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  • 『THE EFFECTOR book vol.30』連動!

ペダル・ボード〜足下に巨大要塞を構築する

スイッチャー/エフェクト・ボード/パッチ・ケーブル

  • 記事提供:シンコーミュージック 文:長谷鉄弘、今井 靖、菊池真平、Crews Maniac Sound 村田、細川雄一郎、K(きになるおもちゃ)

エフェクター・ファンの愛読書として絶大なる支持を集めるエフェクター専門誌『THE EFFECTOR book』(シンコーミュージック刊)。その最新号でフィーチャーされたのは、 “ペダルボー道”の礎となるスイッチャー、ボード、パッチ・ケーブルとなった。ここでは、『THE EFFECTOR book VOL.30 WINTER 2016 ISSUE』の大特集「ペダル・ボード〜足下に巨大要塞を構築する」と連動し、現代の市場で主役を担っている製品群を紹介していこう。

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Switcher/スイッチャー

FREE THE TONE

Audio Routing Controller ARC-53M

現場での利便性とストレスフリーの使用感を極限まで追求

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 11個のフット・スイッチを用いて8ループをコントロールする“ARC-3”の弟分に当たる“ARC-53M”では、フリーザトーンがプロフェッショナル向けサウンド・システムの構築で培った技術とノウハウが、ハイ・アマチュア層にも導入しやすいパッケージにまとめられている。まず、“ARC-3”と比べて幅と奥行きを70%ほど縮小したケース/シャシーは厚手のシート・メタルからなり、操作時に覚える剛性感や安定感は大柄な筐体を持つモデルと比べても遜色がない。“ARC-3”が四角形断面を持つケースのトップ・パネルに傾斜角=12°を与えていたのに対し、本機は五角形断面を持つボディを採用しているが、これはスイッチャーの小型化に伴なって起きやすくなる“踏み間違え”を防止するための工夫だ。スラントしたパネル面に並ぶフット・スイッチ間のクリアランスは70mmを確保しており、ブーツを履いた際にもストレスのない操作を約束する。
 5系統のループON/OFFやプログラム/バンク・チェンジ、ミュート、アンプのチャンネル切り替えなどを担う7個の特注フット・スイッチは、ブティック・ペダルに多く用いられるカーリング社製などと比べて弱い力で確実に踏み込むことができ、ON/OFF時に生じるメカニカル・クリック音も小さく抑えられている。レコーディング・マイクの近くに本機を設置しなければならない環境では、この“静かさ”をありがたく感じるだろう。傍らのLEDインジケーターには、汗などの水分がケース内部に侵入するのを防ぐレンズ/カバーも取り付けられる。
 演奏中の誤操作を防ぐため、プログラム・エディットに関わるスイッチにはごく小さなものが採用されているが(動作のロックも可能)、豊富なインジケーターを備えるインターフェイスはユーザー・フレンドリーで、深い階層に潜らずとも主要なメニューにアクセス可能だ。他にも“HTS”インプット〜アウトプット・サーキットの内蔵、MIDI規格への対応、耐久性の高いモールド・ジャックの採用などコンパクトなケースの随所にプロフェッショナルな装備を盛り込まれた“ARC-53M”は、現場で使い込むほどにその洗練された設計思想が伝わってくるフリーザトーンらしいスイッチャーである。

[Specifications]●ループ数:5(シリーズ:4/セパレート:1) ●最大プリセット:200(20バンク×10プリセット) ●MIDI機能:アリ ●コントロール端子:3系統(ラッチ/モメンタリー切替) ●スイッチ:PS1/6/L1、PS2/7/L2、PS3/8/L3、PS4/9/L4、PS5/10/L5、Shift、Mute、Mode、Inc/+、Dec/-、Store、Enter、Lock、Disp Mode、MIDI Ch(L1、L2、L3、L4)、CSW(L5、C1、C2、C3) ●端子:Tuner、HTS In、In、S-1、R-1、S-2、R-2、S-3、R-3、S-4、R-4、S-5、R-5、In-5、S-5、R-5、Out-5、Out、C1/C2、C3、Mode、MIDI In、MIDI Out/Thru ●サイズ:330mm(W)×92.5mm(D)×60.5mm(H) ●電源:12VDC ●価格:¥63,000(税別)

【オフィシャルHP】

One Control

Chamaeleo Tail Loop MKII

コンパクトな筐体に洗練された使い勝手をインストール

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 日本発の定番スイッチャー・メーカーとして、ユーザー視点に寄り添う品質管理のもと着実に実績を伸ばしてきたワンコントロール。そのセンター・ラインを担う“Chamaeleo Tail Loop MkII”は、4(シリーズ)+1(独立)ループを直感的なプログラム操作で統合管理できる、地に足の着いた機能バランスが売りの人気機種だ。
 まず何と言っても、そのコンパクトな筐体デザインが素晴らしい。近年のトレンドであるスリット・プレートの設置面を持つボードに最適化されたわずか56mmという奥行きは、わずかなスペースの無駄も許されないシビアなペダル・レイアウトに頭を悩ます諸兄の大いなる味方となってくれるだろう。レトロな風合いの傾斜のないトップは実用本意な堅牢さの証しであり、ヘアライン加工されたボディの光沢には高級感がある。パーツも吟味されており、フット・スイッチはストロークが深くしっかり踏み込めるタイプ。スナップが完全に沈み切ってからリレーされるため下手な突っ込み感もなく、安定的かつ堅実な手応えが嬉しい。また、各スイッチに振り分けられたプログラムのバンクを3つに限定し、LEDのカラー(レッド/ブルー/グリーン)により視覚的に管理させる方式も実に洗練されている。これは、暗いステージ上でのセッティング操作に、非常に有効な仕様だ。
 一方で、“MkII”へのバージョン・アップに伴い採用された“BJFバッファ”によるナチュラルなサウンドも、このモデルの強みと言えるだろう。マッド・プロフェッサーなどのエンジニアとしても知られるビヨン・ユールにより開発されたこのロー・ノイズ・バッファは、特にアナログ回路を持つエフェクターとの相性が抜群。絶妙なローファイ感とレンジ感を維持しつつも、繊細なタッチを逃さないことから世界中のトップ・プロから絶大な信用を受けているその音質を、スイッチャーを介してデフォルトでシステムに取り込める利点は大きい。
 MIDI機能は必要ない、だが、ペダル・ボード内のスペースを取らずに、アンプのセンド・リターンを含めたなるべく多くのエフェクトを同時に切り替えたい……そんなプレイ・スタイルを持つユーザーに最適なスイッチャーだ。

[Specifications]●ループ数:5(シリーズ:4/セパレート:1) ●最大プリセット数:15 ●MIDI機能:ナシ ●スイッチ:Mute/Tuner Out、PCM5/L5、PCM4/L4、PCM3/L3、PCM2/L2、PCM1/L1、Bank/Direct、Unlock/Lock、L5、L4、L3、L2、L1 ●端子:Out(NO)、R5、S5(NC)、In5、Out、R4、S4、R3、S3、R2、S2、R1、S1、Tuner、Nbuf In、Buf Out、Buf In、9VDC Out×6 ●サイズ:440mm(W)×56mm(D)×38mm(H) ●電源:9VDC ●価格:¥35,000(税別)

【オフィシャルHP】

Carl Martin

Octa-Switch Mk3

アナログでの操作を徹底的に追究したユニーク・モデル

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 デジタル制御のプログラマブル・スイッチャーが苦手というギタリストも、少なからずいるだろう。そんな方にお薦めしたいのが、デンマークの老舗ブランド、カール・マーティンから登場したアナログ制御のプログラマブル・スイッチャー“Octa-Switch Mk3”だ。その音質の高さから多くのプロ・ギタリストからも支持された前モデル“Octa-Switch Mk2”で好評だった操作性を引き継ぎながらも、スイッチのレイアウトが見直され、より小型化されている点も見逃せない。
 まずは基本仕様を確認したい。8つのエフェクト・ループを備え、ループ8のみモノラル・センド/ステレオ・リターン(ステレオ・プラグ使用時)となる。8つのメモリ・バンクがあり、バンクにはエフェクト・ループをON/OFFするディップSWを装備。ここで注意して欲しい点が、フット・スイッチは各ループのON/OFFではなく、プログラムの切り替えとして機能する点。一見すると、“1”がループ1のON/OFFオフのようにも見えるが、各ループのON/OFFは各チャンネルに備えられた8つのディップSWが連動している。例えばバンク1に対応したディップSWの1、3をONにすれば、同番号のループに接続されたエフェクターが作動する。つまり最大8通りのループの組み合わせをバンク毎に振り分けることが可能だ。どのループが作動しているかは、視認性の高いブルーのLEDで確認でき、ステージ上でもわかりやすい。またアンプのチャンネル切り替え信号を送れるエクスターナル・ジャックもあり、対応するディップSWをONにしたバンクを選択した時のみ動作するように設定できる。例えば、クリーン用とディストーション用のアンプ・チャンネルをバンク毎に振り分けて使用可能だ。さらにハイ落ちを防ぐバッファも内蔵し、背面のスイッチで簡単にON/OFFできるのも有り難い。
 実際に使ってみると、直感的にセッティングでき、設定の時間も短くて済む。小さなディップSWの操作も、指先や小さなドライバーで簡単に持ち上げることができた。各フット・スイッチの踏み心地も滑らかで、距離も適切に保たれているため、踏み間違えもなさそう。数多くのプログラム数が必要ないギタリストにはぜひお薦めしたい製品だ。

[Specifications]●ループ数:8 ●最大プリセット数:8 ●MIDI機能:ナシ ●コントロール端子:2(ラッチ式) ●スイッチ:Bypass、1、2、3、4、5、6、7、8、Dip Sw×10、Buffer ON/OFF ●端子:Input、1(Send、Return)、2(Send、Return)、3(Send、Return)、4(Send、Return)、5(Send、Return)、6(Send、Return)、7(Send、Return)、8(Send、Return)、Ext.1、Ext.2、Output L、Output R ●サイズ:311mm(W)×155mm(D)×65mm(H) ●電源:9VDC ●価格:¥58,000(税別)

【オフィシャルHP】

G-LAB

Guitar System Controller GSC-4

大型ディスプレイの採用もあり使い勝手の良さは随一

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 ポーランドの国営企業として軍需産業、医療機器製作などの研究・開発をしてきた会社が、その技術と経験を活かして製作するのがG-LABブランドの製品。そのアイデアは、他のエフェクター・ブランドとは異なり、大変興味深い機材が多い。
 そのG-LABの最新版システム・コントローラーが“GSC-4”だ。プログラム毎にON/OFF可能なバッファの音色はナチュラルで、ハイが上がったり、トーンが甘くなる印象はない。ファズ使用の際はバッファをOFFにして、クリーン・サウンドではONにして……と使い勝手も良好。さらに絶妙な踏み心地のスイッチはクリック・ノイズがほとんど感じられず、機械ノイズ(カチッという機械音)もしないので、ステージのMC中に“カチャカチャ”と音を立ててしまう心配もないだろう。操作も簡単で、大型のディスプレイが現在の状態をナビゲートしてくれる。7つのナビゲーション・キーボードでカーソルの送りやページ変更も簡単。慣れてしまえば、目的のセクションまですぐにたどり着けるはずだ。ループは全部で6つ。全て直列で並ぶが、ループ・スプリット・モードを使えば2:3で区切ることも可能だ。例えば、2つはアンプの手前用で、3つはアンプの後(センド・リターン)として使用してもいいだろう。「アンプの手前で6個すべてを使い切ってしまうよ……」という方は、ぜひオプションのエクストラ・ループ・ユニット“M2L”や“M4L”を増設してのループ拡張をお勧めする。
 12個あるフット・スイッチはバンク用の2つを除き、すべてマルチ・ファンクションになっている。従って、どのスイッチに何の機能を持たせるかが自由自在だ。あるバンクでは5つを音色の呼び出しに、5つをループに接続したエフェクトのON/OFFに使用しても良いし、アンプのチャンネルをMIDI化してしまえば、チャンネル切り替えプリセットに組み込んだり、リアルタイムに切り替えることも思いのまま。前記した“M2L”や“M4L”をコントロールすることも可能なので、アンプのセンド・リターンから長いケーブルを引き回すことなくMIDIケーブル1本でスマートなシステムを組上げることが可能だ。本当にシンプルな外観でありながら高機能、そして自然な音色に好感が持てる。

[Specifications]●ループ数:6(2:3に分割可能) ●最大プリセット数:100 ●MIDI機能:アリ ●コントロール:Programming Keyboard ●スイッチ:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、Up、Down ●端子:MIDI In、MIDI Out、Wah-Pud、Exp Pedal、Switch Out×3、Loop1 Send、Loop 1 Return、Loop 2 Send、Loop 2 Return、Loop 3 Send、Loop 3 Return、Loop 4 Send、Loop 4 Return、Loop 5 Send、Loop 5 Return、Loop 6 Send、Loop 6 Return、Out、Tuner、In、USB Type A、USB Type B、9VDC Out×6 ●サイズ:500mm(W)×140mm(D)×65mm(H) ●電源:24VDC ●価格:¥95,000(税別)

【オフィシャルHP】

Musicom Lab

EFX Mk IV

プレイヤーの使用感を熟慮して進化し続けている高性能ディヴァイス


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 主にプロ・ミュージシャン用コントロールの中核となることを前提に開発された、ミュージコム・ラボのフラッグシップ・モデル“EFX Mk IV”。内蔵された2系統最大10個ものエフェクト・ループ(うち2つはステレオ対応)、アンプ・チャンネル、さらには外部MIDI機器を含めた複雑で大規模なシステムをこれ1台で一括管理できる。最大6個のPC(プログラム・チェンジ・ナンバー)と28個のCC(コントロール・チェンジ・ナンバー)を同時送信できることは言うに及ばず、エクスプレッション・ペダルの「Mini Value(可変最小値)」「Max Value(可変最大値)」及び「Begine Value(プリセットごとの初期値)」を任意に指定可能。しかもそれら膨大なプリセットやファーム・ウェアの更新を全てパソコンを介して設定保存できるなど、信号管理の自由度では業界でも指折りの高性能を誇る。視認性の高い緩やかなスラント・トップと飽きのこないコンパクトさもあわせ、その堅実な現場適応力を支持する声は多い。

[Specifications]●ループ数: 10(ステレオ・ループ=2) ●最大プリセット数:250(+1グローバル・プリセット) ●MIDI機能:アリ ●スイッチ: 1(L1/L8)、2(L2/L9)、3(L3/L10)、4(L4/F1)、5(L5/F2)、Edit/2nd(Enter/Store)、Mute(Exit)、Down(L6/F3)、Up(L7/F4)●端子:Buf In A、In A、Snd1、Rtn1、 Snd2、Rtn2、Snd3、Rtn3、Snd4、Rtn4、Snd5、Rtn5、Snd6、Rtn6、In B、Out A、Snd7、Rtn7、Snd8、Rtn8、Snd9、Rtn9-L、Rtn9-R、Snd10-L、Snd10-R、Rtn10-L、Rtn10-R、Out B-L、Out B-R、Tuner 、Xpdl、F1/F2、F3/F4、MIDI Out/Thru、MIDI In ●サイズ:332mm(W)×126mm(D)×70mm(H) ●電源:12VDC ●価格:¥90,000(税別)

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Effect Board/エフェクト・ボード

FREE THE TONE

FP5538 with TC-1

プロのシステムも手掛けるブランドによる逸品


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 ミュージシャンたちラック・システム、ペダル・ボードの製作を担当し、システム構築の本も書き下ろしている林幸宏氏が主宰するフリーザトーンは、プログラマブル・スイッチャーやエフェクター以外に、ケーブルなどペダル・ボード関連製品も開発している。同ブランドのエフェクト・ボード、“Forvis Light Pedal board Series”は、ハニカム構造で作られる高強度、軽量な樹脂製のエフェクト・ボードと、積み重ねて運ばれることを考慮した高強度のFRP製ツアー・ケースで構成されるもの。ボードは、エッジ部に取り付け可能なハンドル、底面に滑り止めゴム・シートを設置するなど、構造面に配慮してある他、厚さも10mmと薄く抑えられ、ケース容量を最大限に使用可能だ。ボードとケースを分離させることで、複数のボードを入れ替えて使うことも考えられている。掲載した“FP5538 with TC-1”はラインナップ中、最も小型のモデルだが、ボード部は550mm×380mmと十分なサイズ。また、屈強なツアー・ケースだけでなく、キャリー・カートでの運搬も考慮したソフト・バッグ“PB-1”とセットにした“FP5538 with PB-1”(¥31,500)もラインナップされている。

[Specifications]●サイズ:550mm(W)×380mm(D) ●ボード素材:ハニカム構造樹脂 ●重量:1kg ●付属品: ヴェルクロ・テープ、ハード・ケース(TCツアー・ケース“TC-1”) ●価格:¥57,000(税別)

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Palmer

Pedalbay 60

細かな調整ができるユーザー・フレンドリーなモデル

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 多彩なD.I.ボックスやパッチ・ボックス、ミキサー、ヘッドフォン・アンプ、スピーカー・キャビネット、エフェクターなどレコーディング機器を中心に様々な音響製品を取り扱うドイツの楽器ブランド、パルマー製のエフェクト・ボード。この“Pedalbay”シリーズは、アルミ・レールを用いた“すのこ型”のペダル・フレームとソフト・ケースをセットにした商品で、掲載した“Pedalbay 60”は605mm×305mmの標準的なサイズだ。最大の特徴は、プレイヤーのスタイルに合わせて細かく調整できる点。フレームを支える足の高さを変えることで傾斜角度が調整可能な作りになっている他、フレームは個別に取り外し、間隔を5段階で変更することができる。つまり搭載するエフェクターのサイズに合わせて微調整できるわけだ。またフレームの裏側には付属のゴム・バンドを用いて幅20cmまでの各種パワー・サプライを固定可能。さらにフレーム表面には予めヴェルクロが貼り付けられており、ユーザーが購入後に貼り付ける必要はない。付属のソフト・ケースはジップ付の大きなポケットを装備、シールド・ケーブルやピックなどを入れておくことができる。

[Specifications]●サイズ:605mm(W)×305mm(D) ●ボード素材:アルミニウム ●重量:4.62kg ●付属品: ヴェルクロ・テープ、ソフト・ケース ●価格:¥18,000(税別)

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T-Rex

ToneTrunk 56

2段階構造の採用により良好なスイッチングが可能

※ボード手前部分右端にある“Leveling Bracket”は別売となります。

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 数々の名機エフェクターを輩出、さらにはパワー・サプライやチューナーなども製作するT-Rex。このデンマークの老舗が開発した“ToneTrunk”シリーズは、エフェクターのことを知り尽くした同ブランドならではのエフェクト・ボードだ。軽量なアルミニウムを用いた独自形状のボード部とソフト・ケースをセットにしたスタイルで、ボードは奥が高くなっている2段構造になっている。直方体の筐体が多いブティック・エフェクターを使用することも考慮した形状だ。ボードには複数の穴が空けられていて、ケーブルを裏に通すことも可能だ。また、カスタマイズするための周辺機器も充実していて、ワウなど縦長の製品を設置するためにボード手前側を底上げする“Leveling Bracket”、ボード裏にパワー・サプライを設置するための“Power Supply Bracket”などを別売りで用意。掲載した“ToneTrunk 56”は560mm×316mmのサイズで、上下段は158mmごとに分けられている。ボードのアルミはヘアライン加工が施されていて、高級感のある美しい仕上がり。凝ったデザインの多いブティック・エフェクターを並べて美しいペダル・ボードに仕上げることができそうだ。

[Specifications]●サイズ:560mm(W)×316mm(D) ●ボード素材:アルミニウム ●重量:1,860g ●付属品: ソフト・ケース、ヴェルクロ・テープ、結束バンド、レンチ ●価格:¥20,000(税別)

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Diago

Gigman

堅牢な構造を優雅な外観で飾ったオシャレ・ボード

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 エフェクト・ボードやケーブル、パワー・サプライ関連の便利な機器、コンパクトなフロア・マウント・ギター・アンプなどを製作する英エフェクター関連機器ブランド、ディアゴ。本機“Gigman”がラインナップされる“Pedal Board”シリーズは、厚さ1.3cmの頑丈な合板を用いて作られるエフェクト・ボードだ。外装に織物素材を用いることで一般的なエフェクト・ボードとは一線を画す、高級感のある外観に仕上げられている。留め金はロック付きのパチン錠、コーナーを保護する金属パーツ、滑り止め用のゴム足、簡単に取り外しのできるシンプルなヒンジなどにより、高い耐久性と良好な操作感を両立。内部は全面ヴェルクロ貼りとなっていて、ボード自体の高さを低く抑えることでエフェクターを載せた際のフット・スイッチの操作性を高めている。内部クッションを取り外すことも可能だ。掲載した“Gigman”は小規模システム向けのエフェクト・ボードで、サイズは600mm ×300mm。エフェクト・ボードは無機質なモデル名が多いが、本機“Gigman”の他のラインナップも“Showman”、“Tourman”と音楽シーンを意識したネーミングになっている。

[Specifications]●サイズ:600mm(W)×300mm(D) ●ボード素材:合板材(13mm厚) ●重量:4kg ●付属品: ヴェルクロ・テープ ●価格:¥18,000(税別)

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Patch Cable/パッチ・ケーブル

CAJ

Klotz P Cable L-L 15

システム構築のプロフェッショナルが編み出した新基準

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 2014年からラインナップに加わったパッチ・ケーブルの新機軸。ドイツの大手ケーブル・メーカー“クロッツ”社にオーダーして作られたケーブルに、CAJが理想を詰め込んで新たに設計したオリジナル・プラグを組み合わせた逸品。ケーブル部分の直径は僅か4mm。ペダル・ボード内を取り回すには最適の非常に細いケーブルであるが、その見た目らしからぬフラットでワイドレンジな音質を誇る。劣化感のないクリアで爽快な音色が特徴だ。
 採用されている新設計のCAJオリジナル・プラグは、楽器本体に使用されることの多いオープン・タイプのジャックだけでなく、エフェクターに多く採用されている多接点のクローズド・タイプのジャックにも完全にマッチするように設計されており、衝撃や経年からくる接点同士のトラブルを極力減らしてくれる。プラグの構造はもちろん、外観上のデザイン、大きさ、そして重量までもこだわった、まさしくCAJならではのプラグだ。
 古くからシステム構築を生業とするメーカーならではの精神が細部にまで宿った、非常に優れたプロダクトと言える。

[Specifications]●プラグ:CAJオリジナル・プラグ(L/L) ●ケーブル:クロッツ社製専用ケーブル(外径4mm) ●ケーブル長:15cm ●価格:2,800円(税別)

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Vital Audio

VA-Patch 0.15m LL

ギター用ケーブルの老舗が培った高音質の極み

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 かねてから日本のトップ・アーティストのシステムに採用されていたVital Audioのケーブル。中でもこの製品は、近年のコンパクト・エフェクターやスイッチャーを導入したシステム内での最高のパフォーマンスを目指した、新しいラインナップである。同社のケーブル・ラインナップの中、最も柔軟性が高く、耐久性、音質面でも優れた“2601 OFC”ケーブルにオリジナルのプラグを装備。本来はインストゥルメント・ケーブルに採用されているケーブルを加工してパッチ・ケーブルとしているので当たり前とも思えるが、やはりそのレンジ感はパッチ・ケーブルの域を超えているように感じる。高域の再現性はもちろん、とにかく中低域の充実が素晴らしく、“音痩せを防ぐ”という表現に最も近い音色かもしれない。歪み系ペダルとの相性も非常に良い。ケーブル自体は太めではあるが、しなやかで取り回しは良く、よほど過密なシステムでない限りはワイヤリングも容易だろう。プラグは小型でありながらも抜き差しがしやすい形状にデザインされ、プラグ部分での音質にもこだわって作られている。

[Specifications]●プラグ:BS-30Nニッケル・プラグ(L/L) ●ケーブル:2601 OFCケーブル ●ケーブル長:15cm ●価格:¥2,800(税別)

【オフィシャルHP】

Providence

V206 model "Silverbullet" 0.15m LL

ギター・サウンドを知り尽くしているが故のチューニング

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 ブランド創立20周年を記念して作られた最新作のパッチ・ケーブル。既に人気を博している同ブランドのソルダーレス・パッチ・ケーブル“V206 Vital Link”のケーブルに、新開発のオリジナル・プラグを丁寧にハンダ付けして作られている。プラグのサイズは完成品のパッチ・ケーブルとしては非常に小さく、L字タイプではエフェクターから僅か13mm程度しかはみ出さないため、ペダル・ボードの軽量化と省スペース化に一役買う。それらのプラグのキャップ部分には緩みを防止するためのスリット加工が施されており、長時間、長距離のツアーなどに代表される過酷な使用環境にも耐える高い強度を備えている(特許取得)。
 音色はプロの現場を知り尽くしたプロビデンスらしく、高い解像度を実現しながらも、あくまでも楽器的な鳴りを重視したレンジ感に上手く纏めている。このケーブルならではの中高域は、ギターをギターらしく保つ絶妙な要素であると言える。信頼性、音色面共に、プロフェッショナル御用達の老舗メーカーの記念モデルに相応しい仕上がりだ。

[Specifications]●プラグ:NP-21Lプラグ(L/L/ニッケル・メッキ) ●ケーブル:VLK1 OFC+錫メッキ加工超過密編組シールド+カーボン含有の導伝ビニール ●ケーブル長:15cm ●価格:¥2,900(税別)

【オフィシャルHP】

Montreux

Premium Cable “Arena Jr.-15LL”

銀メッキ導体の採用でオーディオ音質に迫る解像度を実現

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 長きに渡ってアビーロード・スタジオの全室に採用されていることでも知られる英ヴァン・ダム社のケーブル。そのヴァン・ダム社が作るケーブルに、モントルー・オリジナルの超薄型プラグを装着した高品位パッチ・ケーブルが本機だ。最大の特徴であるプラグの長さは、L字タイプであればなんと約39mm。接続したエフェクターの本体から僅か約10mmしかはみ出さない、まさに世界最小級。ケーブルの直径も約4mm強と非常に細く、システム内での取り回しの良さは抜群である。
 それだけでなく、無酸素銅に銀メッキを施した導体を採用したヴァン・ダム社のケーブルの音質の高さにも注目したい。“弦とピックが擦れる音”までもきめ細かに再現するようなオーディオ的特性、銀メッキ特有の美しい倍音感は、このケーブルならでは。高域特性の良さは、パッチ・ケーブルとしては図抜けたレベルである。独自構造のブラス削り出し素材で作られたプラグも美麗な音色に一役買っているのだと思われる。取り回しが素晴らしく良いこと以上に、実はその音色でも選びたくなるパッチ・ケーブルだ。

[Specifications]●プラグ:モントルー・オリジナル・プラグ(L/L) ●ケーブル:ヴァン・ダム社製低容量アンバランス・ケーブル ●ケーブル長:15cm ●価格:¥2,200(税別)

【オフィシャルHP】

FREE THE TONE

SLK-L-10

自作型パッチ・ケーブルの新スタンダード・モデル

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 発売直後から一瞬にして市民権を得たシステム製作の強い味方、フリーザトーンが作る良質なソルダーレス・ケーブル・キット。このケーブルの最大の特徴は、自作ソルダーレス・ケーブル類の中でも特に優れた耐久性、そして誰でも簡単に製作できるように配慮された構造の素晴らしさだ。誰でも簡単に作れるのに壊れない——これはケーブル製作の分野において革命的なプロダクトである。ペダル・ボード内で使用することを充分に考慮されたプラグの長さは、L字タイプで僅か約40mm。エフェクターに装着しても11mm程度しかはみ出ない。プレイヤーが限られたボード・スペースで数mm単位のやり繰りに苦悩することを、システム構築と10年以上向き合ってきたフリーザトーンは理解しているのだ。細く、しなやかな同社オリジナルのケーブル“CU-416”のシステム内での操作性もこの上なく良好。音色には自然な円やかさがあり、楽器的で好感が持てる。また、ゴールド・メッキされたプラグを使用した“Pro”シリーズもラインナップする。用途や環境によって使い分けるのが良いだろう。

[Specifications]●プラグ:SL-8L(ニッケル・メッキ)/10ピース ●ケーブル:CU-416(3.0m) ●備考:Sプラグ×10ピースの“SLK-S-10”、Sプラグ×5+Lプラグ×5の“SLK-SL-55”もラインナップ ●価格:¥10,300(税別)

【オフィシャルHP】

Lava Cable

TightRope Solder-Free Pedal Board Kit

米ケーブル界の老舗による自作ソルダーレス・キット

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 多岐に渡るケーブルをラインナップするアメリカのケーブル・メーカー、ラヴァ・ケーブルのソルダーレス・ケーブル・キット。ソルダーレス黎明期に登場し、その音質の高さ、耐久性から現在まで世界的に人気を博しているラインナップである。プラグは一般的なプラグと比べて非常に小さく、L字タイプをエフェクターに挿した場合でエフェクターからはみ出る長さは約13mm。ケーブルの直径も約4mmと、かなり細めに抑えられているため、それも相まって僅かなスペースをエフェクター同士が争う足下のシステム構築には非常に適している。
 音色面でもギターに適した程度のレンジ感を持ち、派手さはないものの扱いやすさを感じる。製作にこそ一手間かかるが、それは耐久性を考慮した設計ならでは。メーカーが推奨する通りに製作すれば従来のソルダーレス・ケーブルの中でも秀でた耐久性を得ることが可能だ。ケーブル部分のカラー・バリエーションが豊富なため、シグナル・ラインによって色を使い分ければ、大掛かりシステム内でもシステム・フローを把握することができるだろう。

[Specifications]●プラグ:Tight Rope Solder Free Plug(L)×10ピース ●ケーブル:Tight Rope Cable(20AWG/3m) ●備考:製作用カッター付属 ●価格:オープン

【オフィシャルHP】


ペダル・ボードを組みたい人はこの記事も!

 ペダル・ボード組み上げのマスト・アイテムであるスイッチャー、ボード、パッチ・ケーブルの3点を重点的に紹介してきた本記事だが、使いやすいボードを作るにはその他のいろいろなアクセサリーを揃えることも重要だ。デジマート・マガジンの人気連載Dr.Dの機材ラビリンス』の第18回は、そんな“ボード・アクセサリー”に焦点を絞った内容で大好評を博した記事である。エフェクターを固定するためのマジック・テープ類から踏みやすさを向上させる立体アングル構築アクセ、電源コンバーター、それにLEDライトやマーキング・ペン/シールなどなど、ペダルボー道を豊かにしてくれる便利アイテムを計25点以上に渡って紹介している。
 また、本記事内では紹介されていないが、スイッチャーの大定番として人気の“Providence/PEC-2”を特集した“K-A-Z plays Providence PEC-2”“松原正樹 plays Providence PEC-2”も推薦記事としてここに挙げておきたい。ボードの組み上げや改良を検討している人は、併せて参考にしてみてほしい。

Dr.Dの機材ラビリンス第18回「箱庭のラプソディ〜ペダル・ボード構築用アクセサリー」はこちらから!

□「K-A-Z plays Providence PEC-2」はこちらから!

□「松原正樹 plays Providence PEC-2」はこちらから!


THE EFFECTOR book VOL.30 WINTER 2016 ISSUEで詳細をチェック!

 本記事はシンコーミュージック刊『THE EFFECTOR book VOL.30 WINTER 2016 ISSUE』 での特集企画「ペダル・ボード〜足下に巨大要塞を構築する」の中でより詳しく紹介されています。ここで紹介した各機種のより詳細な解説や写真が用意されている 他、一部の製品ではメーカーへのインタビュー取材も敢行している。パッチ・ケーブルがサウンドにもたらす影響に関する分析記事も掲載されるなど、ボード組み上げに役立つ情報も満載となっているので、ぜひご一読下さい。

項数:116P
定価:1,620円(税込)
問い合わせ:シンコーミュージック


●「ペダル・ボード〜足下に巨大要塞を構築する」のページ・サンプル

■シンコーミュージック刊『THE EFFECTOR book VOL.30 WINTER 2016 ISSUE』の詳細はこちらから!

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製品情報

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