まさに“最高峰”のゴージャス・レス・ポール

　“Supreme”、つまり“最高峰”を表すモデル名の通り、レス・ポール・シュプリームはギブソンUSAのレス・ポールの中で、最もゴージャスな仕様を誇る１本です。価格的にもUSAレス・ポールでは最も高価なモデルとなっています。まず目を奪われるのが、AAAAグレードのメイプルが奢られたボディ・トップ。本器はSeafoam Greenのフィニッシュに、ゴールド・パーツがよく映えています（フィニッシュは他にサンバースト系のHeritage Cherry Sunburst Perimeterもあり）。通常のレス・ポールと異なる点は、見ての通りfホールを持つチェンバード構造であること、そして正面から見るとわかりませんが、バックにも厳選された杢を持つメイプル材を、アーチ構造で採用している点です。

　ピックアップは、フロントにはフローティングのミニ・ハムバッカーを採用。これはジャズ系に特化したギターによく見られる仕様で、このことからも本器は大人を対象にしたモデルと言えるでしょう。リアには出力を抑えた492Rを搭載し、フロントとの組み合わせで多彩なバリエーションを生み出します。ゴージャス感を高めるインレイやバインディングにも注目したいところ。他には、2015年モデルでお馴染みのワイド・ネック、0フレット・アジャスタブル・ナット、チタン・サドルを乗せたアップグレード・チューン“オー”マティック・ブリッジなどの仕様を踏襲しています。

　それでは、そんなレス・ポール・シュプリームのサウンドを確かめてみましょう。

使用アンプ：マーシャルJVM205H（ヘッド）＋1960A（キャビネット）
使用シールド：ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable

特徴的な明るいクリーン・トーン

　前述の通り、大人のプレイヤーを意識した作りで、サウンド面でもクリーン・トーンの良さが際立っています。動画でも、ほぼクリーン・トーンを中心にプレイしています。ただしその個性は、高級機種に多い甘めのサウンドを狙ったものではなく、かなりブライトなトーンを持っている点にありそうです。このあたりは、ボディ・バックに採用されたメイプル材も関係していそうです。もともとブライトなサウンドを持つギターは、ピッキングやトーン・コントロールのほんの一目盛りの調整でかなり違ったニュアンスを楽しむことができます。本器も、弾き手によってかなり違った表情を見せるポテンシャルを秘めています。

　動画の後半ではごく軽くクランチさせてみましたが、それによってちょっと粘りが出てブルージィになっていることがわかると思います。ジャズ、ブルース、それに落ち着いたポップスの歌伴に最適なギターだと感じました。このルックスに惚れたという方にはもちろん、普段はES-175のようなオーソドックスな箱モノを愛用しているが、それとは違ったニュアンスのギターも欲しいという方にも強くオススメします。2015年の限定品ですから、気になる方は早めにチェックされてください！

※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは8月28日（金）を予定。