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  • いっちーのデジタル・デジマート〜第3回

MIDIは電子楽器の共通言語だ!

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 前回のコラムで、いろんなパートを別録りしたものを重ねていくマルチトラックという考え方についてお分かりいただけたかと思います。しかし「やっぱり一人では音楽制作はできないのかぁ......」「一人でいろんな楽器を演奏するなんて無理だ〜!」なんて思った方もいるのではないでしょうか。

 そこで頼りになるのがシーケンサー(Sequencer)という自動演奏装置です。もし、あなたが優れた歌唱力とギター・テクニックをお持ちであれば、それ以外のパートはシーケンサーに電子楽器を演奏させてしまうことができるのです。

 前回のコラムで登場したマルチトラック・レコーディングのイメージ画像において、ベース・パートとドラム・パートをシーケンサーに担当させた場合について考えてみましょう。

▲シーケンサーがベース・パートとドラム・パートを担当するイメージ

 シーケンサーは演奏情報を記録し、それを電子楽器たちに伝えます。例えばシーケンサー側から「ドを鳴らせ」と指示を送れば、電子楽器側がそれを受け取り、ドを鳴らすという仕組みです。このやりとりの中で、もし電子楽器がシーケンサーの指示が分からなかったらどうなるでしょう? 「ドを鳴らせ」という指示にミを鳴らしてしまったら困りますよね。

 そこで、電子楽器の共通言語として、それぞれの機材同士をつないだときにうまくやりとりできるようにしたのが、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)という規格です。

MIDIという共通言語があればやりとりができる。

 MIDIは、どの音階をどのくらいの長さで、そしてどのくらいの強さで鳴らすのかという情報を伝える規格です。さらに、演奏するテンポやボリューム、音色の変化具合などもコントロールできるように決められており、MIDIに対応した電子機器同士のやりとりをスムーズにします。

 ところで、冒頭のイラストでロボットの姿をしていたシーケンサーの実体が気になるところですが、昔はROLAND MCシリーズやYAMAHA QXシリーズといった単体のシーケンサーや、シーケンサーの役割に特化したコンピューター・ソフトもありました。さらにKORG M1に代表されるシンセサイザーにシーケンサーが搭載されたものもありました。最近の音楽制作環境はほとんどDAW中心になり、そこにシーケンサーが内蔵されていると考えていただければいいでしょう。

 したがってこれからDAW中心で音楽制作をはじめる人は、MIDIについて徐々に学んでいけば大丈夫です。とりあえず今のところは電子楽器同士で使われる共通言語だと覚えておいてもらえればと思います。 次回も引き続きこのあたりについてのお話です! <11月17日(火)更新予定>

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プロフィール

いっちー(市原 泰介)
サウンド&レコーディング・マガジン編集部WEBディレクター。学生のころから作曲やDJ活動、バンド活動などの経験を積む。某楽器販売店を経てリットーミュージックに入社。前職では楽天市場内の店長Blogを毎日10年以上更新し、2008年ブログ・オブ・ザ・イヤーを受賞。得意ジャンルはクラブ・ミュージック。日々試行錯誤中。

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