アーティストが使用し、デジマート上でも購入できるドラム機材を紹介していく本連載「Drum Set File」。今回はリズム＆ドラム・マガジン通巻300号を記念して、最多表紙ドラマーである村上"ポンタ"秀一の最新形ドラム・セットを紹介する。音色の違いを示すためにセッティングしたスリーバス・キットは、PONTA BOXなどで様々な曲想の楽曲を1ステージで演奏するために、通常なら2〜3つのセットを便宜上1セットとして組んだポンタならではの仕様だ！
座面からのドラム・キット。
サブ・スネア。写真左がOlive Tree（14"×5.5"）、右がUltracast Free Floating（14"×4.5"）だ。
フット・ペダルは、エリミネーター2（P-2100C）を基本に、左右にツイン・ペダル（P-2002）をセットしている。
Pearlの歴史を歩いてきたとも言えるポンタの最新キットはReference Pure。まず、目に飛び込んでくるペイントは、山下洋輔とのライヴで絵を観ながら即興演奏をした際に、十数種類の“赤”しか使わないという作風が気に入ったという、女性画家の越ちひろによるもの。写真のセットは、2014年に開催したドラム・クリニック時のもので、サイズは、22"×16"BD、20"×16"BD、18"×12"BD、10"×8"TT、12"×8"TT、14"×14"FT、16"×16"FTで、さらに左側に10"＆13"のシングル・ヘッド・タムを追加。クリニックでは音色の違いを示すために必ず3BDをセットしているが、通常のライヴでは、20"（メイン）＆22"や、18"＆20"などのセットアップで臨んでいる。タム類のヘッドは、常にREMOのClear Pinstripeだ。スネアは、この日のメインはPearl Reference Pureの14"×5.5"。サブで用意されたスネアは、Olive Tree（14"×5.5"）と、ポンタ・プロデュースによるアルミ・シェルのUltracast Free Floating（14"×4.5"）だった。
シンバルも、SABIANの歴史を渡り歩いてきたポンタだが、HH、AAの時代から、シリーズ名にXが加わった主要モデルを軸に、シグネチャー・モデルやVault、日本未発売のシリーズや奇数インチ、さらに得意のプロトタイプなど、多種多様なシンバルを使い分ける。この日のチョイスは、HHXの13.5"プロトタイプ・ハイハット、20"Manhattan Jazz Ride、前方の16"X-Treme Crash、16"Manhattan Jazz Crashを軸に、左手側に7"Vault(現AAX) Max Splash、8"HH Splash、18"Vault(現AAX) Saturation Crash、右手側に18"AA Orchestral Suspendedやプロトタイプのチャイナなど、こだわりのシンバルをちりばめる。バス・ドラムのためのフット・ペダルは、まずメインのエリミネーター2（P-2100C）を基本に、左右にツイン・ペダル（P-2002）をセットしているわけだが、左のツイン・ペダルは左右をリバースにしてスレイブ側に装着されたビーターで22"をショット。右側はノーマルのツイン・ペダルのスレイブ側を踏んで18"をショットしている。
本セットは、2014年にリットーミュージックより出版した「ドラム・セット・ファイル」により詳しく掲載している。さらに、取り下ろしのインタビューや歴代セットも収録しているので、要チェックだ。
※以下の製品画像はタイプの一例です。在庫を保証するものではありません。
※（＊）マークがモデル名の後につくものは、このコンテンツの公開時にデジマートに在庫がなくなってしまった商品です。リスト上に残しておきますので、後日、気になった時にリンクをクリックしてもらえば、出品されている可能性もあります。興味を持たれた方はこまめにチェックしてみてください！
Pearl／Reference Pure 写真：イケベ楽器店 ドラムステーション渋谷
REMO／Clear Pinstripe
Pearl／Reference Pure 写真：三木楽器 ドラムセンター ドラム・打楽器専門店
Pearl／Olive Tree 写真：イシバシ楽器 デジマート店
Pearl／Ultracast Free Floating 写真：クロサワ楽器店 ドラムコネクション
SABIAN／HHX Manhattan Jazz Ride
SABIAN／HHX X-Treme Crash
SABIAN／HHX Manhattan Jazz Crash
SABIAN／Vault(現AAX) Saturation Crash
SABIAN／Vault(現AAX) Max Splash
SABIAN／HH Splash
SABIAN／AA Orchestral Suspended
Pearl／P-2100C 写真：三木楽器 ドラムセンター ドラム・打楽器専門店
Pearl／P-2002 写真：イシバシ楽器 デジマート店
現在発売中の『リズム＆ドラム・マガジン2015年12月号』は、通巻300号！ 本記事で取り上げた村上"ポンタ"秀一氏は最多表紙ドラマーとしてコメントを寄せています。さらに、300号ぶんの表紙を全て掲載する特別企画や、300名のプロ・ドラマー愛用スティック大公開など、プレミアムな内容が目白押し。是非チェックしてみてください。
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村上"ポンタ"秀一
72年にフォーク・グループ“赤い鳥”に参加。以降、渡辺貞夫、山下洋輔、坂本龍一、後藤次利、井上陽水、吉田拓郎、山下達郎、松任谷由実、吉田美奈子、矢沢永吉、泉谷しげる、桑田佳祐、長渕剛など、膨大な数のミュージシャンのスタジオ・レコーディング、ライヴに参加。93年よりリーダー・バンド“PONTA BOX”を結成し精力的に活動。プロデューサーとしてさまざまなアーティストと新たな音作りを積極的に続ける一方、近年は後進の育成、指導にも力を注いでいる。
