾ機器を紹介してきた本連載、今回は少し機材から離れてハイレゾ音源の「マスタリング」についてのお話。音源の最終的な出音に一番影響を与えるというこの作業の重要性を、マスタリング・エンジニア歴40年以上のキャリアを持つ原田光晴氏に、ハイレゾの今後とフォーマット毎のマスタリングの違いも含めて語って頂いた。
新年あけましておめでとうございます。新年と言っても、もうだいぶ過去のことに思えますが、今年もハイレゾ入門をよろしくお願い致します。昨年も目覚ましい発展を遂げ、今年も更なる進化が期待できそうなハイレゾの世界ですが、去年に増して多くの方にその魅力をお伝えできるように魅力的な記事をアップできればと思っております。2016年の1回目はハイレゾ時代のマスタリングと、D/Aコンバーター(USB DAC)の重要性をマスタリング・エンジニアとしてアナログ時代から活躍している原田光晴さんに教えて頂きました。さらに最後には注目のDACをご紹介いたします。
マスタリング・エンジニアは、よほどのオーディオ・マニアもしくは音楽&録音マニアではない方には、あまり馴染みがないかもしれません。レコーディング・エンジニアと言えば、録音をする人というイメージが湧くはずですが、マスタリングに関しては知らないという方も多いと思います。
かなり大雑把になりますが、料理に例えるとイメージしやすいかもしれません。ミュージシャンが材料を生み出す人、レコーディング・エンジニアがその材料を収穫する人、ミックス・エンジニア(※作品によっては必要がない場合もあります)が下ごしらえ+料理をする人、マスタリング・エンジニアが最終的な味付け+盛りつけをする人だと思って頂ければわかりやすいでしょうか(わかりづらい、違っているというご意見もあるかもしれませんが……)。
マスタリング・エンジニアは、ミックス(レコーディング)・エンジニアが作った音源からミュージシャンの意図を汲み(反映し)、様々な経験に基づきスパイス(EQやコンプレッサー、リミッターなど)を使い、音楽そのものを美味しく仕上げていきます。つまり、最終的な味=出音に大きな影響を及す役割があります。いくらミュージシャンやレコーディング・エンジニアが良い仕事をしても、ここでつまずいてしまうと、せっかくの味=音楽が台無しです。それほどに重要な役割を担っています。それに、盛りつける器(レコード、CD、ハイレゾ用のデータなど)によっても制約があり、それぞれに適した方法で行なう必要があるため、とても難しい仕事です。音質に直結した仕事ですし、音楽を生かすも殺すもマスタリング次第と言っても、決して言い過ぎではないほど影響力があります。
そのようなマスタリング・エンジニアを40年以上も続けているのが、今回お話を伺った原田光晴氏です。これまでに数々の名盤をマスタリングし、音質に関して並々ならぬこだわりを持つ山下達郎が絶大な信頼を寄せ、名盤『COZY』ほか多数のアルバムを手掛けたほか、竹内まりやのヒット・アルバム『Impressions』も原田氏のマスタリングです。近年では、アニメ“ラブライブ!”の曲を歌うμ'sの『μ's Best Album Best Live! Collection Ⅱ』なども手掛け、ハイレゾ音源のマスタリングも積極的に行なっています。さらに、クラムボンが製作体験をしたインイヤー・モニター“Fitear”の音決めにも深く関わっています。伊藤大介さんが選んだMH335DWの“MH”は、原田光晴氏のイニシャルから取られています。Fitearは、クラムボンだけではなく、多くのアーティストに愛用されています。
“ハイレゾ”という言葉は一般化しつつあり、機器に関しては数多く登場してきていますが、それがどのように制作されているのかという点においては、謎という方も多いかと思います。今回、原田氏にマスタリングについてお伺いすることで、その謎の一部をお伝えしましょう。
──CDとハイレゾ音源で、マスタリングの違いを感じていますか?
ハイレゾの方がマスタリングに於いてより自由で、CDはどうしても制限があると感じることがあります。音源にも、それは必ず表れていると思いますよ。特に生楽器だと、その差がよくわかります。ただ私がマスタリングをする時には、CDだから、ハイレゾだから、ということはあまり意識してはいないですね。でも例えば、マスタリングする前の素材が16bit/44.1kHzよりも、32bit/96kHzでレコーディングされていればマスタリングのやりやすさが違い、それが最終的な音質にも影響します。そういう意味では、ハイレゾに将来性を感じるんですね。
──ちなみにCDとハイレゾのマスタリングでは、大きくどのような点で違いがあると感じていますか?
ハイレゾはCD以上に音質がシビアにわかるので、レベルをあまり高くしないようにしています。それと頭出しについてですが、CDは0.2秒ぐらいでもしっかりと最初の音が鳴りますが、ハイレゾだと0.6秒以上は取らないと、試聴環境によって曲の頭が途切れて聴こえてしまったりすることがあります。そういったことは気をつけますが、それぐらいですね。考え方としてはCDのマスタリングと変わらないので、そこは同じようにマスタリングしています。
──マスタリング自体の考え方は変わらないんですね。
そうです。頂いた音源のレベルを整えるだけではなく、その素材を私のフィルターを通すことで、より良い方向へと仕上げていきます。
──よくハイレゾの話になると、人の可聴範囲(※一般的には20Hz〜20kHzと言われる)外の音も伸びているから音が良い、逆に意味がないといった話も聞かれますが、原田さんはどのように思っていますか?
それはCDの黎明期にも言われていた話なんですね。ハイレゾのように人の可聴範囲外と言われている上も下も伸びている方が、良く聴こえる傾向はあると思います。でもCDのように20kHzで音が切れたとしても、かなりの要素がそこには詰め込まれているので、ある程度は足りているんですね。今でもCDを聴きますし、マスタリングも請け負いますが、16bit/44.1kHzのCDフォーマットもよくできた規格だと思いますよ。普通に聴く分には違和感は感じないですよね。同一の音源でハイレゾとCDを切り替えて聴き比べれば違いを感じますが、ある程度の環境で聴くことができればCDの音でもそれほど不満を感じないとは思いますよ。それにCDプレーヤーは成熟しているので、アナログのプレーヤーに通じるような完成度を誇る機器もあります。
──たしかにハイレゾが浸透し始めたのはここ数年ですからね。まだ機器の成熟度という意味ではこれからなのかもしれないですね。
そうですね。でも、常に進化していると感じています。
──ハイレゾのマスタリングをする際には、20Hz〜20kHz以上の音をなるべく生かそうとはしますか?
それは音源にもよりますが、処理をする時に邪魔になったりすることもあるので、敢えて切ることもあります。その方がより音楽が生きてくるからですね。ただ中には、意図的に上も下も伸ばしている音源も散見されますが、そうすることで起こる弊害というのもあると思います。音源のデータをスペクトラム・アナライザーなどで見ると、見栄え的には良いかもしれないですけど、必ずしも音が伸びていることが良質な音とは限りません。だから数値やデータだけに惑わされないでほしいですね。
──実際にハイレゾ音源のマスタリングは、これまでのご経験からどのように感じていますか?
今は実際に32bit/96kHzなどの録音データをそのままマスタリングすることもありますが、一番感じているのはマスタリングがしやすくなったということです。マスタリングする際にも32bitに対応した機材で行ないますが、処理をする前とした後との差が出やすいんですね。例えば16bit/44.1kHzのデータと、32bit/96kHzのデータでは、32bitの方が明らかにイコライザーの効果を感じ取りやすいですね。
──ちなみにマスタリングの際には、どのようなソフトをお使いですか?
『WaveLab』(Steinberg)です。
──そうなんですね。マスタリング自体がやりやすくなったというのは、音が聴き取りやすい、もしくは感じ取りやすいということですか?
もちろん音も繊細に感じられますし、自分のイメージに近づけやすいと感じています。それが結果として、リスナーにとって魅力的な音源になっているのかもしれないですね。
──CDからハイレゾの配信へ音源が変わりつつありますが、そのような流れに対してはどのように考えていますか?
フォーマットの選択肢が広がることによって、作り手も聴き手もすごく自由になりますし、メリットがあると思っていますよ。ただデータも大きくなってくるので、作る方も聴く方もパソコンや機材に性能を求められる場合もあるのが少し大変ですよね。
──たしかに。ここ最近は、ビット/サンプリング・レートも徐々に高くなってきていますからね。ただ決して、数値が高い=音質がいい音源というわけではないですよね。
そうです。その音源がどういう風に作られているかが大きな問題になってくると思います。ただビット/サンプリング・レートが上がれば、先ほども話したように、マスタリングはしやすくなり、結果的に音質の良い音源に仕上げることができるということはありますね。それに音の伸びという点では、数値が高いほど恩恵があるとは思います。そういう意味でも、ハイレゾには可能性があると思っています。
──原田さんは、アナログ時代からマスタリングをやられて、昨年で40周年を迎えられたそうですが、CDより遡って、その時代とマスタリングを比べるといかがでしょうか?
アナログの時代はとても大変だったんですよ。レコード・プレーヤーでの再生という点に於いて制約が大きかったんですね。レコードは溝を刻んで音を記録していくので、その溝が浅過ぎたりすると針飛びの原因になるんですね。アナログ時代のマスタリングは、再生技術やセッティングを極めた人向けにするわけではなく、一般のリスナーが聴いても針飛びしない程度にレコードをカッティングしないといけないんです。だから音圧を高くし過ぎることはできないですし、低域と高域も抑える必要が出てきます。それにメッキ不良などのトラブルもあるので、必ず再カットを考えてやらなくてはいけなかったりと、アナログ特有の制限がありました。だからそういう作業に比べれば、針飛びなどの制約に向き合わなくても良いハイレゾのマスタリングは、とても自由度が高いんです。それにバランスの調整等もパソコン上ですべて完結しますし。最近では、アナログの音質に着目して再評価されていますが、現場からすれば歪みも多いしクロストークも出ますし、あまり良いことはないんですね。それに実際は帯域もハイレゾなんかに比べれば狭いんですね。それが音質とイコールではないですが、マスタリングに関してはデジタルの方が音に専念できるような環境になっていると思います。ただアナログには、デジタルにない音質特性というのがあると思います。
──これまでのお話を総合すると、音楽にとってハイレゾが一般的になることで可能性は広がりそうですね。
すごく広がっていると思います。よりミュージシャンもリスナーも満足できる音質になってきていますよね。ただ、今のリスニングの現状を考えると、MP3で満足するか、ハイレゾを楽しむかの両極端になっているようにも思えます。個人的にはすべての配信やストリームも、16bit/44.1kHz以上の音質になってほしいと思っています。
──ハイレゾが広まることは、音楽にとっては良い方向なんですね。
そう思います。ミュージシャンもエンジニアも、伝えたいことがより伝わるようになりますしね。ただ、逆に伝わりやすくなる分、それぞれの実力差みたいなものが、より感じられるようになってしまうと思います。細部まで聴き取りやすくなるので、マスタリングの差もわかってしまいますね(笑)。
──たしかに(笑)。そういう意味では、試聴環境も大きな要素ですね。やはりハイレゾではデジタル・データの再生になるので、D/Aコンバーターの性能も音質に大きく影響してきますよね?
大きく影響してくると思います。極端な例を挙げれば、D/Aに質の高い製品を使えば、たとえ16bit/44.1kHzの音源であっても、同一の音源を一般的なパソコンにイヤフォンなどを直に挿して聴くよりも、良質な音で音楽を楽しむことができます。それは、すごく良い時代になったと思いますよ。
──D/Aコンバーターは、同じビット/サンプリングレートに対応しているとしても、値段に大きな開きがあります。この差は音質に表れるでしょうか?
音の好き嫌いは別として、D/Aのチップだけではなくアナログの回路も音質に影響してきます。そういった点の違いで価格差が生まれてくるんだと思います。それに高価なD/Aは、音に品のあるものが多くなるように思います。
──原田さんはモニター用として、グレース・デザインのm920を使っていますが、これはいかがですか?
これは32bit/384kHz(PCM)と、5.6MHz(DSD)までのデータに対応していて、モニターとして使う分には特に不満はなく使いやすいと思います。音の傾向としては、クリアな方向ですね。もう少し低域に厚みがあったりするD/Aもありますが、これはモニター向けに音がデザインされているので、そういう音質なんだと思います。音はクリアですが、硬すぎないのですごく良いですよ。
──D/Aコンバーターの選び方も、用途によってということですね。
そうです。CDプレーヤーを選ぶのと同じで、自分が求める音質に近いものを選べば良いですね。CDプレーヤーも高価になるほど、考えて作り込まれている製品も増えるので、D/Aにも同じようなことが言えると思います。それに、レコードではカートリッジを変えて音を楽しむ方もいますが、それと同じように何個かのD/Aを切り替えて、ジャンルによって使いわけるのも面白いと思いますよ。例えばクラシック用、ジャズ用、ポップス用とか。
──言われてみれば……盲点ですね。カートリッジは変えるけど、D/Aは1台で済ませていました。最後に、ハイレゾ時代に突入して以降のマスタリングの仕事について、感じていることを教えて頂けますか?
今はすごく面白くなってきていますよ。もしかしたら、アナログ時代からずっとやり続けていたからそう感じるのかもしれないですが。何度もお話しましたが、アナログ時代に比べて自由度が高いんですね。自分のイメージに近づけやすいですし、アナログ時代ではマスタリングではない部分(カッティングなど)で、余計な心配事がたくさんありましたし、失敗もしていますから。マスタリングでお願いされる素材でも、ハイ・ビット/ハイ・サンプリングで頂けるものは、ミュージシャンの意図を感じ取りやすいですし。すごく面白い時代になってきたと思っています。それがハイレゾのメリットでもありますから。昔CDで聴いたことのある音源を、ハイレゾで改めて聴き直した時に喜んでもらえたら、マスタリング・エンジニアとしてはすごく嬉しいですよね。
マスタリング・エンジニアの視点でも、ハイレゾが普及することに大きなメリットを感じているのが伝わったでしょうか? またハイレゾだからこそ、マスタリングの重要性が高まっているとも言えそうです。
なんと、今回ご紹介した原田光晴氏にマスタリングをオンラインでお願いできるサービスが始まるそうです。マスタリングを一流のプロにお願いできるため、自主制作している音源のクオリティが一段と上がりそうですね。地方で活躍されているミュージシャンも、メールで音源を送ることで行なえるとのことです。興味がある方は、原田氏プロフィール欄のメール・アドレスまで連絡してみて下さい。料金は1曲8千円(税抜)とのことです。
ハイレゾ音源を高音質で聴くためには、デジタル・データをアナログに変換するD/Aコンバーターが必要ですが、現在は多機能なものも多く、括りが曖昧になってきています。今回は、原田氏お薦めのグレース・デザインも含め、5機種をご紹介します。
ハイエンドなオーディオ機器を手掛けるジェフ・ローランドのもとで、数々のアンプを設計していたミッシェル・グレースが1994年に立ち上げたプロ・オーディオのブランドです。レコーディング用のツールを数多く手掛けているため、高性能なヘッドフォン・アンプが内蔵されたUSB DACもモニター寄りのクリアなサウンド・デザインが特徴です。D/Aできるのは、32bit/384kHz(PCM)と、5.6MHz(DSD)と、かなりのハイ・スペックです。リスニング向きとは言いづい音の傾向ですが、より繊細に音を聴いてみたいというモニター・ライクな出音が好きな方にはツボにハマるUSB DACだと思います。
■価格:250,000円(税抜)
■メーカー製品情報ページ
高性能なクリーン電源などでも知られるハイエンドなアメリカのオーディオ・メーカー、PS Audioが手掛けたD/Aコンバーターです。上位機種のPerfect Wave DSDACの技術を継承しながら、コストパフォーマンスの高い製品に仕上げられています。D/Aは、24bit/192kHz(PCM)と、5.6MHz(DSD)までとなります。また上位機種譲りのマスタークロックを内蔵し、独自の技術で低ジッター化を実現することで、空間表現能力を高めています。またアナログ回路にもこだわり、出力段がクラスAのディスクリート回路で設計されています。そのため、高級機のような濃密な音像を描き出してくれます。
■価格:150,000円(税抜)
■メーカー製品情報ページ
大阪で電子機器の設計、開発、製造等を行なっているジェーエイアイ株式会社が、2003年から手掛けているオーディオ・ブランドがORBです。社内の音楽/オーディオ好きから自発的に生まれたブランドということもあり、ユーザー目線で製品開発を行なっているようです。このスタイリッシュなデザインが印象的な高級感のあるDACも、高いコストパフォーマンスが魅力のひとつです。ハイエンドなDACにも使われるバーブラウン製のPCM1792Aを使い、24bit/192kHz(PCM)と、5.6MHz(DSD)までのD/Aに対応しています。トランスやトランジスタなどにもこだわり、繊細で高品位な音質が得られます。
■価格:オープン(市場実勢価格:税抜68,000円前後)
■メーカー製品情報ページ
ティアックから登場したこのモデルは、厳密に言えばネットワーク・プレーヤー機能も備えているため、ネットワークのカテゴリーで紹介する製品のひとつでもあります。しかし、DSDの11.2MHzやPCMの384kHz/32bitのネイティブ再生という、ほとんどのソースを再生可能なD/Aコンバーターを備えているため、ここで紹介させて頂きました。ネットワークに加え、フロントのUSB入力に、USBメモリーを挿し込んでの再生も可能です。かなりのハイレゾ再生のバリエーションを備えた1台です。さらにトランスを各チャンネルに備えたデュアル・モノーラル設計というこだわりです。様々な再生方法&音源を楽しみたい方にはお薦めです。
■価格:オープン(市場実勢価格:税抜148,000円前後)
■メーカー製品情報ページ
楽器ユーザーにはお馴染みのコルグから登場したのは、DSDでの録音も可能なUSB DACです。DSDのレコーダー“MRシリーズ”からのノウハウを使い、RCA入力から入る信号をDSDで録音することができる画期的な製品です。さらに入力はレコード・プレーヤーを直に挿して使えるフォノ入力に対応しているため、手持ちのレコードをDSDファイルでアーカイブすることができます。録音には購入者に無料の「AudioGate 4」が使え、ソフト上でレコードの音域を補正するカーブ(RIAAなど)を後処理することもできます。再生のD/Aは、24bit/192kHz(PCM)、5.6MHz(DSD)。レコードのアーカイブを高音質で楽しみたい方にはうってつけですね。
■価格:オープン(市場実勢価格:税抜60,000円前後)
■メーカー製品情報ページ
今回は、ハイレゾのマスタリングについてエンジニアの原田光晴氏にお話を伺いましたがいかがでしたでしょうか? 普段聴いている音源は、決してミュージシャンだけが生み出すものではなく、レコーディングを含めエンジニアの協力のもと制作されています。そこには、今回紹介しきれないほど多くのノウハウがあり、そのお陰で高音質なハイレゾ音源を楽しむことができます。そういったすべての方の意図や熱が伝わってくるような音質で少しでも音楽を楽しむことができる環境が整えば、また違った面白味が出てくると思います。普段の通勤や通学ではストリーミングなどで音楽を楽しみつつも、家ではじっくりと音楽や、音そのものと向き合って聴きたいですね。そのためにも自分好みのD/Aコンバーターを見つけてハイレゾ音源を楽しんでみて下さい。それではまた次回!
マスタリング・エンジニア・原田光晴(はらだ・みつはる)
アナログレコード全盛期にカッティング・エンジニアとしてのキャリアをスタート。その後、CDの登場とともにマスタリング・エンジニアとして独自のCDマスタリング理論を構築。アナログ・カッティング時代から第一線で活躍してきた本当の音を知るエンジニアとして、数多くの音楽関係者からの支持を集めている。
マスタリングのご相談は下記メールアドレスまで。
・原田マスタリングON LINE:haradamaster@birdiehouse.co.jp
菊池真平(きくち・しんぺい)
音楽雑誌「Player」、オーディオ誌を発行するステレオサウンド社で「Beat Sound」、「Digi Fi」の編集に携わった後に独立。現在はフリーランスで、ヴィンテージ・ギター関連書籍/ギターに関する雑誌等に、編集/ライターとして携わる。国内外のミュージシャンへのインタビュー等も多数行なっている。