ノンリバースの“火の鳥”が限定復活！

　1963年に登場したファイヤーバードは、ジョニー・ウィンターや初期のエリック・クラプトンなど、ブルース〜ロック方面に愛好者の絶えないギブソン人気モデルのひとつ。近年ではB’zの松本孝弘氏がファイヤーバードをベースにしたオリジナルのシグネチャー・モデルTAK MATSUMOTO FIREBIRDをギブソン・カスタムから発表、若い世代からもファイヤーバードが改めて見直されています。ただし上記のミュージシャンが愛用したファイヤーバードはすべて、高音弦側のホーンが長くせり出しているタイプ。それに対して、今回ご紹介するNon-Reverseは低音弦側のホーンがせり出しています。

　ファイヤーバードがデビューした63年当時、他社のソリッド・ギターの多くは低音弦側のホーンがせり出しており、それに対してオリジナルのファイヤーバードは高音弦側のホーンがせり出した“反対（Reverse）”の形状を持っていました。非常に斬新なデザインだったわけです。それが、65年から、ファイヤーバードのボディをそのまま反転させた“Non-Reverse”となります（一般的なギタ—との比較で“反対ではなくなった”の意）。反転させたのにNon-Reverseとはこれ如何に。オリジナルのファイヤーバードの形状が見慣れたものとなった現代では、このNon-Reverseこそが斬新なデザインに見えますね。ちなみに、ノンリバの愛好者では、クラレンス“ゲイトマウス”ブラウンが思い出されます。

　ゲイトマウス然り、個性派ギタリストに似合いそうなこのモデル、そのサウンドを動画でチェックしてみましょう。

使用アンプ：マーシャルJVM205H（ヘッド）＋1960A（キャビネット）
使用シールド：ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable

マホ・ボディ+ミニハムによる“粘り”と“キレ”

　動画は、冒頭スライド・プレイからスタート！　ファイヤーバードはスライドによく合うギターで、ジョニー・ウィンターや名手ソニー・ランドレスも愛用しています。マホガニー・ボディ＋マホガニー・ネックの組み合わせが、糸を引くような粘りのあるトーンにひと役買っているのがわかるでしょう。さらに本器にはブライトなミニ・ハムバッカーを搭載し、粘りがあるのにキレもある独特のトーンを作り出しています。途中のカッティングのシーンでは、シングルコイル／ボルトオン・タイプのギターのように“キレ過ぎない”“浮き過ぎない”カッティングを聴くことができます。実はこれ、音楽にカッティングを馴染ませるには重要なポイントで、“馴染むカッティングにはギブソンが最強”というのが個人的な見解です。

　本器はブリッジ周りに、チューン“オー”マティック・ブリッジ+ストップ・テイルピースを採用し、安定したチューニングと長いサステインを実現。ネック・グリップもスリムで、日本人の手によく馴染みます。サウンド以外の弾きやすさ、安定感も抜群というわけです。新鮮なデザインとグッド・サウンドを持つ本器は日本限定生産モデル。ぜひお早めにチェックすることをオススメします。

※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは10月2日（金）を予定。