AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
MXR / CSP104 '73 Vintage Distortion+
カラリとしたブリティッシュ・サウンドを持ったMXRの大定番ペダル、Distortion+のカスタムショップ・バージョンが、このCSP104 '73 Vintage Distortion+だ。潰れ過ぎず、ザクザクとした質感のディストーション・サウンドが特徴で、70年代から80年代に一世を風靡したドライブ・サウンドが得られる。
やはりレス・ポールやセミアコとの相性が良く感じられるが、ファット系のシングルコイルにもマッチする。ローがスッキリとしており、現行のDistortion+と比べても、オリジナルの73年モデルが持つ「枯れた感じ」が上手く再現されている。ソロ用のブースト・ペダルとしても最適で、特にマーシャル系アンプとの相性は良い。ブースター的にサウンドをプッシュしても音が潰れないので、ローがたっぷりとしたサウンドでバッキングをプレイし、ギター・ソロではミッド・レンジにフォーカスしたサウンドを聴かせたい場合などに威力を発揮するだろう。プレイヤーのピッキングのニュアンスもそのままに出力するので、ピッキングやプレイの粗も前面に出てきてしまう。しかし、それこそがこのペダルの良さだ。
エフェクターで音を作るのではなく演奏者が出したい音に少しだけ手助けをしてくれる様な印象は、やはり玄人向けと言えそうだ。そういった意味でも「良いディストーション」だと思う。昨今のハイゲイン・ペダルにはないRAWなテイストがカッコ良い。ぜひ、一度チェックして欲しい。
※使用アンプ:Fender '68 Custom Deluxe Reverb
※使用ギター:Crews Maniac Sound / OSL
価格:¥22,000 (税別)
村田善行(むらた・よしゆき)
株式会社クルーズにてエフェクト・ペダル全般のデザイン担当、同経営の楽器店フーチーズ(東京都渋谷区)のマネージャーを兼任。ファズ関連・エフェクター全般へのこだわりから専門誌にてコラムを担当する他、覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。