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- 2024/11/16
Gibson Custom Shop / Ace Frehley 1959 Les Paul Standard
キッスのオリジナル・メンバーとして知られるエース・フレーリー。ライブでは3ピックアップのレス・ポール・カスタムを愛用していましたが、レコーディングでは秘蔵のバースト・レス・ポールを多用していたという話はご存知でしょうか。今週の週刊ギブソンでは、エースが所有していた59バーストを完璧に再現したGibson Custom Ace Frehley 1959 Les Paul Standardを紹介します。
アメリカン・ロック・バンドのレジェンド、KISS。メイクを施しショーアップされたステージングは衝撃的で、多くのフォロワーを生み出しました。1973年のバンド結成当初から80年代初頭までのバンドの黄金期にギタリストを務めたのがエース・フレーリーです。
日本のファンには、1977年の日本武道館公演で使用された3ピックアップ、チェリー・サンバーストという独特な仕様のレス・ポール・カスタムが彼の愛器として強い印象を残しており、ギブソン・カスタムからもそのモデルを復刻したAce Frehley“BUDOKAN”Les Paul Customが2011年に発売されています。このギターがエースのライブでの愛器だとすれば、今回復刻されたAce Frehley 1959 Les Paul Standardは数多くの曲で使用されたというレコーディング用の愛器です。もしかすると、皆さんの耳に焼き付いているサウンドは、こちらのギターの音かもしれません。
オリジナルのエースのバーストは、斜めに入った杢目と独特の退色具合、そしてグローバー・ペグに交換されている点が特徴です。今回の復刻にあたってギブソン・カスタムではオリジナルを徹底的に解析し、最新の仕様、つまり2015年のTrue Historic仕様で再現しています。CNCルーターにこだわることで再現した優美なトップのカーブ、全面的に見直されたプラスティック・パーツ類、鳴りにも影響するボディ・トップとバックのハイドグルー接着といった最強仕様に加え、オリジナルの個体特有の退色具合を再現した“ダーティー・レモン・フレーリー・バースト”というフィニッシュ、厳選された材による杢目のニュアンスまで、完璧な仕上がりとなっています。
それでは本器の試奏動画をご確認ください。
使用アンプ:マーシャルJVM205H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable
まず、このギターは前述のようにTrue Historic仕様で製作された、現在最高峰のレス・ポールです。当然、そのサウンドは過去に週刊ギブソンで紹介してきたヒスコレ、コレクターズ・チョイス、そしてTrue Historicと同様に、フロントでも抜けが良いサウンド、表情豊かなサステインなど“良いレス・ポール”の特徴を備えています。その上で、これまで数々の良いレス・ポールを弾いてきた中でも、このギターからは明確な個性を感じました。“ソリッド感”、“アタック感”が極めて独特なのです。厳選された材と、オリジナルを解析した結果選ばれたPU(フロントがカスタムバッカー、リアがバーストバッカー#3)、そしてグローバーのペグがポイントでしょう。ロー〜ミッドがダブつくことなく非常にタイトに音が出てくる印象的で、他のバースト・リイシューが持つアコースティカルな要素は少なめであり、かなりソリッドな音だと感じました。また、“コツン”というより“カキン”といったイメージのアタックを持ち、エース特有の“カキクケコ”の発音が良いフレージング(……言葉での説明が難しいのですが、ファンの方にはおわかりいただけるかと思います)に最高に合います。試奏で使用しているアンプはMarshall JVM205Hですが、70年代のビンテージ・マーシャルに繋げば、そのままエース・サウンドになりそうだと感じました。
本器は上限300本の限定生産です。エース・ファンはもちろん、ロックな59バーストを探している人にも強くオススメしたい1本です。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは10月30日(金)を予定。
価格:¥1,199,000 (税別)