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- 2024/11/16
MIDIコントローラー
今回はMIDIコントローラーについて紹介したいと思います。電子楽器同士をつないでやりとりするための規格として30年以上も前に誕生したMIDIが、今もなおコンピューターを使った音楽制作やライブ・パフォーマンスにおいて欠かせないものとなっているのです。
本コラム第4回で紹介しましたように、MIDIコントローラーにはキーボード・タイプ、パッド・タイプ、ギターの弦の信号をピックアップしてMIDI信号に変換できるタイプ、さらには息を吹き込んで演奏できる管楽器タイプ(ウインド・コントローラー)などがあります。最近はコンピューターに直接つなげるよう、USB端子を搭載しているものがほとんどでしたね。MIDIコントローラーがあればソフトウェア音源をハードウェアさながらに演奏できますし、その演奏をDAWに記録することもできます。例え鍵盤の演奏が得意でなくても、ソフトウェア音源の音色選びや、打ち込みでメロディやコード進行を作る時の確認用など、導入する価値は十分ありますよ。
上の画像の製品:(左上から順に)CME Xkey、IK MULTIMEDIA IRig Keys 37 Pro、KORG NanoKey2、IK MULTIMEDIA IRig Pads、ROLAND A-49、NATIVE INSTRUMENTS Komplete Kontrol S88、AKAI PROFESSIONAL MPD218、AKAI PROFESSIONAL EWI USB、ROLAND GK-3(MIDIデータを出力するためにはGR-55などの対応機器が必要)
キーボード・タイプのMIDIコントローラーは機種によって鍵盤のサイズやタッチがさまざまです。ソフトウェア音源を使って本格的な演奏をしたい場合は実際に楽器店の店員さんに相談してみると良いでしょう。
MIDIコントローラーの用途は演奏だけではありません。DAWの再生/停止、ミキサー画面の各トラックのボリュームやミュート/ソロ、ソフトウェア音源やエフェクトのパラメーターなどを操作するときにも大活躍します。一度に複数のパラメーターをコントロールすることはマウスでは難しいですからね。
上の画像の製品:(左上から順に)AKAI PROFESSIONAL Midi Mix、KORG Nano Kontrol 2、NOVATION Launch Control
また、MIDIコントローラーの中には、キーボードやパッド、ノブ、フェーダーがひとつになったハイブリッド・タイプのコントローラーも多く、これらは何かと重宝します。
上の画像の製品:(左上から順に)ROLAND A-300 Pro、NOVATION LaunchKey Mini MKII、KORG Taktile、M-AUDIO Oxygen
MIDIコントローラーを使ってソフトウェアのさまざまなパラメーターを操作するためには、操作したいパラメーターにコントローラーの操作子を割り当てる必要があります。自分の好みに応じて設定できるところが魅力の一つでもあるのですが、かえって煩わしく思う人も少なくないでしょう。そのため、最近では一つのソフトウェアに最適化した専用コントローラーが多く登場しています。もちろんほかのソフトウェアでも使えるよう、汎用MIDIコントローラー・モードも搭載している場合がほとんどですが、専用ものとして使うことをメインと考えた方がよいでしょう。
上の画像の製品:(左上から順に)ABLETON Push 2、NATIVE INSTRUMENTS Maschineシリーズ、ARTURIA Keylabシリーズ、AKAI PROFESSIONAL MPC Touch
本コラム第6回で紹介したオーディオ・インターフェースと同じようにMIDIコントローラーもiOSデバイスに対応したモデルが多く発売されています。コンピューターだけでなくiOSデバイス・アプリで演奏したい場合は参考にしていただければ幸いです。iOSデバイスと直接接続できるケーブルが付属したタイプとLightning - USBカメラアダプタが別途必要になるタイプがあるので、購入する際は確認しましょう。
ちなみに、先述のコントローラーの中でiOSデバイスに対応しているのはCME Xkey、IK MULTIMEDIA IRig Keys 37 Pro、KORG NanoKey2、IK MULTIMEDIA IRig Pads、Roland A-49、NOVATION Launch Key Mini MKII、KORG Taktileです。そのほかにもIK MULTIMEDIA IRig Keysシリーズ、KORG MicroKey2シリーズ、ARTURIA MiniLabなどがあります。
上の画像の製品:(左上から順に)IK MULTIMEDIA IRig Keysシリーズ、KORG MicroKey2シリーズ、ARTURIA MiniLab
最近ではワイアレス・タイプのMIDIコントローラーも徐々に増えてきました。コンピューターやiOSデバイスでUSBでもワイアレスでもつながるので、ますます活用の幅が広がりますね。
▼KORG MicroKey Airシリーズ (→デジマートで検索!)
▼KORG NanoKey Studio (→2016年3月下旬発売予定)
▼KORG NanoKontrol Studio (→2016年3月下旬発売予定)
▼ROLI Seaboardシリーズ (→2016年国内発売予定)
いかがでしょうか? さまざまなMIDIコントローラーが販売されていますが、ひとつ導入するだけで制作効率がグンと上がりますので、ぜひお試しください! またMIDIコントローラーには、ソフトウェア音源がバンドルされているものも多くありますので、その点も購入時にチェックしてみるとよいでしょう。
それではまた!<次回2016年2月2日(火)更新予定>
いっちー(市原 泰介)
サウンド&レコーディング・マガジン編集部WEBディレクター。学生のころから作曲やDJ活動、バンド活動などの経験を積む。某楽器販売店を経てリットーミュージックに入社。前職では楽天市場内の店長Blogを毎日10年以上更新し、2008年ブログ・オブ・ザ・イヤーを受賞。得意ジャンルはクラブ・ミュージック。日々試行錯誤中。