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- 2024/11/16
Fender / HAMA_OKAMOTO PRECISION BASS “#4”
Fenderのプレシジョン・ベースは同社のジャズ・ベースと並んで、定番中の定番のエレクトリック・ベースですね。さらに超定番カラーであるサン・バーストのプレシジョン・ベースとなれば、1966年の仕様をモチーフにしたトラディショナルな楽器と思うかもしれません。しかし、本器は違います。ハマ・オカモト氏のアイデアとコダワリがたくさん詰まった、「新しいプレシジョン・ベース」なのです。盛り込まれた要素は大きく分けて4つ。
1つ目は、外見からもわかる通りパドル・ペグを採用した点とブリッジ・カバーを搭載している点です。パドル・ペグは1965年から1968年頃のFenderベースにのみ採用されたデザインのペグですが、独特の丸みを帯びた形状に愛着を感じるベーシストが多いようで、ハマ・オカモト氏もその1人です。
2つ目は、ブリッジ・カバーは現代において機能性はほとんどありませんが、「カッコいい」というハマ・オカモト氏の揺るぎない判断によって搭載されています(笑)。確かに、ブリッジ・カバーがあるかないかで外見の印象は大きく変わりますし、装着されているだけでワンランク上の品の良さが醸し出されますね。
3つ目の特徴は、ボディ材にバスウッドが採用されている点です。従来のプレシジョン・ベースはボディ材として主にアルダー材やアッシュ材を採用していますが、近年では良質の木材が少なくなっている側面もあります。バスウッドは加工しやすい安価な材料として、比較的低価格の楽器に採用されてきた木材ですが、本器に採用されたボディ材は杢目も綺麗で良く鳴っています。廉価版の木材という印象はまったくありません。
4つ目の特徴は、ジャズ・ベース・タイプの細身のネックを採用している点。ただネックを変えただけのことのようですが、プレシジョン・ベースを弾いたことのある方が実際に本器を持ってみれば違いはすぐにわかるはず。これまでのプレシジョン・ベースに対する印象が大きく変わるのは間違いありません。プレイアビリティの変化は演奏スタイルやフレーズにも大きな影響を及ぼすはず。既にプレシジョン・ベースを所有しているベーシストでも、とても新鮮な気持ちで楽器と向き合うことができるでしょう。
演奏してみると、いかにもプレシジョン・ベースらしい中音域の充実した音色が楽しめるのはもちろんのこと、"明るくヌケが良いながらも軽過ぎず芯のある音色"という印象。個人的にはネックのグリップが違うだけでこんなにも楽器の印象は変わるものなんだ、という軽いカルチャーショックがありました。何しろ自分が弾くフレーズが変わりました(笑)。プレシジョン・ベースとジャズ・ベースの良さを両方兼ね備えた楽器という印象です。
楽器としてのクオリティがしっかりしているし、全体的にバランスが良く、完成度の高い楽器であることは間違いありません。ハマ・オカモト氏のシグネチャー・モデルとは言え、彼のファンに限らず初心者の方が手にする最初の1本としても、既にプレシジョン・ベースを所有する方にとっての2本目のプレシジョン・ベースとしても、オススメできますね!
価格:¥84,000 (税別)