AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Bacchus / WOODLINE DX-EWC/MAG
HANDMADE Series WOODLINEの発売15周年を迎える2015年に限定モデルを続々とリリースしているBacchus。デジマート・マガジンでも"SAKURA(桜)"や"KG(黒柿)"をレビューしてきましたが、新たに第8弾モデルとして登場したのがMAGNOLIA(ホオノキ)をボディ・トップに使用した「WOODLINE DX-EWC/MAG」です。やはり注目すべきはトップ材のホオノキ。古くから日本全国の山林に分布する木材だそうで、国産の材料を使った国産メーカーによる純国産ベースとも表現できますね。至る所に日本の魂、和のテイストが感じられる楽器に仕上がっていますよ。
トップ材のホオノキは何といっても落ち着いた緑色と淡い杢目の文様のグラデーションがとても美しいですね。スモークのかかったクリア・ピックガードもボディの風合いによく合っています。ボディ材以外の基本スペックを見ていくと、34インチ・スケールに、2ピースのアッシュ・ボディ、エボニー指板のメイプル・ネック、Jタイプ・ピックアップと、典型的なジャズ・ベースの仕様と言えるでしょう。強いて言えば、70年代のジャズ・ベースに近いスペックとも表現できますが、音色についてはトップ材やピックアップ位置の影響なのか70年代のジャズ・ベースのようなアタック感やレンジ感は特に感じられず、どちらかと言えば60年代のジャズ・ベースのような雰囲気で、とても柔らかく温かみのある落ち着いた印象でした。また、試奏したパッシブ仕様の本器には、いわゆるターボ機能が搭載されていて、通常の状態ではフル・ボリューム時にフロントとリアの両ピックアップが並列(パラレル)接続であるのに対し、トーンのツマミを持ち上げて機能をオンにすることで、両ピックアップを直列(シリーズ)接続に変更することができます。これにより音量感がアップし、よりパワフルな音色が得られるので、ここぞという時の秘密兵器として活用すると良いでしょう。
ピックアップは自社製のJB-ALV setで、ブリッジは裏通しにも対応できるGOTOHの404SJ-4、ペグも同じくGOTOHのGB11Wを配し、全体的なハードウェアを黒でまとめつつ、ネジ類やブリッジ・サドルなどにゴールドのパーツを配したあたりが何ともお洒落で、お寺や神社の装飾品のような威厳のある趣と風格を感じました。映像の冒頭では和音を使ったフレーズを奏でてみましたが、この楽器を手にしたら、ふとああいうフレーズを弾きたくなったんです。何というか、秋の夜長に爪弾きたい、今の季節にピッタリのイメージですね(笑)。基本性能はしっかりしているので、これに限らず、歌モノのバッキングでもソロでも、色々と使えるオールマイティな大人の楽器だと思いました。
価格:¥190,000 (税別)