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- 2024/11/16
Gibson USA 2016 / Gibson Memphis 2016
2015年11月、ギブソンUSA、ギブソン・メンフィスから待望の2016年モデルが発表されました。両ディヴィジョンのジェネラル・マネージャーを務めるDavid Winters氏の「2016年はギブソンにとって最高の年になる」という言葉通り、素晴らしいモデルがラインナップされました。今週は、ディーラー&プレス向けに行なわれたギブソンUSA&メンフィス2016モデル発表会の模様と、各製品の特徴を紹介します。
Gibson Guitar Corporation Japanは、ギブソンUSA&メンフィス2016モデル発表会を東京八重洲のGibson Brands Showroom TOKYOで開催しました。当日は、まず両ディヴィジョンのジェネラル・マネージャーを務めるDavid Winters氏が挨拶に立ち、「2016年はギブソンにとって最高の年になる」と宣言。ギブソンUSAのマスター・ルシアーであり、35年のギター製作歴を持つJim DeCola氏を紹介し、同氏からギブソンUSAの2016年モデルの中でも上位機種となるHigh Performanceシリーズについて説明がありました。同シリーズの主な特徴は、次の通りです。
ギブソンが誇るオート・チューニング・システムG Forceの新型を搭載。New G Forceはファームウェアのアップデートにより、より速く正確でスムーズなチューニングを実現してくれる。
−250℃の超低温で合金の性質を変えるクライオジェニック処理を施し、フレットの耐久性を大幅にアップ! フレット自体は前年より低めに設定され、プレイアビリティに優れ、正確なイントネーションを得ることができる。
HPシリーズでは、リムーバブル・ピックガードを搭載(ピックガードがないレス・ポールCMは除く)。好みに応じて着脱可能で、ネジを使用していないことからピックガードを付けた状態でも一目で2016年モデルと識別できる。
接触が良くスイッチング・ノイズがほとんど出ないスイッチを採用。
HPシリーズのグロス・フィニッシュのモデルにのみ付属する、専用アルミ・ケース。外部は軽量なアルミニウム製で、マホガニー製のハンドルが付いている。
上記の他、チタン製0フレット&ナット、ファスト・アクセス・ヒール・ジョイント、LPスタンダードHPとLPスタジオHPには新開発のディップ・スイッチ・サーキットを搭載するなど、新機軸と言える仕様が満載されています。当日はゲスト・アーティストとしてTHE BAWDIESのJIM氏が駆けつけ、ジミー・ペイジをきっかけにレス・ポールに対して深い愛情を持つようになったエピソードなどを熱く語っていました。
続いてギブソン・メンフィスからは、ギブソンに勤続して35年以上、ギターに関わって40年以上になるというMike Voltz氏が登壇し、新製品のES-275を紹介しました。 ES-275は、ジャズ・プレイヤーのニーズに応えるため開発されたというフル・アコースティック・モデルです。ボディはトラディショナルなL-5をベースにしながらも取り回しが良くフィット感に優れる薄型で、そこに59レス・ポールのシェイプを持つネックをセットし、演奏性を高めたそうです。ES-275には2種のモデルが用意されています。
美しいフィギュアード・トップ&バック/Montreux Burstフィニッシュに彩られたモデル。ヘッドのスプリット・ダイヤモンド・インレイと指板の大きなブロック・インレイなどは、ゴージャスなES-355を思わせる。また、テイルピースにはジグザグ・タイプを、指板材にはリッチライトを採用している点が特徴となる。
プレーン・トップ&バック、クラウン・ヘッド・インレイ、ダブル・パラレログラム指板インレイ、フェイデッド・チェリー・フィニッシュなど、ES-345と近いルックスを持つモデル。テイルピースにはトラピーズ・タイプを、指板材にはローズウッドを採用している点も特徴。両者に共通しているのはMHSハムバッカーPU、ヒストリック・トラスロッド、ロールド・ネック・バインディングなどで、どちらのモデルもプレイアビリティの高さに非常にこだわって開発されたという。
続いてMike Volts氏が紹介したのは、ギブソン・メンフィスのコア・プロダクトの上位機種であるプレミア・シリーズに用いられる新技術、サーマリー処理についてです。これは、熱加工後に減圧処理を施し、木材の細胞レベルでエイジングする技術で、今回ギブソン・メンフィスはプレミア・シリーズのセミ・アコースティック・ギターのセンター・ブロックとブレイシングに、この技術を用いています。さらに、メンフィス・ヒストリック・プロダクトの新製品1958 ES-335も紹介されました。これは、ネック・バインディングがない最初期のES-335を復刻したモデルで、展示されていたのは飴色のナチュラル・トップが印象的な1本です。
その後、ゲスト・アーティストとして日頃からES-Les Paulを愛用しているJiLL-Decoy associationのギタリストkubota氏が登場し、愛器についてのトークと演奏を披露。さらにゲスト・アーティストとしてジャズ・ギタリストの小沼ようすけ氏が登場、理想の1本だという新製品のES-275の魅力について語り、演奏を聴かせてくれました。各演奏は記事冒頭の動画にてご堪能ください!
今回紹介したギブソンUSA、ギブソン・メンフィスの多くの製品は、現在八重洲のGibson Brands Showroom TOKYOで試奏することができます! ぜひ「ギブソンにとって最高の年」である2016年のモデルを、ご自身の手で確かめてみてください(※ES-275は開発途中のプロトタイプであったため、メンフィスに返送されています)。
(2016年1月26日追記)
この発表会でES-275のサウンドを披露した小沼ようすけ氏が、「Tony Monaco, Yosuke Onuma & Gene Jackson」というトリオで日本ツアーを行なうことが決まった。
【Tony Monaco, Yosuke Onuma & Gene Jackson LIVEスケジュール】
■1月31日(日)東京・丸の内 COTTON CLUB
■2月1日(月)東京・丸の内 COTTON CLUB
■2月2日(火)愛知・名古屋STAR EYES
■2月3日(水)大阪 Mr.Kelly’s
■2月4日(木)静岡・浜松 ポルテシアター
■2月5日(金)静岡 Lifetime
■2月9日(火)神奈川 Motion Blue YOKOHAMA
詳しい情報はコチラをご参照ください。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは12月11日(金)を予定。
小沼ようすけ
1974年、秋田県生まれ。ジャズ・ギタリスト。14歳でギターを始め、1999年、ギブソン主催のギブソン・ジャズ・ギター・コンテストにて優勝。2001年に『nu jazz』でメジャー・デビュー。現在までに9枚のアルバムをリリースし、ギブソンES-335をメインに様々なアーティストとのコラボレーション、国内のみならず海外でのライブなど幅広い活躍を見せる。
kubota
1976年、静岡県生まれ。本名:久保田浩之。JiLL-Decoy association(ジルデコ)のギタリスト。高校時代、吹奏楽部でクラリネットを担当、また指揮法、編曲を学ぶ。同時期にギターを始め、大学進学後ジャズ・ギターに目覚める。卒業と同時に渡米しジャズを本格的に学ぶと同時にプロとしてのキャリアをスタート。2002年、セッション・ギタリストとして活動する中、towada(d)と出会い意気投合。その後chihiRo(vo)を加え、JiLL-Decoy associationを結成する。これまで6枚のフル・オリジナル・アルバムを発表している。
JIM
1983年生まれ。本名:木村順彦。THE BAWDIESのギタリスト。リズム&ブルース/ロックンロールを身上とするTHE BAWDIESは、小学校からの同級生のROY、JIM、MARCYと高校からの同級生、TAXMANによって2004年1月1日に結成。2006年のインディーズ・デビューを経て、2009年にメジャー・デビュー。現在までに5枚のアルバムをリリースしている。