プロ・ギタリストのエフェクター・ボードをフィーチャーしていくギター・マガジンの人気連載「プロのペダルボー道」。ここでは同連載の最新号に連動し、当該アーティストが使用する、デジマート上でも購入できるエフェクト類を厳選して紹介していく。今回はナオト・インティライミや三代目 J Soul Brothersなどのサポートで活躍する注目のギタリスト、木島靖夫のボードを紹介しよう。
木島はHoochie’sの特注サイズのボードを使用。ギターから右端のVOXのワウ・ペダル（トゥルーバイパス仕様に改造）、右上XOTICのRC BOOSTER（ブースター）に入って、左下ProvidenceのPEC-2（ルーティング・システム）のバッファー・インに入る。PEC-2にはPro CoのRAT（ディストーション）、RMCのZ’s Drive（オーバードライブ）、Crews Maniac SoundのG.O.D（オーバードライブ）、t.c.electronicのNOVA MODULATOR（モジュレーション）、ボスのCH-1（コーラス）、DURHAM ELECTRONICSのZia Drive（オーバードライブ）がつながっている。t.c.electronicのNOVA DELAY（ディレイ）は右上のジャンク・ボックスにつながってアンプのセンド／リターンに入っている。PEC-2のループ８はアンプのチャンネル切り換え用となっている。右側のHILTON ELECTRONICSのボリューム・ペダルはディレイの前にかかるようになっている。左上のDURHAM ELECTRONICSのCrazy Horse（ファズ）、MXRのPhase90（フェイザー）は現場によって使う。その下にはMXR／CUSTOM AUDIO ELECTRONICのMC-403（パワー・サプライ）がある。下段のKORGのPITCHBLACK（チューナー）はPEC-2 につながっている。
ワウ・ペダル開発の先駆者であるVOXがリリースするV847。ロック勃興期のサウンドを彩った歴史的名機、V846を細部に至るまで完全に再現するというコンセプトのもと製作された本機が持つサウンドは、発売から長い期間を経た現在に至るまでワウのスタンダードとして多くの愛用者を生み続けている。
定価：オープン
オフィシャルHP：KORG
クセのないブースト効果とベース、トレブルの2帯域で効果を調整できるブースト・コントロールの搭載などで高い対応力を誇るエキゾティックのブースター。トゥルーバイパス・スイッチを備えるのでボード内に組み込みやすいのも魅力のひとつだろう。電源は9VDCで、別売だが電源アダプターも用意されている。
定価：25,000円
オフィシャルHP：PCIジャパン
言わずと知れたプロビデンスの名機。5つの直列ループと3つの独立ループが搭載されており、最大84のメモリーが可能、加えてMIDIも対応するという多機能を有しつつ、高品位バッファーアンプの採用で音質への配慮も行き届いている。プロに限定してもこのルーティング・システムを導入している人には枚挙に暇がないほどの定番機種だ。
定価：オープン
オフィシャルHP：パシフィクス
プロコの名作ディストーション。1978年から製造が開始されたもので、ジェフ・ベックの使用などで世界的に知られている。太くマイルドな歪みが持つ抜群の存在感は発売から長い期間を経た現代でも多くのギタリストを魅了し続けている。現在はRAT2が現行製品となり、Turbo RATなどのバリエーション・モデルも多数用意されている。
定価：20,000円
オフィシャルHP：モリダイラ楽器
クルーズの名作オーバードライブ。オーバードライブとしては圧倒的なゲインを誇り、良い塩梅のクランチからメタル的な歪みまで、幅広い用途に対応できる。3バンドEQが搭載されており、センタークリックのフラット時から±12dBのブースト、およびカットが可能となっている。木島が使用する歪み系ではメインとして活躍している。
定価：34,000円
オフィシャルHP：クルーズ
コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ、ビブラートなど計7種類のモジュレーションを搭載したマルチ・エフェクター。同社らしい優れたアルゴリズムが採用されており、音質はもちろんのこと、LFOトリガー／シンク機能の搭載など使い勝手の面でも素晴らしい配慮が見られる逸品だ。
定価：オープン
オフィシャルHP：TCグループ・ジャパン
そのコストパフォーマンスの高さから抜群の人気を誇っているボスのコーラス。シャープで抜けの良いかかり具合に定評があり、さまざまな局面で絶妙なスパイスを与えてくれる。高級ブティック・メーカーを経ても結局本機に落ち着くという人もいるほどの定番機種だ。
定価：オープン
オフィシャルHP：ローランド
レベル、ゲイン、トーンの3コントロール構成のオーバードライブ。素直な効果には定評があるが、そのコンプレッション感を抑えた音作りから、特にコード・プレイでの使用に適しているとされる。音の分離が良いのでテンション・コードを頻用するギタリストも安心して使用することができるだろう。
定価：オープン
オフィシャルHP：KITAHARA GAKKI
ディレイ・ライン、ダイナミック、リバース、ピンポン、パン、スラップバックと6種のディレイ・タイプと3種のモジュレーションを備えるマルチ・エフェクター。ユーザー・プリセットは9つまで保存可能となっている。
定価：オープン
オフィシャルHP：TCグループ・ジャパン
航空機用アルミ合金を用いた堅牢なボディ、ポットを使用しない独自機構による劣化の少なさ、それに一般的なボリューム・ペダルよりも低い筐体設計がもたらす抜群の踏み心地などからジェフ・ベックやラリー・カールトンも絶賛するボリューム・ペダル。バッファー・プリアンプの内蔵により音痩せを防いでいるのも大きな魅力だ。
定価：41,000円
オフィシャルHP：アポロン
ダーハム・エレクトロニクスのファズ／ディストーション。レベル、ゲイン、ファズ、トーン、それにゲインへ電圧をかけるボルテージなるコントロールを備える。おもに強烈なファズ・トーンを始めとする個性的な音作りに活躍するが、ディストーション的な使用にも十分耐えうる。
定価：オープン
オフィシャルHP：KITAHARA GAKKI
ワン・コントロールのシンプルな操作性とセッティングのしやすさ、それに高品位な効果からプロ／アマを問わず絶大なる人気を誇っている名機。本製品は同機種の中でも特に評価の高いオリジナル74年製をハンド・ワイアリングで完全再現したモデルだ。レギュラーのPhase90と比べて少し値が張るが、その豊かなフェイズ効果にはその価値が間違いなくある。
定価：22,000円
オフィシャルHP：モリダイラ楽器
MXRとカスタム・オーディオ・エレクトロニクスのコラボにより生まれたパワー・サプライ。大型な設計だが、9VDC出力8つ、18VDC出力4つ、それに800mAの9VAC出力が2つとかなり豊富な出力を持つのがポイント。さまざまなエフェクターをセットしたい人には絶好の1機となるだろう。
定価：オープン
オフィシャルHP：CAE
コルグのフロアタイプ・チューナー。小型／軽量化を実現しながら高輝度の大型ディスプレイの採用、ディスプレイ・モードはメーター、フル・ストロボ、ハーフ・ストロボ、ミラーと4種類が搭載されており、あらゆるシーンに対応できる。チューニングの範囲はE0(20.60Hz)～C8(4,186Hz)、436〜445Hzでキャリブレーションの設定も可能。
定価：15,000円
オフィシャルHP：KORG
本記事はリットーミュージック刊『ギター・マガジン2015年10月号』の連載「プロのペダルボー道」の中でより詳しく紹介されています！ ここではお見せできなかった機材やセッティング・パターン、それにアーティスト本人のコメントも交えた解説も掲載されているので是非チェックしてみて下さい。
多くのプロ・ギタリストたちのボードを紹介してきた本連載が、これまでの軌跡をひとまとめにし、さまざまな新規コンテンツも盛り込んだムックとなって絶賛発売中！ 本書の中面では1ページ全面にボード写真が掲載されており、それぞれのボード・セッティングの細部をしっかりチェックできる。「プロのボード構築の秘訣」企画から、「プロ御用達ショップF・Sugar」「ハイ・クオリティ・システムの先駆者オカダ・インターナショナルのスペシャル・インタビュー」などボー道を志す者は必読の内容。多くの現場で培われたプロのセッティングは多くのギタリストにとって参考になるはずだ。ぜひチェックしてほしい！
著者：ギター・マガジン編集部
定価：2,160 円（本体2,000円+税）
仕様：A4変型判／128ページ
発売日：2015.5.25
ISBN：9784845625987
木島靖夫
1978年、東京都出身。幼少期からピアノ、トロンボーンを演奏、クラシック・ギターを習う。ザック・ワイルド、ダイムバック・ダレル、スティーヴ・ルカサーなどに影響を受ける。2003年、オーディションでw-indsのツアーに参加、サポート・ギタリストとしての活動を開始。ナオト・インティライミ、家入レオ、 三代目 J Soul Brothers、YT、吉田山田、石川綾子など、数多くのアーティストに関わる。大正製薬『RAIZIN』のCM音楽を担当。セッション・バンドHIMAXでも活動中。
